浮気をすると犯罪になるの?
ざっくりポイント
  • 浮気をしても犯罪にはならない
  • かつての日本には姦通罪という女性の浮気を犯罪とする規定があった
  • 浮気をすると離婚原因になったり、慰謝料の支払いをしたりする必要がある

目次

【Cross Talk 】夫が浮気したのですが逮捕されてしまうのですか?

夫が浮気をしました。慰謝料なり離婚なり、これから裁判になると思うのですが、裁判をするということは夫は逮捕されるのでしょうか?子どものこともあり逮捕されるのは流石にやり過ぎかな…とは思います。

配偶者の浮気を犯罪とする規定は今の日本にはありません。離婚原因になる・慰謝料請求ができるようになるだけです。

そうなんですね。まずは慰謝料請求をしたいので相談に乗ってくれませんか?

浮気は犯罪ではない

浮気をした人に対して裁判をする、ということがあるのですが、裁判というと逮捕・刑事罰ということを想像する方も多く、浮気をした人は逮捕されるのでは?と考えることもあるようです。しかし、浮気をした場合でも逮捕される・刑事罰となる・前科がつくということはなく、民事上では離婚原因となったり、慰謝料請求の原因となったりするのみです。

浮気は現在の日本では犯罪になるという法律はない

知っておきたい離婚のポイント
  • 浮気は現在の日本では犯罪にはならないため、逮捕はされない
  • かつての日本には姦通罪という女性が浮気した場合の刑罰を定める規定があった

浮気は犯罪にはならないので逮捕されないのですね?

はい。かつては日本に、女性が浮気をした場合の刑罰を定める規定はありましたが、現在はそのような法律はありません。

浮気をしても現在では犯罪にならないので逮捕もされません。

犯罪になるためには法律で定めなければならない

日本国憲法31条では、

何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

と規定されています。
そのため、犯罪として裁き、刑罰を科するためには、あらかじめ法律に規定していなければなりません。

結婚をしている夫婦のうちの一方が、もう一方以外の人と肉体関係・性的関係を持つことを浮気・不倫・不貞行為などと言いますが、これらの行為に対して刑事罰を定める規定は現在ではありません。
よく浮気をしたことで裁判となっているのは、後述するように民事上のもので、刑事裁判ではありません。
そのため、浮気をしたからといって犯罪になることはなく、逮捕をされる・前科になることはありません。

かつて日本では姦通罪という刑法の規定があった

実はかつて日本では、夫婦のうち妻が浮気をした場合には犯罪となる「姦通罪」という規定が刑法に規定されており、その相手となった男性にとっても犯罪とされていました。
その刑罰は2年以下の懲役刑が設定されており、殺人予備罪(刑法201条)や放火予備罪(刑法113条)と同等の重さのものです。
夫の浮気については罪に問われておらず、男尊女卑的なものであるため、戦後の昭和22年に廃止されました。

参考:浮気が犯罪となる法律がある国

参考までに、現在でも外国では浮気が犯罪となる国もあります。
https://www.tantei-ns.com/blogs/about-cheating/foreign-law/

フィリピン 男性:最高4年の禁固刑
女性:最高6年の禁固刑
台湾 男女問わず:最高1年の懲役
パキスタン・アフガニスタン・イラン・ソマリア・ナイジェリア 石打ちの刑によって殺されることもある

浮気をすると法律的にはどうなるのかご説明いたします。

知っておきたい離婚のポイント
  • 浮気をすると離婚原因となる
  • 浮気をすると慰謝料請求される

浮気をすると法律的にはどのようなことがあるのでしょうか?

離婚原因になるのと慰謝料請求されることになることを知っておきましょう。

浮気をすると法律的にはどうなるのでしょうか。

離婚原因となる

離婚することに合意していない場合には、協議離婚・調停離婚では離婚できず、離婚裁判を起こして離婚をすることになるのですが、離婚裁判を起こすためには離婚原因が必要です。
民法770条1項1号は離婚原因として不貞行為をしたことを挙げており、浮気をした場合には離婚原因となります。

そのため、浮気をされた場合には離婚原因があるということになり、離婚裁判を起こすことができます。

不法行為として慰謝料の支払いをする必要がある

浮気をした配偶者は、他方の配偶者に対して精神的苦痛を生じさせます。
この場合、民法709条の規定に基づいて、不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。
この請求のことを一般的に慰謝料請求と呼んでいます。
そのため、浮気をした相手には、慰謝料請求をすることができます。
なお、この慰謝料請求は浮気相手との共同不法行為とされるので(民法719条)、浮気相手にも請求することが可能です。

まとめ

このページでは、浮気が犯罪になるのかを中心にお伝えしました。
浮気自体は犯罪ではないものの、離婚原因となったり・慰謝料請求の根拠となったりします。
浮気に悩んでおり、何が可能か、どのように行動すべきかを考えたい場合には、まずは弁護士に相談してみましょう。