
- 再婚禁止期間とは?
- 再婚禁止期間があった理由とは?
- 再婚禁止期間が廃止された理由とは?
【Cross Talk 】再婚禁止期間とはなんですか?
再婚禁止期間とはなんでしょうか?
女性が離婚後に再婚することを禁止する期間のことです。
再婚禁止期間について、詳しく教えてください。
民法には、女性の再婚を禁止する期間が規定されていました。このような規定が存在していた理由を知るためには嫡出推定の規定を正しく理解する必要があります。
この記事では、婚姻禁止期間の概要やその制度趣旨、法改正の内容や婚姻禁止期間が廃止された理由について解説していきます。
再婚禁止期間とは?

- 再婚禁止期間とは?
- なぜ再婚禁止期間が定めらえていたのか?
再婚禁止期間とはどのようなものなのでしょうか。
再婚禁止期間の概要と制度趣旨についてお伝えします。
再婚禁止期間の概要
民法には、「女は。前婚の解消又は取消しの日から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができない」という規定が置かれていました(民法第733条1項)。これを再婚禁止期間と言います。
「女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合」や「女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合」には、前述の規定は適用されません(同条2項)。
再婚禁止期間は、2024年(令和6年)3月31日までに民法に規定されていた制度です。
そして、妻が婚姻期間中に妊娠した場合には、夫の子どもであると推定されます。
これを嫡出(ちゃくしゅつ)推定といいます。
嫡出推定については、「婚姻の成立の日から200日を経過した後は又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する」という規定がありました(旧民法第772条2項)。
再婚禁止期間が定められていた理由
上記のような再婚禁止期間が定められていた理由としては、父性推定の重複回避が挙げられます。
すなわち、改正前の民法のもとでは、離婚してから300日以内に生まれた子どもについては、前の夫の子どもであると推定されます。他方で婚姻の成立の日から200日が経過した後に生まれた子どもは再婚相手の子どもであると推定されます。そのため、前の夫の子どもと推定される期間と再婚後の夫の子どもと推定される期間の重複が発生してしまいます。
このような前婚と再婚の間で父親と推定される期間を減らすために、女性側には、「100日間」の再婚禁止期間が設けられていたのです。
再婚禁止期間は廃止される?いつ?

- 再婚禁止期間の改正の概要・改正時期は?
- 再婚禁止期間が廃止された理由とは?
再婚禁止期間は廃止されたのですか。
はい。再婚禁止期間に関する改正の概要についてお伝えします。
改正法の概要・時期
上記のような婚姻禁止期間については民法改正によって廃止されることになりました。
前述の通り、女性に婚姻禁止期間を強いている理由は、嫡出推定の期間の重複を回避するためでした。そうであるならば、嫡出推定に関する規定を見直せば、女性の結婚する権利を制限する必要はなくなります。
そこで、嫡出推定の規定については、以下のように改められました。
「妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする」(改正民法第772条1項)。
したがって、離婚の日から300日以内に生まれた子どもであっても、その間に母親が再婚した場合には、再婚後の夫の子どもであると推定されることとなりました。このように嫡出推定規定が変更されたことで、父性推定の重複が解消されたため、女性の再婚禁止期間は廃止されました。
上記のような改正民法については、2022年(令和4年)12月10日に改正され、2024年4月1日から施行されています。施行日以降になされる婚姻については改正民法が適用されることになります。
廃止される理由とは?
元々再婚禁止期間は180日とされていましたが、平成28年に100日に短縮されたという経緯がありました。
平成28年改正のきっかけになったのは、ある女性が、女性の再婚禁止期間を定める民法の規定は憲法に違反し、「再婚禁止期間があるため、結婚が遅れ精神的苦痛を受けた」と主張して、国を相手に国家賠償請求を求めた事件です。女性の請求に対して、最高裁判所は、「100日を超えて女性の再婚禁止期間を設ける部分は、2008年当時において、憲法14条1項、24条2項に違反するに至っていた」として、100日以内の再婚禁止規定は合憲であると認めながら、100日を超える部分については違憲と判断しました(再婚禁止期間訴訟、最高裁判所平成27年12月16日判決)。
このような違憲判決を受けて、婚姻禁止期間を100日に短縮する法改正が行われました。
従来から、女性にだけ再婚禁止期間があり、男性にはありません。そのため、このような民法の規定は日本国憲法14条の平等原則に違反するのではないかという批判がありました。
また、嫡出推定の規定による離婚後300日問題は、無国籍問題の原因であるという指摘もなされていました。それは、離婚後300日以内に生まれた子どもが遺伝的関係とは無関係に前の夫の子どもと推定されてしまうことから、そのような推定を回避するために、戸籍上の手続きがなされず無国籍の子どもが発生しているという問題です。
以上のような議論を経て、2024年4月1日以降、婚姻禁止期間は廃止されることになったのです。
まとめ
以上この記事では、婚姻禁止期間の概要や改正法の概要、改正された理由などについて解説してきました。
2024年3月31日以前の婚姻関係については、婚姻禁止期間の規制を受けることになるため、注意が必要です。
当事務所には、離婚問題の知識や解決実績が豊富な弁護士が在籍しております。そのため、再婚禁止期間を含む離婚問題に悩まれている方や、離婚して新たな人生を送っていけるか不安だという方は、ぜひ当事務所の弁護士に一度ご相談ください。






