再婚相手が嫌がる場合、面会交流を拒否できる?
ざっくりポイント
  • 再婚相手が面会交流を嫌がる場合は?
  • 再婚相手が嫌がることを理由に面会交流を拒否したらどうなる?
  • 再婚相手が面会交流を嫌がる場合の対処法とは?

目次

【Cross Talk 】再婚相手が嫌がる場合、面会交流を拒否することはできますか?

再婚相手が嫌がることを理由に面会交流を拒否することは可能ですか?

原則として、再婚相手が嫌がることは面会交流を拒否する正当な理由とはなりません。

再婚相手が面会交流を嫌がった場合の対処法について、詳しく教えてください。

原則として、再婚相手が嫌がることは面会交流拒否の正当な理由にはならない

離婚後、子どもと離れて暮らす親との面会交流は、子どもの成長にとって非常に重要です。しかし、再婚を機に、面会交流の継続に悩む方は少なくありません。特に、新しいパートナーが面会交流を嫌がる場合、子どもと元配偶者との関係を優先すべきか、再婚相手との新しい家庭を優先すべきか、板挟みになってしまうこともあります。
この記事では、再婚相手が面会交流を嫌がる場合の法的な問題点や、具体的な対処法について弁護士が解説していきます。

再婚相手が面会交流を嫌がる場合とは?

知っておきたい離婚のポイント
  • 再婚相手が面会交流を嫌がる場合とは?
  • 監護親の再婚と非監護親の再婚

再婚相手が面会交流を嫌がるのはどのような場合でしょうか?

ここでは、監護親の再婚と非監護親の再婚に分けて解説していきます。

監護親が再婚した場合

離婚後、子どもと離れて暮らす親(非監護親)との面会交流は、子どもの健やかな成長のために大切なものです。しかし、再婚を機に、面会交流をめぐるトラブルが発生することは少なくありません。特に、再婚相手が面会交流を嫌がることで、面会交流がスムーズに進まなくなることは多く見られます。

そして、離婚した親の再婚には、監護親(親権者)の再婚と非監護親の再婚の2つに分けて考えることができます。

まず、監護親が再婚した場合、再婚相手は「子ども(連れ子)と新しい家族として早く馴染みたい」と考えるのが一般的です。その気持ちが強いあまり、非監護親との面会交流を快く思わないことがあります。

また、再婚相手が子どもと過ごす時間を大切にしたいと考えるあまり、非監護親との面会交流が子どもに与える影響を心配し、「新しい生活に慣れるのが遅れてしまうのではないか」、「子どもが混乱するのではないか」といった不安から、面会交流に消極的な態度を示す場合も見られます。

こうした再婚相手の気持ちを汲んだ監護親が、「できるだけトラブルなく新しい生活を送りたい」と考え、非監護親との面会交流に消極的になったり、拒否したりすることもあります。

非監護親が再婚した場合

非監護親が再婚した場合、面会交流の実施を嫌がる再婚相手の気持ちが原因で、非監護親が面会交流に消極的になることがあります。

再婚相手からすると、非監護親が前配偶者との間に生まれた子どもと会うことに対して、複雑な感情を抱くことがあります。特に、非監護親と再婚相手との間に子どもが生まれた場合、再婚相手は「新しい家族を優先してほしい」という思いから、面会交流に反対するかもしれません。

また、面会交流を嫌がる再婚相手の気持ちが非監護親にも影響し、「わざわざ再婚相手と揉めてまで、面会交流を実施したくない」と考えるようになり、結果的に面会交流が途絶えてしまうこともあります。こうした場合、面会交流の実施を求める監護親と、それに消極的な非監護親との間でトラブルに発展する可能性が高まります。

再婚相手が嫌がる場合は面会交流を拒否できる?

知っておきたい離婚のポイント
  • 再婚相手が嫌がる場合は面会交流を拒否できる?
  • 面会交流を拒否するには正当な理由が必要

再婚相手が嫌がることを理由に面会交流を拒否できるのでしょうか?

面会交流を拒否するためには、正当な理由が必要となります。

原則として面会交流は拒否できない

再婚相手が面会交流を嫌がったとしても、それを理由に面会交流を拒否することはできるのでしょうか。
結論からお伝えすると、再婚相手が面会交流を嫌がるという理由だけでは、原則として面会交流を拒否することはできません。

なぜなら、面会交流は子どもの健やかな成長を願うために行われるものであり、子どものための権利とされているからです。離婚後も、非監護親が子どもの実の親である事実は変わりません。親として、子どもと定期的に交流する機会は、再婚という親の個人的な事情によって奪われるものではありません。
面会交流の実施でもっとも重要視されるのは「子どもの福祉(幸せ)」です。再婚相手の感情や親の都合だけで子どもの健全な成長の機会を制限することはできないのです。

ただし、面会交流をすることで、かえって子どもの成長に悪影響を及ぼすような特別な事情がある場合には、面会交流の拒否が認められる可能性があります。例えば、非監護親に虐待や暴力の事実があったり、子どもが明確に「会いたくない」と意思表示をしていたりする場合などです。

関連記事:面会交流は拒否できる?拒否した場合のリスクなどについて解説

再婚相手と養子縁組しても面会交流を拒否する理由とはならない

再婚相手と子どもが養子縁組(普通養子縁組)をした場合でも、それ自体が面会交流を拒否する理由にはなりません。

養子縁組をすると、再婚相手は子どもの法律上の親となり、扶養義務や相続権が発生します。しかし、普通養子縁組の場合、実の親と子どもの親子関係がなくなるわけではありません。養子縁組によって子どもの環境が変化したとしても、子どもが実の親との絆を維持し、成長していくことは重要だと考えられています。

したがって、非監護親は法的に子どもの親であることに変わりはなく、面会交流を行う機会も維持されます。再婚相手と子どもが養子縁組を結んだからといって、非監護親との面会交流を一方的に拒否すると、後述するような法的トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。

再婚相手が嫌がるからといって面会交流を拒否したらどうなる?

知っておきたい離婚のポイント
  • 再婚相手が嫌がるといって面会交流を拒否するリスクとは?
  • 履行勧告・履行命令、間接強制、慰謝料などを請求されるリスク

再婚相手が嫌がるという理由で面会交流を拒否するとどうなりますか?

ここでは、再婚相手が嫌がるといって面会交流を拒否するリスクについて解説していきます。

履行勧告や履行命令、間接強制を申立てられる

再婚相手が面会交流を嫌がっているからといって、正当な理由なく面会交流を拒否し続けると、法的トラブルに発展する可能性があります。調停や審判などで面会交流の取り決めがなされているにもかかわらず、監護親が再婚相手の意向を理由に面会交流を拒否し続けると、非監護親から以下の法的手段を講じられる可能性があります。

  • 履行勧告:
  • 家庭裁判所が監護親に対し、取り決めに従い面会交流を実施するように「勧告」する制度です。強制力はありませんが、裁判所から書類が届くため、心理的なプレッシャーは大きくなります。

  • 間接強制:
  • 面会交流を拒否した場合、1回につきいくらといった金銭の支払いを命じることで、心理的な圧力をかけて面会交流の実施を促すものです。これは、金銭の支払いという形で間接的に約束を守らせる手段です。

    慰謝料を請求される

    面会交流を正当な理由なく拒否し、非監護親が子どもと会えない期間が長期にわたると、非監護親は精神的苦痛を受けたとして、監護親に対して慰謝料を請求する可能性があります。

    面会交流の妨害が悪質だと判断された場合や、拒否した期間が長ければ長いほど、慰謝料の金額は高額になる傾向にあります。

    再婚相手の意向に従って安易に面会交流を拒否することは、法的なリスクを伴う行為だということを認識しておくべきでしょう。

    再婚相手が面会交流を嫌がる場合の対処法

    知っておきたい離婚のポイント
    • 再婚相手が面会交流を嫌がる場合の対処法
    • 実の父母間で面会交流の実施方法を見直す

    再婚相手が面会交流を嫌がる場合、どうすればいいのでしょうか?

    ここでは、再婚相手が面会交流を嫌がる場合の対処法について解説していきます。

    再婚相手に面会交流の重要性を理解してもらう

    まずは、再婚相手がなぜ面会交流を嫌がるのか、その不安や心情を丁寧に聞き取ることから始めましょう。再婚相手は、元配偶者との接点が増えることへの嫉妬や、新しい家族関係が壊れるのではないかというおそれなど、様々な感情を抱えている可能性があります。

    そのうえで、面会交流が子どものための制度であることを説明し、理解を求めることが重要です。
    面会交流は親の個人的な都合ではなく、子どもが健やかに成長するために不可欠な機会であることを強調しましょう。また、「再婚したから」という理由だけでは、法的に面会交流を拒否することは難しいことも、冷静に伝えておく必要があります。

    再婚相手の理解を得ることは、新しい家庭を円満に築くためにも重要なステップです。子どもの幸せを第一に考え、家族全員で協力していく姿勢を見せることが、再婚相手の不安を和らげることにつながります。

    面会交流の実施方法の見直しを検討する

    再婚相手が抱える具体的な不安を解消するため、非監護親に対し、面会交流の実施方法の見直しを申し入れることも有効な対処法です。例えば、以下のような点で変更を提案できないか、当事者間で話し合ってみましょう。

  • 頻度や時間をこれまでよりも減らす
  • 再婚相手が自宅への訪問を嫌がる場合、公園や商業施設など、実施場所を変更する
  • 親同士が顔を合わせないよう、子どもを学校や駅で受け渡す、第三者機関を利用するといった受け渡し方法に変更する
  • ただし、これらの見直しはあくまで子どもの利益を最優先に考えるべきであり、「再婚したから」という理由だけで面会交流の条件を一方的に変更することはできません。当事者間の話し合いで合意が得られない場合は、家庭裁判所の面会交流調停を申し立てて、第三者である調停委員を交えて解決策を探ることも可能です。

    まとめ

    再婚相手が面会交流を嫌がったとしても、それだけを理由に面会交流を拒否することはできません。
    面会交流は子どもの健やかな成長のための機会であり、親の都合で制限することはできないからです。正当な理由なく拒否し続けると、非監護親から履行勧告や慰謝料請求といった法的措置を執られるリスクがあります。まずは再婚相手の気持ちに寄り添い、面会交流の重要性を理解してもらう努力が大切です。
    当事務所には面会交流トラブルに強い弁護士が在籍しておりますので、お困りの際にはぜひ当事務所までご相談ください。