女性が養育費を支払う場合はある?
ざっくりポイyrント
  • 養育費とは
  • 養育費を女性が支払う場合
  • 養育費を請求された場合の対応方法

目次

【Cross Talk 】女性側が養育費を支払う場合はありますか?

夫と離婚しようと思っています。私達夫婦には子どもがいるのですが、私は仕事が忙しいので、子どもの親権者には夫になってもらおうと思っています。ところが夫は子どもの面倒を見るので養育費が欲しいと言っているのですが、母親側も養育費を支払わなければならないのでしょうか。

当事者の収入などによりますが、母親でも養育費を支払う場合はあります。

女性(母親側)も養育費を支払う必要はある!

子どもがいる夫婦が離婚をする際には、夫婦の一方が親権者となります。この場合、親権のない親は養育費を支払う義務があります。離婚をする場合のパターンとして、母親が親権者となり、父親が養育費を支払うことが多いです。このことから、養育費に限らず金銭負担は男性側が行うものと考えている人も少なくありません。

しかし、実際には養育費を女性が支払うべき場合もあります。そこでこのページでは、女性側が養育費を支払う場合についてお伝えいたします。

養育費を女性が支払う場合はあるのか

知っておきたい離婚のポイント
  • 養育費とは
  • 養育費を女性が支払う場合
  • 離婚の際に決める財産分与・慰謝料についても女性が支払う場合がある

私は女性ですが、養育費を支払う場合があるのですか?

はい。養育費は男性だから支払うというものではなく、それぞれの収入に応じて支払うものなので、母親側が負担することもあります。

養育費を女性が支払う場合はあるのでしょうか。

養育費とは

養育費とは、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用のことをいい、子どもを監護する親は子どもを監護していない親に対して養育費を請求することができます。
未婚の母が認知をした父に対して請求する場合もあります。

養育費を女性が支払う場合はあるのか

養育費ですが、女性が支払う場合はあるのでしょうか。
養育費は子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用をいい、女性、男性といった性別で支払い義務が発生するわけではありません。
養育費は、子供の養育のために、親権のない親もその収入に応じて一定程度負担すべきという考えから成り立っている制度です。

そのため、女性が親権を有しない場合には、収入に応じて女性側も支払うべきことになります。
子どもの親権を男性が獲得し、女性の方にも収入がある場合には、女性が養育費を支払うこともあります。

養育費を支払う場合の相場は

養育費の相場については、裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」によって求められるのが一般的です。
参考:養育費・婚姻費用算定表|裁判所ホームページ

養育費の相場については「養育費の相場はどのくらい?養育費算定表とは?弁護士が詳しく解説」 で詳しく解説しているので参考にしてください。

財産分与・慰謝料についても女性側が払う場合もある

離婚をする際には、財産分与・慰謝料といったことも決めることになります。
これらについても男性側が支払う場合が多いイメージですが、場合によっては女性が支払うこともあります。
特に、例えば浮気をしたのが女性側である場合には、精神的苦痛を与えた方である女性が慰謝料の支払いをすることになることを知っておきましょう。

養育費を請求された場合の対応方法

知っておきたい離婚のポイント
  • 養育費を請求された場合の対応
  • 請求された側である場合でもきちんと書面を作成する
  • 公正証書で作成する場合の注意

養育費の請求をされた場合にはどのように対応すれば良いでしょうか?

養育費の請求をされた場合の対応について、特に請求される側としても書面にしておくべき理由について知っておきましょう。

養育費を請求された場合の対応について確認しましょう。

交渉を行う

上述した養育費早見表よりも多い金額を請求してきているような場合には、養育費早見表を参考にしつつ、適切な金額の養育費の合意を目指しましょう。
もっとも、養育費早見表を用いてもその額には幅があるので、その幅の中で金額の調整を行うことになります。

慰謝料・財産分与も同時に解決する

慰謝料・財産分与についても、このときに併せて交渉を行いましょう。

金銭問題は一度に解決したほうがスムーズであることと、慰謝料・財産分与はそれぞれ3年・2年と請求できる期間が限られるためです。

合意は書面にする

支払いについての合意ができた場合には、たとえ支払う側でもきちんと書面にしましょう。

支払いについての合意ができた場合、通常は書面で作成します。
請求をする側としては裁判をする場合の証拠にするためと説明されますが、請求される側としても、合意後に「やっぱりもっと請求したい」など、一度決めた金額や支払い期間について争いを蒸し返されないようにするために不可欠といえます。

なお、書面を公正証書で作成する場合、支払いが滞った場合に、裁判をせずに強制執行ができるようになるので注意をしましょう。

養育費の変更について知っておく

養育費は、子どもの年齡にもよりますが、長ければ20年を超える期間支払い続けることになります。その間に当事者の事情が変化することもあるでしょう。

例えば、再婚する・職を失う・収入が上がる・収入が下がるなどが考えられます。
このような場合に養育費の変更をすることも可能で、合意や調停・審判によって変更することができます。
なお、変更の合意・調停・審判があるまでは、従来通りの支払い義務があることも併せて確認しておきましょう。

可能な限り弁護士に相談をする

慰謝料請求をされた場合には、可能な限り弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士に相談すれば、養育費の相場が正しいのか、幅がある養育費の相場の中で、どのような事情があれば、養育費が低くなる場合があるかといったアドバイスを受けることができます。

また、財産分与や慰謝料・面会交流などの問題も一緒にアドバイスをもらえるでしょう。
弁護士に依頼してしまえば、相手との交渉を任せてしまうこともできるので、特に夫婦の仲が険悪になってしまっているような場合に、顔を合わせることなくトラブルを解決することができるというメリットもあります。

まとめ

このページでは、養育費を女性が支払うことはあるのか、ということを中心にお伝えいたしました。
離婚をした場合の金銭負担について、つい男性が支払うものという先入観を持ちがちなのですが、養育費も女性側が支払うことはあります。
適切な相場で請求されているかといったことなど、弁護士に相談をしながら交渉をすすめることをおすすめいたします。

この記事の監修者

弁護士 水本 佑冬第二東京弁護士会 / 第二東京弁護士会 消費者委員会幹事
一つひとつの案件が、ご依頼者さまにとって重大な問題であることを忘れずに、誠実に職務に取り組みます。