借金が時効で消える?消滅時効という制度について知ろう
ざっくりポイント
  • 刑事事件などでよく言われる時効は民事にも存在する
  • 借金も消滅時効の対象である
  • 消滅時効は援用が必要

目次

【Cross Talk】時効って刑事事件だけじゃなくて借金にもあるんですか!?

時効っていうと刑事事件なんかでよく耳にしますが、借金も時効でなくなるって本当ですか?

刑事事件だけではなく民事にも時効の制度があり、借金は消滅時効という制度によって消滅することがあります。

借金にも時効の制度があることを知っておこう

「時効」という言葉を聞くと、刑事事件などで犯罪から長期間逃げていると逮捕されない、といった制度のイメージがある方も多いと思うのですが、民事にも時効の制度があります。
そして借金に関しては消滅時効という制度によって消滅をすることがあります。消滅時効が成立するためには様々な要件がありますので、きちんと把握をしておきましょう。

借金の消滅時効とは

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 借金は債権者から見ると金銭消費貸借契約に基づく債権である
  • 債権は消滅時効にかかるので、借金も消滅時効によって消滅する

借金が時効で消滅する、という事について少し詳しく教えてもらえますか?

民事においても時効の制度があり、債権は行使しなければ消滅時効で消滅することになります。借金は債務ですが債権者側からすると債権ですので、行使しなければ時効で消滅するということになります。

借金が時効で消滅するというのはどのような理屈なのか知りましょう。

消滅時効によって債権が消滅する

刑事事件で長期間犯人が逮捕されなかったために刑事訴追されなくなる時効の制度は一般に有名ですが、民事においても時効の制度があります。
民事上の時効については、取得時効と消滅時効という2種類の制度があるのですが、借金の問題については消滅時効という制度が関係します。
債権は一定期間行使しなければ消滅時効にかかることが民法第167条によって規定されています。
借金は、借入れをしている方からすると、金銭消費貸借契約に基づく債務の一種ですが、債権者側からすると債権ということになります。
よって、消滅時効の規定が適用されると債権は消滅することになります。

借金の消滅時効が5年のケース

では何年で借金が消滅時効にかかるのかを知りましょう。
借金というと最初に思い浮かぶのが、消費者金融や銀行からの借入れだと思います。
後述しますが、債権の消滅時効は原則10年なのですが、特定の場合にはもっと短くなる消滅時効が規定されています。
消費者金融が銀行・信販会社の貸付については、商法522条が適用される結果、時効期間が5年となっています。

借金の消滅時効が10年のケース

借金は何も上記の貸金業者からのみではありません。
貸金業者以外の、たとえば親族・友人からの借入れのようなものや、信用金庫、住宅金融支援機構(旧住宅金融支援機構)からの貸付など商法522条の適用がされない場合については、民法の規定どおり10年で消滅することになります。

時効の規定の改正

時効の規定は2020年(令和2年)4月1日に施行される民法の改正で、権利行使できることを知ったときから5年、権利行使できる時から10年の消滅時効にかかるとされています。

借金の消滅時効が成立するための年数以外の条件とは

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 時効が成立するためには年数の経過以外に援用という行為が必要
  • 債権者は時効を中断させることができる

たとえば消費者金融から5年以上請求が来てないのですが、もう借金は消滅しているのでしょうか。

いえ、援用という行為をしなければならないですし、時効が中断していない、という条件も必要になります。

借金の消滅時効を主張するためには、年数が経過するだけではなく他にも要件を満たしている必要があります。

時効の援用を行う

まず、消滅時効については時効期間経過後に「援用」という行為をしなければならないとされています。
援用とは、消滅時効の制度を利用することを相手に主張することを言い、実務では配達証明付き内容証明郵便を用いて債権者に通知をします。

消滅時効が中断されていない

ある債権について支払いがされないで時間だけが過ぎていくのを債権者として見ているだけしかできないというわけではありません。
債権者としては時効の中断という制度を利用して、時効の期間をリセットすることができます。
時効の中断の一例としては、債務者に対して裁判を起こして勝訴して、その判決が上訴されないで確定している場合です。
なお、一人暮らしの時に借入れをしたんだけど、住民票の住所をそのままにして実家に戻っていた、というような場合、本人には何らの通知もできないことになります。
裁判は債務者に通知を送ることができる状態になって初めて行うことができるのが原則なのですが、上記のように所在が分からなくなってしまっているような場合には、公示送達という制度を利用するなどして、欠席裁判を行うこともできるようになっています。
こういった裁判を起こされている場合には時効が中断していることがあるので注意が必要です。

借金の消滅時効が成立することでの制約

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 延滞をした段階で信用情報には載っている
  • 時効を援用した会社からの借入れはできない

時効を援用して債務がなくなることによって何かできなくなるようなことはないのですか?

信用情報の問題と、援用を主張した会社からの借入れができないことについて知っておいてください。

時効の援用を主張することによって発生する制約を知りましょう。

信用情報機関に事故情報が載る

まず、これは時効により直接発生するものではないのですが、時効になるくらい長期の延滞をしている場合には、延滞した事実について信用情報機関に事故情報が登録される、いわゆるブラックリストという状態にされます。
時効を主張することで、債務が消えてなくなるので、信用情報から消してもらえるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、統一された対処はされておらず、信用情報への登録は残っていると見ておくべきです。

消滅時効の援用をした会社と関連会社からの借り入れできない

当然ですが、消滅時効を援用した会社に対する債務が消えたからといって、その会社からもう一度借入れできるか?というとそういうことにはなりません。
消滅時効を主張した相手や、関連会社からの借入れができなくなるということも併せて知っておきましょう。

まとめ

このページでは、消滅時効の制度についてお伝えしてきました。
時効が完成しているかどうか、内容証明の送付など、専門的な知識が必要な場合もありますので、弁護士に相談して、確実に手続を進めるようにしてください。