
- 自己破産を含む債務整理を依頼した時点で信用情報に事故情報として登録(いわゆるブラックリスト)される
- その結果、キャッシングの利用は原則できない
- どうしても貸付を受けたい場合には生活福祉資金貸付を利用
【Cross Talk】自己破産後には絶対キャッシングはできない?
私は派遣社員なのですが、自己破産をした後に急に派遣の更新がされなくなったりなどで収入が途絶えたときに借入できなくなるのが心配です。キャッシングは絶対にできなくなるのですか?
実は若干の例外はあるのですが、それよりも借入に頼らない生活を心がけてください。どうしても生活に最低限必要なものについては生活福祉貸付という公的なものがあります。
自己破産の手続きを利用すると、信用情報に事故情報が登録されるため、キャッシングができなくなるのが原則です。そのため、自己破産後に急な出費でお金が必要になった場合に苦境に陥りがちです。
中には信用情報に事故情報がある場合でも貸す業者もあるのですが、遅延した場合の督促がかなり厳しいことが知られており、また実際に「ブラックOK」などという文言で貸し出しをしている者もいますが、多くが闇金融であるのが実態です。
貸付に頼らない生活を行うのは当然のことですが、生活に必要な資金不足を補うものとして生活福祉貸付制度というものがあるのを知っておきましょう。
1. 自己破産をするとキャッシングは基本的にできない

- 自己破産を含む債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト)
- 信用情報に事故情報が登録されると基本キャッシングはできない
そもそも自己破産をすると借入ができないのは何となく想像できるのですが、そのメカニズムはどうなっているのですか?
貸金業者が貸付の際に参考にする信用情報に事故情報というものが登録されます(いわゆるブラックリスト)。この情報が登録されると、貸金業者は貸付を行わないのが基本だからです。
まず、自己破産をする際に借入ができないというメカニズムを知りましょう。
貸金業者がキャッシングの申込をしてきた方にお金を貸すかどうかの判断(与信)をする際には、本人の収入・職業など様々な情報を参照しています。その情報の中に信用情報というものが含まれます。
この信用情報には、個人がどのような借入・クレジットカードの利用をしているかということが記載されており、これによりあとどのくらい貸付をすることができるかが判断できることになるのです。
そして、自己破産を含む債務整理をした場合や、2か月以上の延滞をした場合には、信用情報にこれらの事実があったことを示す「事故情報」の登録がされます。貸付の申し込みがあった貸金業者が与信するにあたって、この事故情報の登録があった場合には、キャッシングを行わないのが通常です。
このような状態のことを「ブラックリスト」と呼んでいます。これが、自己破産をすると、借入ができなくなるメカニズムです。この状態は信用情報を管理しているところによって異なりますが大体7年間程度続くことになります。
ブラックリストについて詳しく知りたい方は「ブラックリストってそもそも何?ブラックリストの基礎から解説」を参考にしてみてください。
キャッシングできるようになるのはいつから?

- 信用情報機関に事故情報が登録されている間は基本的にキャッシングできない
- 5年~7年の経過で信用情報機関の登録情報は抹消されるのでその後はキャッシングできるようになる
自己破産をした後、いつからキャッシングできるようになるのですか?
信用情報機関に事故情報が登録されている間は、大手からのキャッシングは基本的にできないと考えてください。信用情報機関の事故情報はおおむね5年から7年で抹消されると言われているので、その後はキャッシングできるようになります。ただし、破産した際の債権者からは再度のキャッシングができない可能性もあります。
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。
消費者金融会社やカード会社は、新たなキャッシング等の申込みを受けた場合、自らの加盟する信用情報機関に対し、申込者の信用情報を照会します。
信用情報機関に事故情報が登録されている間にこの照会がなされた場合、申込者が過去に自己破産したことが発覚するため、通常はカード会社等の審査をクリアすることができません。
そのため、信用情報機関に事故情報が登録されている間は、基本的に新たにキャッシングすることはできません。
一方で、信用情報機関の事故情報は永久に残るわけではないため、信用情報機関によって異なりますが、自己破産からおおむね5年~7年の経過によって、自己情報が抹消されます。
そのため、自己破産から5年~7年経過後に新たなキャッシングの申込みをした場合、カード会社が信用情報機関に申込者の情報を照会しても事故情報は記録されていませんから、カード会社の審査をクリアしてキャッシングができるようになります。
ただし、消費者金融会社やカード会社は、自社の顧客の情報については独自に管理しており、上記の期間経過後も顧客の事故情報を残している場合があります。
そのため、自己破産の際に債権者であったカード会社等に対して自己破産から5年~7年経過後に再度キャッシングの申込みをしたとしても、社内に残っている事故情報を考慮されて審査が通らない可能性があるので、必ずしも借入ができるというわけではありません。
関連記事:任意整理とキャッシングの関係を整理しよう
自己破産後にどうしてもキャッシングが必要であれば

- 貸してくれるところはあるが払えなくなったときの回収が厳しい
- 借りようとして闇金融にあたる可能性が高い
- 生活福祉貸付という制度を知っておく
自己破産をしたらキャッシングができなくなることはわかりましたが、私のように派遣社員が契約更新してもらえず収入が途絶えるようなことが原因で、お金が必要な場合にはなんとかキャッシング利用できる会社を探すしかないのですか?
そのような事も見越して貯蓄をしておくなどの生活を身につけ、それでも必要な場合には「生活福祉貸付」という制度の存在を知っておいてください。
自己破産後に、仕事がなくなる、病気で働けなくなる、冠婚葬祭などで急な出費があるような事はありえます。そのような場合にはどうすれば良いでしょうか。
中には信用情報に事故情報が登録されていても貸すところはあるが…
実は信用情報に事故情報が登録されている方に対しても貸付を行う業者は若干は存在しています。
事故情報の登録があると貸付をしてはいけないという法律があるわけではなく、事故情報があったとしても、収入がしっかりしているなどのその他の情報から貸付を行うこと自体は自由だからです。
ただし、このような業者への返済が滞った場合の措置についてはかなり厳しいものであると言われています。
例えば、借入をしたものを再度債務整理しようとしても、弁護士がついた瞬間に裁判を提起して給与を差し押さえにくるという会社もあります。
つまり、信用情報に自己情報が登録されている場合にキャッシングを利用しても、絶対に返せるという場合でなければ、自分の首を絞めるだけ、ということにもなりかねません。
ようやく貸してくれるところ…それ闇金融ではないですか?
さらに危険なのは、事故情報が登録されていても貸付を行う会社を探していると、かなりの確率で闇金融に当たってしまう可能性があるということです。
闇金融というと繁華街の奥のほうで人目につかないところでひっそり営業している…というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実際にはスポーツ新聞に広告を出したり、インターネットを利用するなどして巧みにお金に困っている方とコンタクトを取っています。
「ブラックOK」というような広告を目にして借入をしたものの、トイチ(十日で1割)という言葉に代表されるような高利での貸付を受けて、実家・職場などが知られてしまい、返済ができなくなると知れている連絡先に一斉に電話攻撃を始める…といった事態になりかねません。
以上を考えると、キャッシングをしてくれる会社を探しまわる行為がいかに危険かお分かりかと思います。
生活福祉資金貸付を知ろう
あまり知られていない制度なのですが、生活に最小限必要な資金を貸し付ける公的な制度として、生活福祉資金貸付というものがあります。信用情報を参照して行うものではないので、事故情報を参照することなく貸付をしてくれるものです。
利用にあたっては、市区町村の社会福祉協議会が窓口になっており、民生委員と生活の立て直しを相談しながら貸付を受けて生活を向上してゆきます。
連帯保証人が立てられるときには利息はなしで貸付を受けることができるものなので、いざという時はこの制度の利用をおすすめします。
まとめ
このページでは、自己破産した後のキャッシングについてお伝えしてきました。
信用情報(ブラックリスト)に関するメカニズムを知った上で、基本的には貸付を受けることはできないということを知り、キャッシングに固執して闇金融の被害に遭わないようにするため、生活福祉貸付制度でなんとか生活をつなぐことを検討しましょう。









