
- 別居婚の離婚率は?
- 別居婚のメリットとデメリットとは?
- 別居婚がうまくいかない夫婦の特徴とは?
【Cross Talk 】別居婚の夫婦は離婚しやすいのでしょうか?
別居婚を検討しているのですが、別居婚の夫婦は離婚しやすいのでしょうか?
別居婚にはメリットとデメリットがあり、また別居婚が失敗しやすい夫婦には特徴があります。
別居婚について、詳しく教えてください。
関係が悪化している場合、それぞれが別々に暮らす別居婚を検討されている方は少なくありません。別居婚の夫婦は離婚しやすいのでしょうか。また、別居婚のメリットとデメリット、別居婚がうまくいかない夫婦の特徴はどのようなものなのでしょうか。このコラムでは、このような疑問点について、弁護士が解説していきます。
別居婚の離婚率は高い?

- 別居婚とは?
- 別居婚の離婚率は高い?
別居婚の夫婦の離婚率は高いのでしょうか?
ここでは、別居婚の夫婦の実態について解説していきます。
別居婚とは?
「別居婚」は、法律上に定義のある言葉ではありませんが、一般的に、婚姻関係にある夫婦が同居せず、お互いに別々の居所で暮らしながら法律婚を継続することを指します。
法律上、夫婦には同居義務がありますが、双方が合意のうえで、別居して生活することは許されています。ただし、別居婚という場合には、単身赴任や一方だけの転勤などやむを得ない事情によるものではなく、夫婦があえて別居して生活することを選択している場合を指すことが多いでしょう。
別居婚の夫婦の離婚率は高い?
それでは、別居婚の夫婦の離婚率は高いのでしょうか。
別居婚夫婦のうちどれくらいの割合のカップルが離婚しているのかを示す、統計データはありません。そのため、別居婚を選択したから離婚率が高くなるとは一概に言えません。
なお、厚生労働省が公表している「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」によれば、令和5年の婚姻件数は、47万4741組であるのに対して、同年の離婚件数は、18万3814組です。婚姻件数は前年よりも減少傾向にあるのに対して、離婚件数は前年よりも増加傾向にあります。
このような結果から、別居の有無にかかわらず離婚件数が増加していることが分かります。
離婚までの別居期間はどれくらい?
それでは、離婚する夫婦はどれくらい別居しているのでしょうか。厚生労働省の「令和4年度 離婚に関する統計の概況」によると、令和2年において離婚件数全体に対して別居離婚(離婚届を届け出る際に別居していた)件数の割合は、71.9%となっています。
別居期間(別居したときから離婚届までの期間)別にみると、別居期間が1年未満の割合が約82.8%で、1年~5年未満の割合が11.7%となっています。
別居婚のメリット・デメリット

- 別居婚のメリットとデメリットとは?
別居婚を選択すべきなのでしょうか。
別居婚には、メリットとデメリットがあるため、それを考慮したうえで判断する必要があります。
別居婚のメリット
別居婚のメリットには、次のようなものがあります。
まず、別居婚の最大のメリットは、生活スタイルの自由度が高いという点です。夫婦が同居をしている場合には、互いに相手の生活スタイルに合わせる必要が生じます。
しかし、別居婚であれば、自分の好きなように生活環境や生活スタイルを整えることができます。また、日常的に相手から干渉を受けることもないため、特に問題のない生活が送れているのであれば、気楽に過ごすことができるでしょう。
また、別居婚の場合は、共同生活をしていないため、口論や喧嘩が起きにくくなります。共同生活を続けていると、「ここはこうして欲しい」「言わずとのこれはやってほしい」などの不満が噴出する可能性がありますが、別居婚の場合には、このような心配はいりません。衝突が回避できることでストレスが軽減する可能性もあるでしょう。
さらに、別居婚は法律婚を維持しているため、相続や税金の配偶者控除などの法的なメリットを享受することができます。
別居婚のデメリット
他方で、別居婚には、以下のようなデメリットもあります。
別居婚の場合には、夫婦それぞれの生活拠点で住居費や水道光熱費などの生活費が生じます。そのため、同居婚と比べて、夫婦全体でかかる生活費が高額になる可能性が高いでしょう。
さらに、夫婦が別の場所で生活する場合は、浮気を誘発してしまうという問題があります。別居婚の場合、共同で住む家に帰宅する必要がなかったり、外泊がしやすいといった事情から、不貞行為をしやすい環境になってしまうことは否定できません。
別居婚がうまくいかない夫婦の特徴とは?

- 別居婚がうまくいかない夫婦の特徴とは?
別居婚を続けるためにはどのようなことに気を付けたらいいのでしょうか?
ここでは、別居婚がうまくいかない夫婦の特徴について解説していきます。
経済力が十分でない
別居婚をする場合には、夫婦それぞれに住居費や水道光熱費が発生することになるため、ある程度の経済力が必要となります。
別居婚では、同居婚よりも倍近い生活費がかかることもあり、金銭的に厳しくなった場合には、別居婚から同居に戻さなければならなくなる可能性もあります。
自分勝手すぎる
別居婚は、自由度が高い生活ができるというメリットがあります。しかし、別居婚であるからといって、常に自分の都合を最優先にしてしまう場合には、夫婦関係が破綻してしまうおそれがあります。
パートナーに非常事態があった場合や、家族としての協力を要請している場合などでは、お互い夫婦として協力する関係を構築しておく必要があるでしょう。
そのような場合であっても、夫婦の協力が得られない場合、相手は法律婚関係を維持する意味がないと感じてしまう可能性があります。
一方が別居婚に納得していない
夫婦のうち一方が最初から、または途中から別居婚に納得できていない場合には、夫婦関係が破綻する可能性があります。
例えば、他方にだけ経済的負担が集中している場合や、子どもが欲しくなった・寂しさが強くなった場合など、様々な理由から別居婚の状態に不満が出てくる可能性があります。
まとめ
別居婚とは、婚姻関係を維持しつつ夫婦それぞれが別々の拠点で生活することを指します。別居婚には、自由度の高い生活ができ、相手との日常的な衝突を回避できるというメリットもあります。他方、お金がかかったり、夫婦の一方が別居婚に反対したりして、うまくいかないリスクもあります。
別居婚を選択して生活費等の取り決めをしておきたい場合や、夫婦関係が悪化して離婚を検討している場合には、夫婦トラブルに強い弁護士に相談するようにしてください。当事務所には、夫婦トラブルの解決実績が豊富な弁護士が在籍しておりますので、お気軽にお問い合わせください。






