自己破産と任意整理の違いと選ぶべきポイント
ざっくりポイント
  • 自己破産と任意整理は、借金の状況や返済能力によって選び分ける必要がある
  • 債務整理はどれも借金問題の解決に繋がるが、状況に応じて選ぶ必要がある
  • 専門家に相談し、自分の状況に最適な方法を選ぶことが重要

目次

【Cross Talk】自己破産と任意整理の違いと選ぶべきポイント

知っておきたい借金問題解決のポイント

借金の返済が苦しくて、債務整理を考えています。自己破産と任意整理、どちらを選べば良いのでしょうか。

それぞれ効果や影響が大きく異なるので、ご自身の状況に応じて最適な方法を選ぶ必要があります。

具体的にはどのような違いがあるのか、詳しく教えてください。

自己破産と任意整理の違いと選ぶべきポイント

借金問題で悩んでいる方にとって、債務整理は経済的な立て直しを図る重要な手段です。中でも自己破産と任意整理は代表的な方法ですが、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあり、どちらを選ぶべきかについては、借金の額、収入の状況、保有財産など個人の状況によって大きく異なります。
本記事では、自己破産と任意整理の違いを詳しく解説し、あなたに最適な選択肢を見つけるためのポイントをご紹介します。借金問題の解決に向けた第一歩として、ぜひ最後までお読みください。

自己破産と任意整理の違い

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 自己破産は借金がゼロになる反面、家や車は処分しなければならない
  • 任意整理は利息をカットした残額を返済する必要がある

自己破産と任意整理は、どのような違いがあるのでしょうか。

自己破産と任意整理は、どちらも債務整理の一種です。両者を比較しながら違いを確認しましょう。

自己破産

自己破産とは、裁判所を通じて免責許可を受ける手続きです。債務整理には自己破産、任意整理、個人再生の3種類がありますが、借金がゼロになる手続きは自己破産だけなので、この点は他の債務整理にはない大きなメリットといえます。
ただし、自己破産すると住宅や車などの価値ある財産は処分されてしまうというデメリットがあります。また、信用情報に事故記録が残るため、ローンやクレジットカードの利用に制限がかかる点もデメリットとして挙げられます。
関連記事:自己破産をする際に必要になる書類について解説

任意整理

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、返済条件を見直す手続きです。
任意整理の特徴は、将来利息をカットして月々の返済負担を軽減できる点です。自己破産のように借金がゼロになるわけではありませんが、自己の財産を守りながら債務整理できる場合もあるため、この点は自己破産にはないメリットといえます。
ただし、任意整理では借金の元本自体は基本的に減額されないので、ある程度の返済能力がなければ借金問題の解決になりません。また、自己破産と同じく信用情報に事故記録が残るため、ローンやクレジットカードの利用に制限がかかります。
このことから、任意整理はある程度の返済能力があり、将来利息の負担を軽減して完済を目指したい場合に有効な債務整理手段といえるでしょう。
関連記事:任意整理とは?~任意整理の手続やメリット・デメリットを解説!~

自己破産と任意整理どちらを選ぶべき?

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 収入に対して借金額が多すぎる場合は自己破産がおすすめ
  • 残したい財産がある場合には任意整理がおすすめ

自己破産と任意整理、どちらを選んだら良いでしょう。

債務や資産の状況により、どちらを選ぶべきか変わるので、状況に合わせて選ぶとい良いでしょう。

収入に比べて借金が多い場合は自己破産

自己破産を選ぶべきなのは、収入に対して借金の額が多く、完済が現実的に困難な状況にある場合です。自己破産すれば、債務総額がどんなに大きくても借金がゼロになるので、経済的な再スタートが切れます。
また、病気・失業などで収入が大幅に減少し、継続的な返済が見込めない方や、既に返済が滞って督促に追われている場合も、自己破産を検討すべきでしょう。
自己破産は、保有している財産を失ってしまうというデメリットはありますが、返済能力を大きく超える借金を抱えた場合の最終的な解決手段といえるでしょう。

保有しておきたい財産がある場合は任意整理

債務整理の中でも任意整理を選ぶべきなのは、住宅や車などの財産を手放さずに債務整理を進めたい場合です。安定した収入があり、元本の返済が可能なのであれば、家や車などの財産を残したまま債務整理を進められます。
また、職業上の制限を受けたくない場合にも、任意整理を選ぶメリットがあります。自己破産は警備員、保険外交員といった一部の職業に制限がかかるため、職業上支障がある場合には適しませんが、任意整理には職業の制限がないためどんな仕事に就いていても利用可能です。

自己破産のメリット・デメリット

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 自己破産すれば基本的に全ての借金が免責される
  • 高額な財産を保有できなくなる

自己破産にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

一番のメリットは借金がゼロになることですが、高額な財産を保有できないことがデメリットです。

自己破産のメリット

自己破産は債務整理の中でももっとも効果的な解決方法とされる一方で、手続きに対する不安や誤解も多く見られます。ここでは、自己破産によって得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

借金の返済義務がなくなる

自己破産のメリットは、免責決定を受けることで借金の返済義務が完全になくなることです。数百万円や数千万円といった多額の借金でも、基本的には全てゼロになります。これによって経済的な負担から解放され、新たな人生をスタートできます。
ただし、税金や養育費など、一部の債務は免責対象外となります。また、ギャンブルや浪費による借金は免責不許可事由に該当し、自己破産できない可能性もあります。

督促がストップする

弁護士に自己破産を依頼した時点で、債権者からの督促や取り立てが法的に停止します。これまで悩まされていた電話や書面による催促がなくなるため、精神的な負担が大幅に軽減され、落ち着いて手続きを進めることができます。
毎日のように届いていた催促状や取り立ての電話に怯える生活から解放されることで、心の平穏を取り戻すことができるでしょう。

自己破産のデメリット

自己破産には大きなメリットがある一方で、生活に重大な影響を及ぼすデメリットも存在します。これらのデメリットを事前に十分理解しておくことは、自己破産を検討する上で極めて重要です。以下、主要なデメリットについて具体的に見ていきましょう。

持ち家や車を処分しなければならない

自己破産では、原則20万円以上の価値がある財産は処分されます。そのため、持ち家や価値の高い車は手放さなければならず、生活環境が大きく変わる可能性があります。
ただし、生活に最低限必要な家財道具や衣類、99万円以下の現金などは保有が認められています。また、仕事で必要な道具なども一定の範囲で手元に残すことができます。

ブラックリストに載る

自己破産した情報は信用情報機関に事故情報として登録され、約5~10年間新たなクレジットカードの作成やローンの契約が困難になります。そのため、この期間中は現金での取引が中心となり、生活スタイルの変更が必要になるでしょう。
また、住宅ローンや自動車ローンはもちろんですが、携帯電話の分割払いや各種サービスのクレジット決済も利用できなくなる点にも注意が必要です。
関連記事:ブラックリストとは何?ブラックリストに載る理由、デメリットなど解説

連帯保証人に迷惑がかかる

連帯保証人がいる借金については、自己破産で本人の債務が免責されると保証人が責任を取ることになります。そのため、債権者からの請求が保証人に向かうことになり、保証人に経済的な負担をかけてしまう可能性があります。
そして、保証人も保証債務の支払いが困難であった場合、主債務者と同じように債務整理を検討しなければならないかもしれません。こういった負担を保証人にかけないためには、自己破産前によく相談しておくことが重要です。

任意整理のメリット・デメリット

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 利息はカットされるが元本は残る
  • ある程度の返済能力が必要

債務整理のうち、任意整理のメリット・デメリットについても知っておきたいです。

任意整理は持ち家や車などを保有したままできるのが大きなメリットですが、自己破産のように免責はされません。

任意整理のメリット

債務整理のうち、任意整理は財産を手放すことなく借金問題を解決できるのが、大きな特徴です。任意整理は自己破産や個人再生と比べて手続きが比較的簡単であり、生活への影響も抑えられる債務整理方法として注目されています。
ここでは、任意整理によって得られる具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。

利息の負担が軽くなる

任意整理のメリットは、将来発生する利息をカットできることです。消費者金融やクレジットカードの利息は高額な場合が多く、元本がなかなか減らない状況が続きますが、任意整理によって利息をゼロにすれば総返済額を大幅に削減できます。
また、任意整理をすれば返済期間を3~5年程度に延長でき、月々の返済額も現実的な金額まで下げることが可能です。さらに、過去に払いすぎた利息がある場合は過払い金として返還を受けられることもあります。

財産が処分されない

任意整理では、住宅や車などの財産を手放す必要がありません。住宅ローンが残っている持ち家も、住宅ローンを任意整理の対象から除外することで維持できます。
また、職業による制限もないため資格を必要とする仕事も続けられます。そのため、任意整理は家族や周囲の方への影響を最小限に抑え、生活環境を大きく変えることなく債務整理を進められます。

任意整理のデメリット

任意整理には多くのメリットがある一方で、検討前に必ず理解しておくべきデメリットも存在します。特に任意整理の効果には限界があるため、借金の状況によっては他の債務整理方法の方が適している場合もあります。
任意整理を選択する前に、以下のデメリットについてしっかりと把握しておきましょう。

減額は利息のみで原本は減額できない

任意整理では、基本的に借金の元本自体は減額されません。あくまで将来利息のカットが中心となるため、借金額が多すぎる場合は効果が限定的です。
例えば500万円の借金をしている場合、利息をカットしても500万円の元本自体は残るため、任意整理しても毎月高額の返済に追われる可能性があります。
そのため、ある程度の返済能力がなければ任意整理をしても問題解決にはなりません。

クレジットカードやローンが利用できない

任意整理を行うと信用情報機関に事故情報が登録され、約5年間は新たなクレジットカードの作成やローンの契約ができなくなります。
また、現在使用しているクレジットカードも利用できなくなるので、この期間中は現金やデビットカード、電子マネーなど代替手段を考えなければなりません。
ただし、自己破産よりも事故情報の登録期間は短い傾向にあるため、制限の度合いは多少軽減される可能性があります。

まとめ

自己破産と任意整理は、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持つ債務整理の方法です。自己破産は借金を完全にゼロにできる強力な手段である一方、財産の処分や信用情報への長期間の影響といったデメリットもあります。任意整理は財産を守りながら返済負担を軽減できますが、借金の元本は残るためある程度の返済能力が必要です。
どちらを選ぶべきかは、借金の額、収入の状況、保有財産、家族への影響など、個人の状況を総合的に判断して決める必要があります。収入に対して借金が多すぎる場合は自己破産を、安定した収入があり、財産を守りたい場合は任意整理を検討することが一般的です。
弁護士や司法書士は、あなたの具体的な状況を詳しく聞いた上で最適な解決方法をアドバイスしてくれます。迷ったときは専門家の力を借り、最良の選択肢を見つけてください。