養育費はいつまでもらえるの?支払期間を変更することはできる?
ざっくりポイント
  • 養育費とは
  • 養育費はいつまでもらえるのか
  • 養育費の支払期間の変更

目次

【Cross Talk 】養育費はいつまでもらえますか?

離婚をすることになり、今養育費について交渉中です。夫は子どもが成人の18歳までを主張するのですが、やはり大学は出てもらいたいと思っており、こちらは22歳までもらいたいです。養育費はいつまでもらえるのでしょうか?

養育費をいつまでもらえるかについて明確に定めた法律はないのですが、場合によっては22歳までもらえる可能性はあります。

どのような場合ですか?詳しく教えてください。

養育費はいつまでもらえる?18歳?22歳?

離婚をする場合に夫婦で取り決めるべきものの一つとして、養育費が挙げられます。子どもが自立するために必要な費用として支払うものですが、これはいつまでもらえるのでしょうか?この点について法律では特に明確に定めておらず、夫婦が離婚をするときの交渉や調停・裁判で決められます。このページでは養育費はいつまでもらえるのかについてお伝えいたします。

養育費はいつまでもらえる?

知っておきたい離婚のポイント
  • 養育費とは
  • 養育費はいつまでもらえるか

養育費はいつまでもらえますか?

養育費をいつまでもらえるかは夫婦によって異なります。支払う人がどのような方なのかにもよります。

養育費はいつまでもらえるのでしょうか。

養育費とは?

養育費とは、子どもが社会的・経済的に自立するために、子どもを監護していない親が、子どもを監護している親に対して支払う金銭をいいます。
子どものいる夫婦が離婚をする場合で、別居をするならば、離婚後、子どもはどちらか一方と暮らすことになります(多くが母親)。
そこで、一緒に暮らしていない一方(多くが父親)が他方に対して、支払うのが養育費です。

養育費はいつまでもらえる?

この養育費ですが、子どもの自立のために支払われるものですから、子どもが自立するまで支払うことになります。
では実際にいつまでもらえるかについて、法律で明確に離婚後何年・子どもが何歳になるまで、という形で定めてはいません。
そのため、養育費はいつまでもらえるか交渉で、交渉で決められないときには調停・裁判で決めることになります。
基本的な考え方としては、

・18歳まで:現在の成年の年齢
・20歳まで:成年の年齢の改正前の成年・短期大学や2年生の専門学校を卒業した年齢
・22歳まで:4年生の大学を卒業する年

以上の年齢まで養育費をもらうのが基本です。

まずは夫婦で話し合しあって、養育費をいつまでもらうか決めます。
話し合いで決められない場合には、調停・裁判で決めます。

このとき、法律ではどのように支払うかを決めていないので、夫婦の事情をもとに調停委員が意見を出したり、裁判所が決めることになります。
参考になるのが養育費を支払う側の水準です。

通常通り両親が結婚しているときには、両親は子どもに対して扶養義務を負っており、子どもに自分と同じ水準の生活ができるように面倒をみなければならないとしています。
つまり、両親ともに大卒の家庭でそれなりの収入があるような場合には、子どもが望めばその程度の生活を扶養義務として負っているといえるのです。
そのため、養育費を支払う側の人が、大学を卒業していて、他の大学卒業者と同じくらいの収入があるような場合には、養育費の支払いも大学卒業まで支払うべきという考えになりやすくなります。

成人年齢の引き下げと養育費について

成年の年齢が2022年4月1日に20歳から18歳に引き下げられました。
これについて

・従来の成人までと取り決めがあった場合の養育費の取扱い
・これからの養育費の取扱い

について確認しましょう。

まず、既に養育費の支払い時期を成人するまでとしている場合については、法務省が「成年年齢の引下げに伴う養育費の取決めへの影響について|法務省ホームページ(URL:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00230.html)において、「取決めがされた時点では成年年齢が20歳であったことからしますと,成年年齢が引き下げられたとしても,従前どおり20歳まで養育費の支払義務を負うことになると考えられます。」としており、成人するまでと規定していても影響を受けないといえるでしょう。
また、これからの養育費についても「養育費は,子が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない場合に支払われるものなので,子が成年に達したとしても,経済的に未成熟である場合には,養育費を支払う義務を負うことになります。このため,成年年齢が引き下げられたからといって、養育費の支払期間が当然に「18歳に達するまで」ということになるわけではありません」としています。
つまり、成人・18歳など形式的な判断をするのではなく、自立するのはいつなのか?ということを個別具体的に決めるべきといえるでしょう。

浪人・留年した場合は?

高校・大学への進学・卒業がストレートであれば、18歳で高校を卒業し大学に進学、4年生大学を卒業すれば22歳です。
しかし、中には浪人をする・留年をするという場合もあります。
このような場合を見越して、留年や浪人をしたときには、その間は支払わない・減らすなどと取り決めても良いですし、「大学卒業まで」と取り決めるのではなく「22歳まで」と取り決めて実質的には支払わない、という方法も可能です。
全く取り決めをしていなかった場合には、夫婦で話し合って追加で取り決めをしても構いません。

18歳を超えてもらえる場合

知っておきたい離婚のポイント
  • 18歳を超えてももらえる場合
  • 大学進学や病気などで社会的自立ができていない場合を確認

18歳を超えて養育費をもらえる場合にはどのような場合がありますか?

18歳を超えても養育費をもらえる場合を確認しましょう。

では、成人年齢である18歳を超えても養育費を貰える場合について確認しましょう。

子どもが大学進学した場合

子どもが既に大学や専門学校に進学している場合が挙げられます。
この場合に養育費を支払わないというのは、通学を継続することができなくなり、経済的自立が困難となります。
そのため、調停・裁判となると養育費の支払いが認められる可能性が高くなります。

子どもが自立していない場合

18歳の段階で子どもの自立が期待できない事情があるような場合には、養育費の支払いが継続することがあります。
例えば、病気をしていて治療に時間がかかっているような場合では、18歳の段階で経済的自立は期待できません。
あくまで個別具体的事情をもとに自立を判断するので、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

まとめ

このページでは、養育費をいつまでもらえるか、を中心にお伝えしました。
養育費をいつまでもらえるかは、子どもの状況によって異なりますので、長くもらいたい場合には必ず弁護士に相談するようにしましょう。