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- 単身赴任であることのみでは離婚原因はない
- 離婚原因がある場合の離婚のすすめかた
【Cross Talk 】夫が単身赴任から帰ってきてくれず、もう離婚したいです。
単身赴任で帰ってこない夫のことで相談があります。単身赴任を理由に全く家に帰って来てくれず、夫婦となっている意味もなく、離婚したいと思うのですが、単身赴任を理由に離婚することは可能なのでしょうか?
単身赴任であるというだけで離婚することはできませんが、他の離婚原因がある場合や、単身赴任が原因で夫婦関係が破綻しているような場合には離婚することができる場合もあります。現在の状況について教えてください。
是非相談に乗ってください。
夫が単身赴任をしてしまって長期で帰ってこないという場合があります。これを原因として離婚ができるのでしょうか?もっとも問題となるのが、相手が離婚に合意しない場合に起こす離婚裁判の要件である離婚原因の有無です。このページでは単身赴任であることを理由に離婚ができるかをお伝えします。
単身赴任で帰ってこない夫との離婚

- 協議離婚・調停離婚では合意ができれば離婚が可能
- 離婚裁判を起こすには離婚原因が必要
- 単身赴任というだけでは離婚原因ではない
単身赴任で帰ってこない場合には夫と離婚できるのでしょうか。
単身赴任で帰ってこないというだけでは離婚できない可能性が高いです。
単身赴任で帰ってこない夫と離婚はできるのでしょうか。
当事者が合意できれば協議離婚・調停離婚は可能
離婚の方式として当事者の協議で行う協議離婚、離婚調停において離婚する調停離婚の場合、当事者が合意できればどのような理由でも離婚が可能です。
そのため、単身赴任で帰ってこない夫とも離婚ができます。
離婚裁判をするには離婚原因が必要
当事者が合意をしない場合には協議離婚・調停離婚はできません。
そのため、離婚裁判を起こして離婚をする必要があります。
ただし、離婚裁判を起こすためには、民法770条1項に規定されている離婚原因が必要となります。
単身赴任で帰ってこないのは離婚原因となるか
単身赴任で帰ってこないのは離婚原因となるのでしょうか。
民法770条1項には、単身赴任で帰ってこない、ということを直接定めていません。
そのため、単身赴任で帰ってこない、というだけで離婚裁判を起こすことはできず、離婚をすることはできません。
しかし、単身赴任をして家に生活費を入れないような場合には、770条1項2号の「配偶者から悪意で遺棄されたとき」に該当します。
また、単身赴任先で不倫をしている場合には、770条1項1号「配偶者に不貞な行為があったとき」に該当します。
さらに、単身赴任で帰ってこないことが原因で夫婦仲が悪くなったり、実質的に別居しているのと同様に考えられたりする場合や、DV・モラハラなどもあわさって、婚姻関係が破綻してしまっているような場合では、5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当することがあります。
これらに該当するため離婚原因がある場合に、離婚裁判を起こして離婚をすることが可能です。
単身赴任の夫と離婚をするためには

- 単身赴任の夫と離婚するための方法
- 離婚原因がある場合の証拠の確保をきちんと行う
単身赴任の夫と離婚をするためにはどのような注意が必要ですか?
離婚原因があるかどうかの証拠の確保はきちんと行いましょう。
単身赴任の夫と離婚をするためにはどのような注意が必要でしょうか。
夫に離婚原因があるか調査
まず、夫に離婚原因があるかをしっかり調査しましょう。
離婚原因がない場合には、協議離婚・調停離婚において離婚についての合意ができなければ、離婚ができません。
上記のような明確な離婚原因がないような場合には、単身赴任を続けるような場合には離婚をしたい旨を伝えるなどすることも必要となります。
離婚原因がある場合には証拠をしっかり収集
夫が浮気をしている、悪意の遺棄を行っている、婚姻関係が破綻している、など離婚原因がある場合には、証拠をしっかり収集しましょう。
離婚原因がある場合でも、証拠を提出できなければ、離婚原因がないとして取り扱われる可能性があります。
例えば、不倫をしているような場合に、しっかりとした証拠を確保せずに離婚の交渉を行った結果、不倫の証拠を隠されてしまい、証拠の提出ができなくなってしまいます。
そのため、離婚原因がある場合の証拠の確保は事前にしっかり行うようにしましょう。
離婚届の提出
単身赴任をしている場合の離婚届はどこに提出するのでしょうか。
離婚届は、夫婦双方の住所がある市区町村か、戸籍のある市区町村に対して行います。
単身赴任先が遠方である場合などは、夫婦の一方が提出することが可能です。
まとめ
このページでは、単身赴任の夫と離婚することができるのかについてお伝えしました。
単身赴任というだけでは、相手が合意しない限り離婚することはできませんが、単身赴任先で不倫をしているような場合や、家に生活費を入れないような場合にはそれらが離婚原因となり、また単身赴任が原因で夫婦関係が破綻しているような場合でも離婚原因となり、離婚ができます。
夫婦関係の破綻を認定できるか、どのような証拠によって離婚原因があると主張するかは非常に難しい問題となるので、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。






 
					

