法人破産にかかる期間はどのくらい?
ざっくりポイント
  • 法人破産にかかる期間とは?
  • 法人破産の手続きの流れとは?
  • 法人破産を行う際の注意点とは?

目次

【Cross Talk】法人破産をする場合、手続きが完了するまでの期間はどのくらい?

知っておきたい借金問題解決のポイント

法人破産をする場合、手続きの完了までにはどのくらいの期間がかかりますか?

手続きにかかる期間は、会社の規模や財産状況によって異なりますが、弁護士に依頼してから手続きが完了するまで、約6か月から1年程度が目安です。

法人破産とその期間について、詳しく教えてください。

法人破産の手続きには、約6か月~1年程度かかる


法人破産を検討されている経営者の方にとって、手続きにかかる期間やその流れは大きな関心事でしょう。法人破産は複雑な手続きですが、全体の流れと期間の目安を把握することで、計画的に進めることができます。
この記事では、法人破産にかかる期間や、手続きの流れ、注意点などについて、弁護士が解説していきます。

法人破産とは?

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 法人破産とは?
  • 法人破産と個人破産の違いとは?

法人破産とはどのようなものなのでしょうか?

ここでは、法人破産の概要や効果について解説していきます。

法人破産とは、会社の経営が行き詰まり、支払不能または債務超過(負債が資産を上回る状態)に陥ったときに、会社の財産を清算して法人自体を消滅させる法的な手続きです。
一般的にネガティブなイメージを持たれがちですが、事業活動を法的に清算し、経営者や関係者が次のステップへ進むための重要な手段となります。

個人破産との大きな違いは、免責許可という概念がないことです。法人は手続きの完了とともに法人格が消滅するため、会社が負っていた全ての債務の支払い義務も消滅します。また、個人の自己破産とは異なり、法人には自由財産という概念がないため、原則として会社の全ての財産が処分・換価の対象となります。
経営者が会社の借入金の連帯保証人になっているのがほとんどなので、法人破産と同時に経営者個人の自己破産も必要になり、法人と個人の両方の手続きを進めることになります。

法人破産にかかる期間

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 法人破産にかかる期間とは?
  • 約半年~1年程度で手続きが完了することもある

法人破産にかかる期間はどのくらいですか?

弁護士への依頼から手続きの完了まで、おおよそ半年~1年程度です。

法人破産の手続きが完了するまでの期間は、会社の状況によって大きく異なります。しかし、一般的な目安としては、弁護士への依頼から手続き完了まで約6か月から1年程度かかることが多いでしょう。

手続きの期間は、会社の規模や財産の状況、債権者の数などによって変動し、めぼしい財産がなく、債権者の数も少ない場合は、比較的短期間で手続きが完了する傾向にあります。
しかし、不動産や複雑な権利関係を持つ財産がある場合などは、財産の換価や債権者への配当に時間がかかるため、手続きが長期化する傾向があります。

裁判所へ破産申立てをした後、第1回の債権者集会が約3~4か月後に開かれます。その後は、3か月に一度程度のペースで債権者集会が開催され、会社の財産の清算状況が報告されます。全ての財産が換価され、債権者への配当が完了した時点で手続きは終結します。
ただし、会社の規模が大きい場合や負債が多い場合には、1年以上かかることもあるため、手続きが完了するまでの期間が気になる方は弁護士に相談するようにしてください。

法人破産の手続きの流れ

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 法人破産の手続きの流れとは?
  • 会社の財産を換価・分配して会社が消滅する

法人破産をする場合、どのような流れで手続きが進むのでしょうか?

ここでは、法人破産の手続きの流れについて解説していきます。

破産手続きの申立て

会社の財務状況や事業内容を詳しく弁護士にヒアリングしてもらい、破産を進めることが決まったら、裁判所への申立て準備が始まります。この時点で弁護士が債権者に対し受任通知を送付することで、債権者からの直接の督促や連絡は原則として止まります。

法人破産に必要な書類

破産手続きの申立てには、以下のような多数の書類が必要です。

  • 会社の登記事項証明書
  • 会社の定款、株主名簿
  • 過去の決算書、試算表、総勘定元帳など
  • 財産目録(会社の資産・負債一覧)
  • 債権者一覧表
  • 破産に至った経緯を説明する陳述書
  • 従業員リストや給与明細
  • 賃貸借契約書、リース契約書など 

これらの書類を正確に準備するには時間と労力がかかりますが、弁護士のサポートを受けながら進めることができます。

破産手続きの開始

弁護士が会社の主たる営業所を管轄する地方裁判所へ、上記の書類を添えて破産手続開始の申立てを行います。裁判所が申立てを受理し、必要な手続き費用(予納金)が納付されると、正式に破産手続きが開始されます。

破産管財人の選任と調査

裁判所は、破産手続き開始決定と同時に、破産管財人を選任します。破産管財人は、会社の財産を管理・処分し、債権者への配当を行う中立的な立場の専門家(通常は弁護士が選任される。)です。法人破産では必ず破産管財人が選任されます。
選任されると、会社の財産を管理・処分する権限は経営者から破産管財人に移ります。破産管財人は、財産の調査だけでなく、特定の債権者への偏った返済や財産隠しなどがないかを徹底的に調査します。

財産の清算と債権者への分配

破産管財人によって、会社の財産(不動産、車両、売掛金、在庫など)が売却され、現金化されます。これを「換価」と呼びます。
現金化された財産は、法律で定められた優先順位に従って債権者に分配されます。まず、破産手続きの費用や破産管財人の報酬、税金や社会保険料などの財団債権や優先的破産債権が支払われます。残った分があれば、銀行や取引先などの一般債権者に公平に配当されますが、多くの場合、一般債権者への配当はほとんど行われません。

破産手続きの完了と法人の解散

全ての財産の清算と債権者への配当が完了すると、裁判所が破産手続終結の決定を下し、一連の手続きが完了します。この決定により、会社の法人格が消滅し、会社の負債も全てなくなります。法務局の会社の登記簿も閉鎖され、会社は法的に完全に解散します。

法人破産の手続きが終結するまでの注意点

知っておきたい借金問題解決のポイント
  • 法人破産の手続きの注意点とは?
  • 財産隠しや偏波弁済は絶対にしない

法人破産を行う際には、どのようなことに注意する必要がありますか?

ここでは、法人破産の手続き中の注意点について解説していきます。

法的責任を整理しておく

法人破産の手続きは、申立てから終結まで、半年から1年程度の期間を要することが一般的です。その間、経営者にはいくつかの注意点と義務があります。
法人破産は、会社の負債を消滅させる手続きですが、経営者個人の負債は原則として残ります。特に注意すべきなのは、経営者が会社の借入金の連帯保証人になっている場合です。法人破産によって会社が消滅しても、連帯保証人である経営者個人に連帯保証債務として返済義務が移り、債権者からの請求が続きます。そのため、法人破産と同時に経営者個人の自己破産手続きも進める必要があります。

また、会社と経営者個人の間での金銭の貸し借り(役員貸付金や役員借入金)がある場合も注意が必要です。破産手続きを進める中で、これらの債務関係も整理しなければならないため、弁護士と事前に状況を共有しておくことが大切です。

虚偽の報告は行わない

法人破産手続きは、裁判所と破産管財人の厳格な監督のもとで進められます。財産隠しや特定の債権者への不公平な返済(偏頗弁済)など、破産法に違反する行為や虚偽の報告は絶対に行わないでください。
例えば、破産直前に会社の財産を個人名義に変えたり、親しい取引先だけに借金を返済したりする行為は、破産犯罪として刑事罰の対象となる可能性があります。また、破産管財人による否認権が行使され、隠された財産や不当に支払われた金銭を回収されることになります。

手続きの長期化にも繋がるため、会社の財務状況や財産について、破産管財人には常に正確かつ正直に報告することが求められます。

破産後の影響を考慮する

法人破産をすると、会社は消滅し、再建の道は閉ざされます。また、手続き中は裁判所の許可なく居住地を離れることができないなど、行動が制限されることもあります。
最も大きな影響の一つは、従業員の解雇です。
会社が消滅するため、全ての従業員との雇用契約が解消されます。未払いの給料や退職金がある場合、破産手続きの中で優先的に支払われることになりますが、会社の財産状況によっては全額支払えないこともあります。このような場合は、未払賃金立替払制度の利用を検討するなど、従業員への配慮が必要です。

まとめ

法人破産は、会社の財産を清算し、法人格を消滅させる法的な手続きです。
経営者や関係者が再出発するための重要な手段となります。
手続きにかかる期間は、会社の規模や財産状況によって異なりますが、弁護士に依頼してから手続きが完了するまで、約6か月から1年程度が目安です。手続き中は、財産の処分や虚偽の報告は厳禁であり、法的責任を整理しておくことが重要です。
法人破産は複雑な手続きを伴うため、専門知識を持つ弁護士のサポートが不可欠です。当事務所には法人破産に詳しい弁護士が在籍しているため、お悩みの場合はお気軽にお問い合わせください。