離婚・慰謝料請求に必要な不倫の証拠の押さえかた
ざっくりポイント
  • 不倫とは
  • 不倫の証拠が必要な理由
  • 不倫の証拠の種類

目次

【Cross Talk 】離婚をしたい!不倫の証拠は必要?

夫が不倫をしていると思うので、離婚に向けて行動を開始しようと思っています。まずどんなことをするべきですか?

不倫の証拠の確保は必ず行いましょう。離婚裁判までもつれた場合には必要不可欠になります。

詳しく教えてください。

不倫で離婚・慰謝料請求をするには証拠が欠かせない!

相手が不倫をしている場合に、離婚・慰謝料請求をするには、証拠が欠かせません。これは、離婚裁判や慰謝料の支払いを求める裁判をするために、証拠の添付が必要であるからです。さらに、これらの証拠がしっかりそろっているような場合、相手は裁判までしても無駄だと分かるので、離婚協議や離婚調停を有利に進めることができます。
不倫を立証するのに役にたつ証拠にはどのようなものがあるかと併せて確認しましょう。

不倫とは?

知っておきたい離婚のポイント
  • 離婚原因になる不倫とは肉体関係・性的関係のことをいう

ちなみに離婚原因になる不倫ってどのような行為を言うのでしょうか。

法的な意味では肉体関係・性的関係のことをいいます。

まず、「不倫」といわれる行為の意味を確認しましょう。
不倫や浮気という言葉を一般的に使う場合には、様々な意味で使われることがあります。
しかし、法的な意味で離婚原因になる不倫は、民法770条1項1号の「配偶者に不貞な行為があったとき。」を意味し、具体的には肉体関係・性的関係のことをいいます。
証拠は肉体関係・性的関係に関するものを集めることになります。

不倫の証拠を押さえるメリットとは?

知っておきたい離婚のポイント
  • 不倫の証拠を押さえるメリット
  • 裁判の証拠となるだけではなく、交渉が有利になる

不倫の証拠を押さえることのメリットにはどんなものがありますか?

離婚・慰謝料請求をするのに不可欠であるうえに、しっかり証拠が揃っていると前提となる交渉が有利に進みます。

不倫の証拠を押さえるメリットには次のようなものがあります。

離婚原因があることを立証する必要があるため

離婚協議・離婚調停で相手が離婚に応じない場合には、離婚裁判を起こす必要があります。
離婚裁判を起こすためには、上述した通り離婚原因が必要です。

離婚協議・離婚調停で離婚に応じないような場合には、裁判でも離婚に応じないことから、離婚原因があることを証拠によって証明しなければなりません。
不倫の証拠がなければ、離婚原因があることを証明できず、負けてしまうことになります。
そのため、離婚を主張する際には、不倫の証拠は欠かせません。

慰謝料請求をするために立証する必要があるため

不倫をされたら、離婚する・しないいずれの場合でも、相手や不倫相手に対して慰謝料の請求ができます。
慰謝料の請求をするにあたって、不倫の事実を証明する必要があります。
また、不倫の期間や頻度によって、慰謝料の額が異なります。
慰謝料請求のためにも、不倫の事実を証明する証拠は欠かせません。

しっかり不倫の証拠を集めていれば交渉自体が有利に

しっかり不倫の証拠を集めると、相手としても離婚・慰謝料を拒んでも無駄であり、裁判をするだけ裁判費用や手間がかかるという考えになることが期待できます。
その結果、離婚協議や離婚調停における交渉が有利に進む可能性が非常に高くなります。

不倫の証拠の集め方

知っておきたい離婚のポイント
  • 不倫の証拠の種類
  • 不倫の証拠の集め方

不倫の証拠になるのはどのようなものでしょうか。

証拠の種類ごとに確保する方法を確認しましょう。

不倫の証拠はどのようにして集めれば良いのでしょうか。
どのようなものが証拠になるのかと併せて確認しましょう。

メール・SNS

不倫相手とのメールやSNSでのメッセージのやりとりは、不倫の証拠として有力です。
相手が不倫の事実を認めてこれらのメッセージを見せてきたような場合には、スクリーンショットをするあるいは自分のスマートフォンなどで写真を撮るなどして、記録をとるようにしましょう。

写真・動画

相手が不倫相手とラブホテルに入るところの写真や動画は証拠になります。
カフェやレストランで会話や食事しているだけでは、肉体関係・性的関係を持った証拠にはならず、せいぜい不倫をしている期間や頻度についての証明にしかならない可能性があります。

ラブホテルに入るところの写真や動画の取得には、尾行や張り込みなどの行為が不可欠です。
住居侵入・建造物侵入などの犯罪行為にならないように気をつけることはもちろん、相手に気づかれないようにすべきです。
そのため、個人でこれを行うのではなく、調査会社(探偵)に依頼するようにしましょう。

相手が自白をした動画・録音

相手が自白した際の動画や録音は証拠になります。
様々なものを相手につきつけて、相手が自白をした場合には、その自白もスマートフォンなどで録画・録音するようにしましょう。

領収書・レシートなど

領収書・レシートなどが証拠になることがあります。
ホテルの領収書・レシートなどは直接肉体関係・性的関係があることを示すものとして証拠になります。写真・動画と同様にレストランのレシートなどの直接肉体関係・性的関係があることを示すものではない場合でも、会っていた頻度などを示す証拠になるので取っておくと良いでしょう。
相手が財布の中の整理をするにあたってレシートをゴミ箱に捨てたようなときに、これをチェックしてみるようにしましょう。

調査会社(探偵)の報告書

不倫の証拠集めとして調査会社(探偵)を利用する方も多いです。
探偵は尾行や張り込みを行うことで、不倫に関する証拠をまとめて、調査報告書を作成してくれます。
上述したラブホテルに入っていく写真・動画なども取得してくれるので、有力な不倫の証拠となります。

まとめ

このページでは、不倫の証拠がなぜ重要なのか、および証拠の種類や収集の仕方などについてお伝えしました。
離婚や慰謝料請求をする際に、裁判で事実を認定してもらうために必要な証拠ですが、しっかり集めていると相手との交渉を有利にすすめることも可能です。
どのような証拠が必要となるか、どのような証拠をこれから取得すべきかなどについては、個々のケースによりますので、早めに弁護士に相談するようにしてください。

この記事の監修者

弁護士 手柴 正行第二東京弁護士会 / 第二東京弁護士会 法教育委員会委員
ご依頼者さまが笑顔で毎日を過ごせるよう迅速かつ適切な事件処理を心がけています。