スピード離婚をする理由とは?スピード離婚のメリット・デメリットとは?
ざっくりポイント
  • スピード離婚をするよくある理由とは?
  • スピード離婚をするメリット・デメリットとは?
  • スピード離婚の進め方とは?

目次

【Cross Talk 】スピード離婚をする理由にはどのようなものがありますか?

スピード離婚の原因にはどのようなものがありますか。

スピード離婚する夫婦にはよくある理由・原因があります。

どのような理由・原因か詳しく教えてください。

スピード離婚の理由やメリット・デメリット、進め方などを具体的に解説していきます。

一般的にスピード離婚といわれる場合、いくつかの典型的な離婚理由が見られます。
スピード離婚だといわれる場合、メリットとデメリットを比較考量して判断する必要があります。このページでは、スピード離婚のメリットとデメリットや、具体的なスピード離婚の進め方についてお伝えしていきます。

スピード離婚をする人の割合

知っておきたい離婚のポイント
  • スピード離婚をする人は全体のどのくらい?
  • 同居から3年未満で離婚する人は離婚全体の2割程度

スピード離婚をする人は全体のどれくらいなのでしょうか。

離婚に関しては厚生労働省が統計データを公表しているため参考になります。

「スピード離婚」については明確な定義があるわけではありません。
一般的に婚姻から「3年以内」で離婚するカップルについては、スピード離婚と言われる可能性が高いでしょう。
それでは、結婚してから3年以内で離婚する夫婦はどのくらいなのでしょうか。
厚生労働省が公表している、「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」によれば、婚姻件数は50万1138組であるのに対して、離婚件数は18万4384組です。
婚姻率(人口千対)は4.1であるのに対して、離婚率(人口千対)は1.50です。

同居期間別離婚件数を見てみると、同居して3年未満で離婚する件数は、34597件で、離婚するカップルの18.7%近くがスピード離婚であることが分かります。
なお、同居して5年未満の離婚件数は54510件で、全体の29.5%近くにのぼることを同データは示しています。

以上より、離婚する夫婦全体の2割近くが3年以内に離婚する夫婦であることが分かります。

スピード離婚する理由

知っておきたい離婚のポイント
  • スピード離婚をする理由とは?

スピード離婚をする理由にはどのようなものがありますか。

スピード離婚をする夫婦には様々な原因が考えられます。ここではその具体的な原因・理由を紹介いたします。

相手と価値観が違い過ぎていた

夫婦関係が破綻する理由として多いのが、「価値観・性格の不一致」です。
夫婦といえどもお互い独立した別の人間であるため、価値観や性格が完全に一致するということはありません。
しかし、交際期間中には気づけなかった価値観・性格の相違が大きな夫婦トラブルを誘発する可能性もあります。

  • 結婚相手がかなりの浪費家でついていけない
  • 生活スタイルがあまりにも合わず一緒に生活するのが苦痛になった
  • 結婚した途端に相手が豹変し一切家事も育児もやらなくなった

特に出会ってから結婚までの期間が短いカップルの場合は、お互いのことを知る機会が少ない可能性があり、スピード離婚に至る可能性も高まります。

現実の結婚生活が理想と異なりすぎていた

理想の結婚生活と現実の結婚生活が大きく乖離する場合も、スピード離婚に至る原因になり得ます。
結婚生活に対する理想や憧れが高すぎると、結婚後の生活に大きな変化がなければ結婚生活に不満を抱く原因になります。特に結婚条件に高いハードルを設けていたものの、そのような条件が満たされなかった場合、「思い描いていた結婚生活と違う」という精神状態になりかねません。

例えば、「結婚後は妻が家事・洗濯をしてくれて家で手料理を作って待ってくれている」と思い込んでいた場合や、「結婚後は専業主婦になって家でのんびり過ごせるはずだ」と思い込んでいた場合などには、それらが実現しなければ、結婚生活に疑問を持ってしまう可能性があります。

結婚生活の理想と現実は同居をはじめれば、すぐに直面することになりますので、スピード離婚に至る原因の1つになります。

相手が結婚前から問題を抱えていた

結婚相手が結婚前から問題を抱えていたいことを、同居によって初めて知った、という場合もあります。
具体的には、以下のような問題が結婚後に発覚することがあります。

  • 別の異性と長期間、浮気・不倫を続けていたこと
  • 高額な借入金の返済が滞っており、返済の目途もたっていないこと
  • 気に入らないことがあると激昂し、暴力や暴言に及ぶこと
  • モラハラなどの精神的虐待を平気で行う傾向があること


配偶者が不貞行為を行っていた場合には、法定離婚事由として訴訟上の離婚をすることができます。
スピード離婚の場合になる可能性が高いのは、婚姻以前から交際していた第三者の異性と、婚姻後も関係を継続しているような悪質な不貞の場合です。
また、結婚後に多額の借金が判明する場合もスピード離婚に至る原因となります。負債を隠して結婚したという相手の態度に不信感を抱くことになるほか、信用情報に事故情報が掲載されることで、住宅ローンや自動車ローンが組めなくなり一緒に生活していく自信が失われてしまう可能性があります。

スピード離婚のメリットとデメリット

知っておきたい離婚のポイント
  • スピード離婚をするメリットとデメリットには?
  • スピード離婚は、メリット・デメリットを考慮して慎重に判断する必要がある

スピード離婚をすべきかどうか、悩んでいます。

スピード離婚にはメリットもデメリットも存在しているため、慎重に判断する必要があります。

スピード離婚のメリット

スピード離婚をすることには、以下のようなメリットがあります。

  • 離婚時に取り決めておく事項が多くない
  • 精神的な苦痛も比較的大きくない
  • 早い段階で人生の方向転換ができる

まず、スピード離婚の場合には夫婦期間が短いため、夫婦の間に未成熟の子どもがいなかったり、夫婦共有財産といわれるものもほとんどなかったりする可能性が高いです。
扶養する必要がある未成熟の子どもがいない場合には、離婚の際に親権者の決定や養育費支払いの合意、面会交流の決定などを決める必要がありません。

また、夫婦共有財産がない場合には、財産分与について取り決めておく必要もありません。
このように、婚姻期間が短いと夫婦として共同生活をしている期間が短いため、それに伴う権利・義務関係も発生していない可能性があります。

したがって、スピード離婚の場合には、離婚の際に夫婦間で取り決めておく事項が少なくて済みます。

結婚相手に不信感を抱いた状態や信頼関係が完全に失われた状態で、この先何年も婚姻関係を継続することは非常に難しいでしょう。人生の早い段階で人間関係を清算し新しい人生にむけて歩き始められることは、スピード離婚のメリットであると考えられます。

スピード離婚のデメリット

スピード離婚することには、以下のようなデメリットがあります。

  • いわれのない悪評を立てられるリスク
  • 経済的な基盤が弱い可能性
  • 一時的な感情で判断し事後的に後悔する

ついこの前結婚を報告したのにもう離婚を報告しないといけないという場合、非常に世間体が悪いと感じる方もいるでしょう。
家族や親族に対して申し訳なく感じたり、「恥ずかしい」と指摘されてしまったりする可能性もあります。さらに、「そんなに早く離婚するなんて、当人に何か問題があるに違いない」と根も葉もない悪評を立てられてしまうリスクもあります。

また、スピード離婚をする場合には、経済状況が不安定になる可能性があります。
結婚を機に勤務先を退職してしまった方は、離婚によって再就職する必要が出てきます。すぐに新しい仕事に就けるとは限りませんし、勤務条件が満足のいくものになるとも限りません。

また、離婚の際には、離婚の原因を作った方に慰謝料請求ができる可能性があります。「婚姻期間の長さ」については慰謝料を算定する1つの考慮要素です。婚姻期間が短い場合には、精神的な苦痛が小さいと判断される可能性があります。

さらに、スピード離婚の場合には、相手方配偶者と関係を修復する機会を失うことになります。時間をかけて夫婦関係を修復することができる可能性もあります。そのような場合であっても一時的な感情から離婚を決めてしまい、事後的に後悔をするという可能性もあります。

以上のように、スピード離婚にはデメリットも存在しています。

スピード離婚の進め方

知っておきたい離婚のポイント
  • スピード離婚の進め方は?
  • スピード離婚するには「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の手続きがある

スピード離婚をするにはどのように手続きを進める必要がありますか。

ここではスピード離婚の進め方について具体的な手続きを解説していきます。

協議離婚をする

前述の通り、スピード離婚をする原因は夫婦によってさまざま考えられます。
しかし、夫婦が話し合いで合意して離婚する場合には、基本的にどのような離婚原因であっても離婚することができます。
お互いが感情的になって話し合いが難しいという場合には、別居などによって冷静に話し合えるようになるのを待つ必要があるでしょう。
同居期間に比較して別居期間が長くなった場合には、裁判上の離婚が認められる可能性も出てきます。
また、当事者同士の話し合いではなかなか進まないという場合、弁護士に依頼して交渉を進めることも検討すべきでしょう。

調停、裁判で離婚する

話し合いでは離婚についてまとまらないという場合には、家庭裁判所の調停手続きを利用することになります。調停手続きは、家裁の裁判官と市民の中から選任された2名の調停委員が間に入って話を聞くことで、話し合いによる解決を目指す手続きです。

調停手続きで合意に達した場合には、その内容で調停調書が作成され手続きは終了します。なお、話し合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続き開始され、裁判官による判断が示されることになります。

調停・審判によっても解決できなかった場合には、離婚裁判を提起する必要があります。
訴訟が提起された場合、口頭弁論期日が指定され、当事者双方が証拠に基づいて事実を主張・立証することになります。必要な証拠の取り調べが行われ、最終的には裁判官が離婚の可否、財産分与などについて判決をもって判断することになります。

まとめ

この記事では、スピード離婚をする原因やスピード離婚をする手続きの流れについて解説してきました。
スピード離婚で揉めそうだと不安な方は、一度弁護士に相談されることをおすすめいたします。
離婚トラブルの解決に豊富な経験を有している弁護士に依頼することで、スムーズに離婚手続きを進められる可能性が高まります。