離婚が成立する条件は?
ざっくりポイント
  • 協議離婚が成立する条件
  • 調停離婚が成立する条件
  • 裁判離婚が成立する条件

目次

【Cross Talk 】離婚をするための条件はありますか?

夫と離婚することを考えています。性格の不一致からすれ違ってしまってもはや家では会話もないのです。特に不倫をされた・家にお金を入れないということではないのですが、離婚をするための条件を満たしますか?

協議離婚や調停離婚をする際には特に離婚の理由は問われませんが、離婚裁判をするには離婚原因が必要なので、性格の不一致の程度について詳しく検討する必要がありますね。

詳しく教えてください。

離婚するための条件は?離婚の種類によって確認。

離婚をするための条件についてはどのようなものがあるのでしょうか。離婚といっても、協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚があるので、離婚の種類によって検討する必要があります。このページでは、離婚の種類ごとに離婚するための条件についてお伝えいたします。

協議離婚をする場合の条件

知っておきたい離婚のポイント
  • 協議離婚をする場合の条件
  • 離婚の合意・離婚届の提出が条件になる

協議離婚をする場合の条件は何でしょうか?

離婚することの合意と離婚届の提出が条件です。

協議離婚の条件は、

  • 離婚することの合意
  • 離婚届の提出

が条件です。

離婚することの合意

協議離婚の条件の一つは、離婚することへの合意があることです。
「協議」で離婚するわけですから、双方が離婚することに合意をしていなければなりません。
そのため、一方が認知症・怪我や病気で意思表示をすることができなくなった、という場合には「合意」ができないので、協議離婚はできません。
離婚の合意は真意に基づくものでなくてはならず、詐欺や脅迫で合意したような場合には離婚の取り消し原因になります(民法764条・民法747条)。
なお、慰謝料・財産分与・養育費などの金銭的な問題について決まっていなくても、離婚の合意ができていれば離婚は可能で、これらの問題は別途交渉・法的手続きでの請求が可能です。

市区町村への届け出

離婚届を市区町村に届け出ることが条件です。
これは、民法764条で、婚姻届に関する民法739条が準用されているためです。

(婚姻の規定の準用)
第七百六十四条 第七百三十八条、第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は、協議上の離婚について準用する。
(婚姻の届出)
第七百三十九条 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

なお、この離婚届の提出に関しては、

  • 子がいるときは親権者を定めて記載しなければ受理されない
  • 2名以上の証人による署名が必要

なので、事実上は子どもがいるときはどちらの親権にするか決めていることが条件といえます。

離婚原因があることは協議離婚では問われない

離婚ができるかどうかの議論で問題となる離婚原因ですが、協議離婚では当事者の合意があれば離婚原因に該当しなくても離婚は可能です。

調停離婚をする場合の条件

知っておきたい離婚のポイント
  • 離婚調停をする場合の条件は調停で合意すること
  • 離婚届は形式的なものにすぎない

協議が調わない場合には離婚調停に進むんですよね?離婚調停ではどのような条件が必要なのでしょうか。

調停で離婚に合意することのみです。

協議離婚が調わない場合には離婚調停を起こします。
離婚調停で離婚をするときの条件は、離婚調停において離婚に合意することのみです。

離婚調停で離婚に合意する

離婚調停で離婚に合意すれば、それで離婚が成立します。
離婚調停とは、裁判官1名と民間から選任される調停委員の2名が、当事者双方から話を聞きながら合意を目指す手続きです。
離婚について合意ができない場合に、原則として裁判を起こす前に離婚調停を利用することになっており、ここで合意できれば離婚が成立します。
離婚調停では、離婚をするかどうかだけではなく、慰謝料・財産分与・親権・養育費などすべての項目について調整をします。
上述した離婚原因は、裁判を起こすための条件なので、離婚調停では不要です。

市区町村への届出は戸籍法上の形式的なもの

離婚調停で離婚をした場合でも、市区町村へ10日以内に届け出る必要があります。
これは戸籍法77条・63条に基づくものですが、単なる届出(報告的届出)であって、協議離婚のように離婚の効力を生じさせる届出(創設的届出)とは異なります。

審判離婚は審判が確定すれば離婚となる

なお、離婚調停が調わなかった場合で、些細な食い違いで合意ができない際に、裁判所が職権で決定して「調停に代わる審判」を下すことで行う離婚です。
この審判が確定すると、離婚が成立することになります。
なお、審判が確定する前(審判から2週間が経過する前)に異議申立てをすれば、裁判で争うことになります。

離婚裁判で離婚する場合の条件

知っておきたい離婚のポイント
  • 離婚裁判を請求するには離婚原因が必要
  • 判決・和解・請求の認諾などで離婚が成立

離婚裁判をするときには離婚原因が必要なのですね。

離婚裁判の請求をするのに離婚原因が必要です。最終的に離婚するためには裁判の中で離婚が決まる必要があります。

裁判離婚をする場合の離婚の条件について確認しましょう。

離婚原因があること

裁判離婚で離婚する場合には、離婚原因があることが必要です。

(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

離婚原因については後述します。

裁判で離婚の判決をもらう

離婚の裁判を起こしたうえで離婚する判決をもらうなどで、裁判で離婚すると確定させる必要があります。
裁判を起こすと勝訴判決をもらうイメージをしている方も多いのですが、実際には和解が試みられたり、被告となる相手方が請求を認める認諾という終わり方をすることもあります(和解で終わる場合の離婚を和解離婚・請求の認諾をする場合の離婚を認諾離婚といいます)。
判決・和解・認諾によって、離婚することが確定すれば、離婚が成立します。

市区町村への届出は戸籍法上の形式的なもの

判決・和解・認諾がされた場合にも同じく戸籍法上の届出が必要ですが、こちらも報告のための提出で、離婚は判決などで既に成立しています。

離婚裁判を起こす条件である「離婚原因」とは

知っておきたい離婚のポイント
  • 離婚原因の内容
  • 5号で包括的な規定を置いている

離婚裁判を起こす条件である離婚原因にはどのようなものがありますか?

1号から4号までは具体的な内容になっていますが、5号で包括的な離婚原因があるので、1号から4号にあたらない場合には5号にあたらないかを検討することになります。

離婚原因にはどのようなものがあるか確認しましょう。

相手が不貞行為を行った

相手が不貞行為(浮気・不倫)を行った場合です。
ここでいう不貞行為は肉体関係(性的関係)をいいます。
裁判をする場合には、不貞行為を証明できるかが鍵になります。

相手による悪意の遺棄

悪意の遺棄とは、夫婦間の同居義務・扶養義務に違反しているような状態をいいます。
婚姻して夫婦になると、同居義務・扶助義務・婚姻費用分担義務などが相互に発生します(民法752条・760条)。
これに違反しているような状態のことを悪意の遺棄としています。
具体例としては、

  • 家に生活費を入れない
  • 特に理由なく同居を拒否して別の家で暮らしている
  • 家出を繰り返している
  • 不貞相手の家に入り浸って帰ってこない
  • 嫁姑問題が原因で実家に帰ってしまい帰ってこない

3年以上の生死不明

3年以上生死不明である場合です。
なお、生死不明であるような場合には、調停を起こしようがないので、調停をせずに離婚裁判を起こすことが可能です。

相手が強度の精神病にかかり回復の見込みがない

相手が強度の精神病にかかって回復の見込みがない場合には離婚原因となります。
なお現実には、回復の見込みのない精神病になっただけでは離婚を認めることは少なく、離婚後の生活についてある程度見通しをたてていない場合には、離婚は不相当とされます。

その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

1号から4号までの事由に具体的にあたらない場合でも、既に婚姻関係が破綻していて婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき、といえるような場合には離婚原因となるという包括的な規定を置いています。
DV・モラハラ・嫁姑問題・性格のすれ違いなどで、婚姻関係が破綻していると認定できれば、この5号を理由に離婚裁判の提起が可能です。

まとめ

このページでは離婚の条件についてお伝えしました。
離婚の条件は、離婚の種類によって異なります。
特に相手が離婚に応じず離婚裁判を提起する場合には、離婚原因が必要なので注意しましょう。
離婚を検討しているが、どう進めていいか分からない場合には、早めに弁護士に相談することが重要です。