不貞行為の証拠を出すタイミングについて解説いたします。
ざっくりポイント
  • 不貞行為の証拠を出すタイミングは「証拠が揃い、相手が不貞行為を認めないとき」
  • 証拠を出し話し合いをする前に、慰謝料請求をするか、離婚したいかなど自身の希望を明確にさせておく
  • 話し合いの前には弁護士など専門家への相談がおすすめ

目次

【Cross Talk 】不貞行為の証拠を出すタイミングはいつ?

配偶者の不貞行為の証拠が集まりました。いつ相手に証拠を出せば良いのでしょうか?

まずは証拠が「第三者から見て明らかに不貞行為をしたことが分かるものであるか」を確認しましょう。証拠を出すタイミングは、証拠が十分に揃っており相手が不貞行為を否定したときです。

詳しく教えてください。

不貞行為の証拠を出すタイミングや、具体的な証拠の例などを解説

「不貞行為の証拠を出すタイミングが分からない」という方は、まず集めた証拠が「第三者から見て明らかに不貞行為をしたことが分かるものか」を確認しましょう。近しい人に事情を話し判断してもらうという方法もありますが、できれば弁護士に相談することをおすすめいたします。

証拠に信頼性がある場合は、相手が不倫を否定したタイミングで証拠を出すことになります。ただし、話し合いの前には離婚や慰謝料請求など自身の希望する条件を明確にしておく必要があります。詳しく見ていきましょう。

不貞行為を立証するための証拠とは?相手に出すべきタイミング

知っておきたい離婚のポイント
  • 配偶者に不貞行為があった際には、離婚裁判を起こすことができる
  • 不貞行為の証拠を出すタイミングは、証拠が揃い相手が不貞行為を認めないとき

そもそも不貞行為とは何を指すのでしょうか?キスやハグは不貞行為に入りますか?

不貞行為は、自分の意思で配偶者以外の者と性行為をすることです。キスやハグは一般的に不貞行為と認められにくい傾向があります。

不貞行為の定義と証拠の具体例

不貞行為とは、自分の意思で配偶者以外の者と性行為をすることです。キスやハグ、手をつなぐ、二人きりで会っただけでは不貞行為と認められるのは難しいでしょう。

不貞行為は民法第770条1項「裁判上の離婚」に該当します。

第770条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1. 配偶者に不貞な行為があったとき。

配偶者に不貞行為があった際には、離婚裁判を起こすことが可能です。
ただし、配偶者や不倫相手が不貞行為を認めない可能性があるため、証拠を準備しておくことが重要です。
証拠を集めた後は、どのタイミングで証拠を出せばいいのでしょうか?

タイミングは「証拠が揃い、相手が不貞行為を認めないとき」

不貞行為の証拠を出すタイミングは、証拠が揃い相手が不貞行為を認めないときです。
配偶者もしくは不倫相手に不貞行為を把握していることを話し、否定された場合に証拠を出し今後について話し合いましょう。

証拠がない段階で相手に話すと、証拠となるメッセージアプリの履歴や動画などを削除されてしまう可能性があります。
ただし、証拠を出す前に準備しておくべきことがありますので、次の項であらかじめ知っておきましょう。

不貞行為の証拠を出す前にやっておくべきこと

知っておきたい離婚のポイント
  • 話し合いの前に、離婚や慰謝料請求など自分に希望条件を明確にしておく
  • 話し合いの前には弁護士など専門家に相談しておくと、法律的な観点からのアドバイスがもらえる

話し合いの前にやっておくべきことはありますか?

離婚の可否や慰謝料請求するか否かなど、自分の希望条件を明確にし、証拠を集めておきましょう。できればあらかじめ弁護士に相談することをおすすめいたします。

冷静になり、自分が何を望むかはっきりさせておく

配偶者に不貞行為の疑いがあるまたは不貞行為をしていることが分かったときに、動揺してしまう方は多いでしょう。

感情的になり不倫相手に電話をかけてしまう場合などがありますが、まずは冷静になることが重要です。
落ち着いてから、以下について検討してみましょう。

・不貞行為を証明できた場合、慰謝料を請求するか
・離婚をするか、しないか
・離婚後の住まいや生活費は確保できるか
・子どもがいる場合は親権・養育費・子どもの姓はどうするのか

離婚をしない場合、状況や相手の性格によってはこのまま配偶者に何も言わずに夫婦生活を続けるという選択肢もあります。なお、離婚をしなくても慰謝料請求は可能です。

離婚を決心した場合は、離婚後の経済面や住まい、子どもがいる方は子どもについて考えておきましょう。離婚後は収入が減る世帯が多いため、経済的には慰謝料請求をした方が良いでしょう。
しかし「相手がお金を持っていない」「慰謝料は要らないから関わりたくない」「財産分与を多めにもらうから慰謝料はいらない」といった場合では、慰謝料請求は不要となります。

経済面・精神面・子どもへの影響などを考慮し、何が一番自分にとって重要か、希望する条件をはっきりさせておきましょう。
なお「相手ともう関わりたくない」という場合では、弁護士に依頼すると相手と代わりに交渉してもらえます。

裁判になったときに認められやすい証拠を集める

離婚裁判をしたい、慰謝料を請求したいという方は、できる限り証拠を集めておきましょう。

不貞行為の証拠は、「不貞行為があったことが明確に分かるもの」です。

不貞行為があったことが分かる画像・動画・音声・SNSの投稿など
例:ラブホテルに出入りする写真・性行為があったことをほのめかす通話の録音など
不倫相手からのメール・メッセージアプリの履歴など
例:性行為をしたことが分かるメッセージなどが証拠となる。「今日は楽しかった」など曖昧なものは立証が難しいといわれている。
ラブホテルの領収書・クレジットカードの明細書

第三者から見て「不倫している」と分かるものが証拠として認められやすく、恋愛感情をほのめかすメッセージなど曖昧なものは認められにくいといわれています。

別居中の不貞行為は慰謝料請求の対象になる?証拠は集められる?

別居中の不貞行為は、慰謝料を請求できるのでしょうか?
ポイントは「別居時に夫婦関係が破綻しているか否か」です。

別居する段階で既に夫婦の関係が破綻しており、離婚に向けて別居した場合では不貞行為が夫婦関係の破綻の原因ではありません。よって慰謝料請求は認められにくくなるでしょう。

一方で、単身赴任や子どもの学校の関係などの理由で別居した場合は不貞行為が慰謝料請求の対象となる可能性があります。

話し合いの前に弁護士といった専門家に相談しておく

配偶者の不貞行為で慰謝料請求をする場合には、事前に弁護士に相談することをおすすめいたします。
離婚問題に強い弁護士に相談することで、慰謝料の相場や法律的な観点からの対処法などが分かるでしょう。

話し合いに弁護士が同席し会話を録音することで、配偶者や不倫相手の対応が変わる可能性もあります。

まとめ

不貞行為の証拠が十分である場合には、話し合いで相手が否定したタイミングで証拠を出しましょう。
事前に慰謝料をいくら請求するか、離婚を希望するかなど自分の望む条件をはっきりさせてから話し合いに臨むことをおすすめいたします。
また、離婚に強い弁護士に相談することで「証拠が裁判で認められるか」「慰謝料はいくらになるのか」などの疑問が解決する可能性があります。話し合いの前に相談してみてはいかがでしょうか。