DV夫(妻)と離婚できない理由や対処法とは?
ざっくりポイント
  • DV夫(妻)との離婚ができない理由とは?
  • DV夫(妻)と離婚できない場合の対処法とは?
  • DV夫(妻)との離婚を弁護士に相談すべき理由とは?

目次

【Cross Talk 】DV夫との離婚ができない場合はどうすればいいですか?

DV夫との離婚を検討していますが、どうすればいいですか?

離婚の話し合いを進める必要がありますが、難しい場合には別居を検討してください。

DV夫との離婚ができない理由や対処法について、詳しく教えてください。

DV夫との離婚が難しい場合は、弁護士に相談して別居を検討する

DV被害に苦しみ、「離婚したいのにできない」と悩まれている方は少なくありません。暴力や精神的な虐待が日常化していると、相手に離婚を切り出すことすら恐怖を感じることでしょう。しかし、その苦しみから解放され、安全な未来を手に入れることは可能です。
この記事では、DV夫(妻)と離婚できない理由と、その状況を打破するための具体的な対処法、そして弁護士に相談すべき理由について解説していきます。

DV夫(妻)との離婚ができない理由

知っておきたい離婚のポイント
  • DV夫(妻)との離婚ができない理由とは?
  • 双方が合意できない場合、協議・調停離婚は難しい

DV夫との離婚ができないと言われている原因は何ですか?

ここでは、DV夫(妻)との離婚ができない理由を解説していきます。

DV夫(妻)が離婚に応じない

DVを受けているにもかかわらず、離婚に踏み切れない方には、いくつかの共通した理由が存在します。
まず、DVの加害者は、一般に身勝手でコントロール欲が強いため、自分から離れようとする配偶者を強く拒絶する傾向にあります。

話し合いの場で離婚を切り出そうとしても、相手が激高したり、暴力を振るったりする可能性があるため、話し合いそのものが困難なことがほとんどです。また、家庭裁判所の調停を申立てても、相手が離婚に応じなければ調停は不成立となり、離婚は成立しません。

DV加害者は、自分の行為を正当化したり、被害者のせいにしたりすることが多く、話し合いが平行線をたどるため、法的な手続きを進めても簡単に離婚できない可能性があります。

DV夫(妻)に生活を依存している

特に専業主婦やパートタイムで働く方の場合、夫(妻)の収入に生活が依存しているため、離婚後の経済的な不安から離婚をためらってしまうことがあります。

離婚後の生活を想像し、経済的に自立できる自信がないと感じると、DVから抜け出したいと思いながらも、現状を維持せざるを得ないと考えてしまいがちです。また、DV夫(妻)に精神的に依存している場合もあります。DVやモラハラ的な言動によって、相手がいないと何もできないと思い込まされてしまっている方もいます。

DVは心身に大きな負担をかけるため、どうにかしてこの状況を抜け出したいと考える方が多いですが、経済的・精神的な不安を抱えて離婚に踏み切れない方が少なくありません。

子どもが幼いため離婚に踏み切れない

子どもがいる場合、離婚が子どもに与える影響を心配して、離婚をためらうことも多く見られます。離婚する際には、月々の養育費を相手から受け取れるように話し合いを行う必要がありますが、DV夫(妻)と話し合いを行うのは容易ではありません。

特に、子どもがまだ幼い場合や、配偶者が子どもを溺愛しているように見える場合、「子どもから父親(母親)を奪っていいのか」、「自分が我慢すれば済む話なのではないか?」などといった迷いや葛藤を抱く方が多いのです。

しかし、DVが子どもに与える精神的な影響は決して小さくありません。目の前で親がDVを受ける姿を見ることや、常に緊張感のある家庭環境で育つことは、子どもの健全な成長に悪影響を及ぼす可能性があります。

DV行為を証明できる証拠がない

離婚訴訟を提起する場合、裁判官に離婚を認めてもらうためには、DVがあったことを証明する客観的な証拠が必要となります。しかし、DVは家庭内の密室で行われることが多く、第三者が見ているわけではないため、被害の証明が困難です。

暴言や精神的なDVは、録音や日記といった形で記録するしかなく、身体的な暴力であっても、すぐに病院に行って診断書をもらわなければ証拠として不十分となる場合があります。証拠がないと離婚できないと思い込み、離婚に踏み切れないという方も少なくありません。

関連記事:DV夫(妻)と離婚したい!離婚を進める場合の注意点について弁護士が解説

DV夫(妻)と離婚できない場合の対処法

知っておきたい離婚のポイント
  • DV夫(妻)と離婚できない場合の対処法とは?
  • 離婚に詳しい弁護士に相談する

DV夫と離婚ができない場合、どうすればいいのでしょうか?

ここでは、DV夫(妻)と離婚ができない場合の対処法について解説していきます。

DVを受けている証拠を収集する

DV被害を受けている方が離婚に踏み切るためには、段階的に準備を進めることが重要です。DVは家庭という密室で行われることが多いため、第三者が目撃しているのは稀です。
そのため、まずは、後々の交渉や裁判を有利に進めるためにも、以下のような客観的な証拠を集めることが不可欠です。

身体的暴力の場合 ・医師による診断書やカルテ
・怪我やアザなどの写真・動画
・警察への被害届や相談記録
精神的暴力・暴言の場合 ・暴言を録音・録画したデータ
・暴言の内容が記録されたメールやLINEの履歴
・モラハラの内容を詳細に記録した日記
経済的DVの場合 ・生活費に関するやり取りを記録したメッセージ履歴
・生活費が不十分であることを示す家計簿
・通帳など、生活費の管理状況が分かる記録

証拠はひとつでも多く集めることが重要です。日記には、いつ、どこで、どのようなDVがあったかを具体的に記録し、写真や録音などの証拠と合わせて整理しておきましょう。

関連記事:DVをでっち上げられた時はどうすれば良い?認定される前に早めの対策を

DV夫(妻)と別居をする

DV加害者と直接話し合うことは非常に危険を伴います。身の安全を確保するためにも、まずは別居することを検討してください。

別居はDVから物理的に距離を置くことができるだけでなく、法律上も重要な意味を持ちます。長期間の別居は、夫婦関係が破綻していることの証明となり、離婚裁判になった際にも有利な考慮要素となります。

夫婦間で収入格差がある場合、別居後は、離婚が成立するまで相手に婚姻費用(生活費)を請求することが可能です。
経済的な不安がある場合でも、この制度を利用することで当面の生活費を確保することができます。ただし、相手が支払いに応じない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申立てる必要があります。

離婚問題に詳しい弁護士に相談する

DVの被害を受けている状況において自分ひとりで離婚問題を解決しようとすると、様々な不都合やデメリットが生じる可能性があります。もっとも大きな問題は、相手と直接やり取りしなければならないことです。

DV加害者は、話し合いの場で感情的になったり、被害者を身体的・精神的にコントロールしようとしたりするため、精神的な負担が非常に大きくなります。本来であれば、正当な権利を主張できたところ、自分ひとりで対応したがために、離婚を成立させることができない、あるいは、不当に不利な状況で離婚が成立してしまうというリスクがあります。

したがって、DV夫(妻)と離婚したいという場合には、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。離婚問題に詳しい弁護士に相談するメリットについては、以下で詳しく解説していきます。

DV夫(妻)と離婚できない場合は弁護士に相談すべき

知っておきたい離婚のポイント
  • DV夫(妻)との離婚を弁護士に相談すべき理由とは?
  • 弁護士に依頼することで、必要な手続きは全て一任できる

DV夫との離婚は弁護士に相談すべきなのでしょうか?

ここでは、DV夫(妻)との離婚を弁護士に相談するメリットについて解説していきます。

DV配偶者と直接やり取りしなくて良い

DV加害者は、被害者を心理的にコントロールしようとするため、直接やり取りすることは極めて危険です。離婚を切り出したり、交渉を進めようとしたりすると、逆上して暴力を振るったり、精神的に追い詰められたりする可能性があります。

弁護士に依頼すれば、全ての連絡や交渉を代理してもらえます。
これにより、被害者はDV加害者と直接向き合う必要がなくなり、物理的・精神的な安全を確保できます。そして、弁護士という第三者が介入することで、DV加害者の不合理な言動を抑止し、冷静に話し合いを進められる可能性が高まります。

有利な離婚条件で交渉できる

DV加害者は、被害者が法律知識に乏しいことを利用し、極端に不利な条件を提示したり、財産を隠したりすることがあります。弁護士は、過去の判例や裁判所の実務を熟知しているため、慰謝料や財産分与、養育費、親権など、それぞれの状況に応じた適正な条件を算定し、交渉を進めます。

また、弁護士はDVの証拠収集をサポートし、その証拠を効果的に活用して、より有利な条件での合意を目指します。もし協議や調停で話がまとまらなくても、裁判で認められる可能性の高い条件を提示できるため、交渉を有利に進めることができます。

法的なサポートを受けられる

弁護士は、単に交渉を代行するだけでなく、離婚手続き全般にわたる包括的な法サポートを提供します。万が一、DV加害者が別居後に付きまとったり、脅迫したりする行為があった場合でも、保護命令の申立てなどによって、法的に相手からの接近を禁止することができます。

また、養育費の不払いなど、離婚後に発生する可能性のあるトラブルにも対応可能です。法的な知識がなくても、弁護士に任せることで、複雑な手続きをスムーズに進められ、安心して新しい生活を始めることができます。

まとめ

DV被害を受けている方が離婚に踏み切れない理由は、相手の拒絶、経済的な不安、子どもへの影響、そしてDVの証拠がないことなど、多岐にわたります。
しかし、これらの問題は決して解決できないものではありません。まずは別居や証拠収集で準備を進め、専門家である弁護士に相談することが、安全かつ確実に離婚を実現するための第一歩です。弁護士は、DV加害者との直接交渉を代行し、あなたの身の安全を守りながら、法的な視点から有利な離婚条件を獲得できるようサポートします。
当事務所には離婚問題に詳しい弁護士が在籍しておりますので、DV夫(妻)との離婚でお困りの場合には、ぜひお気軽にお問い合わせください。