任意整理中にお金が借りられないのはどうしてか?どうしてもお金が必要なときの対応方法
ざっくりポイント
  • 任意整理中にお金を借りることができないのは「ブラックリスト」に載ってしまうから
  • 冠婚葬祭や家賃の更新・車検などの出費によりお金が必要となるケースがある
  • お金を借りられない場合の対応方法

目次

【Cross Talk 】任意整理をするとお金が借りられないのはどうしてですか?

借金返済がかなり厳しく、任意整理をしたいと思っています。任意整理をするとお金を借りることができなくなると聞いたのですが、本当でしょうか?

任意整理に限らず債務整理をすると「ブラックリスト」に載るので、信用情報を利用する借り入れはできなくなります。支払えなくなって延滞してもブラックリストには載るので、遅かれ早かれというところでしょうか。対応方法をしっかり知っておけば、怖いことはありません。

詳しく教えてください!

任意整理をすると、信用情報に関係する借り入れはできなくなる!任意整理後にお金が必要になる場合の対応方法は?

任意整理などの債務整理をすると、以後お金を借りることができなくなる、という説明がされます。
これは一般的にブラックリストと呼ばれるものが原因です。そのため、これを嫌がって債務整理の相談をためらう方も多いのですが、返済ができなくなって延滞をすると同じくブラックリストに載ります。ブラックリストに載ったときにお金が必要となるポイントや、本当に必要になる場合の対応方法について知っておきましょう。

任意整理をするとお金を借りることができなくなる理由

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 任意整理をするとブラックリストに載りお金が借りられない
  • ブラックOKは闇金業者の可能性大なので絶対に借入しない

そもそも任意整理をすると、どうしてお金を借りることができないのでしょうか。

ブラックリストについて詳しくお伝えしますね。

任意整理をするとお金を借りることができなくなる仕組みについて確認しましょう。

任意整理とは

任意整理とは、裁判所の手続きをとらず、直接債権者と交渉し、借金を減額させる手続きをいいます。
自己破産・個人再生とともに、債務整理の主な3つの手続きの一つで、利息や遅延損害金をカットしてもらって、元金を36回~60回(3年~5年)の分割で支払うように調整をします。
元金のみの支払いとなることによって、借金完済が早くなる手続きです。

ブラックリストに載りお金を借りることができなくなる

この任意整理を含めた債務整理をすると、ブラックリストに載るのでお金が借りられないと説明されています。

ブラックリストに載るとは、債務整理をすることによって信用情報にその旨が登録されることを意味する業界で使われる用語であり、消費者金融・信販会社・銀行など信用情報を参照して貸付の与信を行うところからの借入をすることができなくなります。
実際にリストやデータベースとして管理しているわけではありません。

債務整理をするデメリットとして紹介され、これが嫌で債務整理をためらう方も多いのですが、借金の返済が契約通りできなくなって延滞したときにもブラックリストに載るので、返済ができなくなっているような場合には、遅かれ早かれブラックリストには載ると考えておきましょう。

お金を借りられない生活によって計画的にお金を使う生活を送ることができるため、リハビリ期間のような形で考えておくのが良いといえます。

ブラックリストは任意整理だと5年から7年で抹消されるといわれています。

ブラックリストについては、「借金の任意整理後にブラックリストから消えるのはいつなのかをズバリ解説」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

任意整理中は基本的に借入できないが可能な場合もある

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 任意整理中に借り入れができる例外
  • 闇金には気をつける

任意整理中は絶対にお金を借りることはできないのですか?

いくつか例外があるので確認しましょう。ただ、特に闇金から借りないように気をつけてください。

任意整理中に借り入れをすることができる場合はないのでしょうか?

借入可能な場合の条件

任意整理をするから、あるいはブラックリストだからといって、借金をする金銭消費貸借契約を結ぶことが出来ないとする法律はありません。
そのため、借金自体は可能です。

借り入れができない原因は、ブラックリストの状態であれば審査に落とすということが原因でしたので、

・信用情報に基づく審査をしない借り入れ
・ブラックリストでも貸付をする場合

以上の2点に該当すれば借り入れは可能です。

信用情報に基づく審査をしない借り入れ

信用情報に基づく審査をしない借り入れであれば、任意整理中も借り入れが可能です。
代表的な例としては、親族や友人、あるいは勤務先から借り入れをする場合です。

勤務先の従業員に対する貸付制度を利用する場合でも、実は提携する金融機関から貸付をする場合があり、信用情報に基づく審査を行うことがあるので注意しましょう。

街金など中堅消費者金融では借りられる場合もある

ブラックリストでも貸付をする場合として、いわゆる「街金」と呼ばれる中小の消費者金融であれば借り入れをすることができる場合があります。
「街金」とは、地方都市などで小規模で営まれている貸金業者・消費者金融を指す用語で、これらの会社は大手の貸金業者よりも審査が甘いです。

そのため、ブラックリストの状態でも貸付をすることがあります。
ただ、このような中小の消費者金融から借り入れをする場合には、連帯保証人を要求されたり、公正証書というすぐに強制執行をすることができる書類の差し入れを要求されたりすることがあるので注意が必要です。

また、返済できなくなった場合に、訴訟をしてくるまでのスピードが早かったり、その貸金業者と任意整理をしようにも、任意整理に応じてくれなかったりすることもあります。

闇金から借入を行わないように注意

任意整理をしているとお金が借りられないのが基本ですが、いろいろ探していると「ブラックOK」という貸金業者を目にすることがあります。
確かに、中には正規の貸金業者でブラックリスト状態になっている方にも貸付を行う貸金業者はいますが、そのような貸金業者は返済ができなくなったときに、債務整理に非協力的であることがほとんどです。

また、ブラックOKとして貸付をすることを謳っているものの多くが、いわゆる闇金業者です。
闇金業者は、利息制限法・出資法を大きく超える利率での貸付を行っています。
また、貸金業法の取立規制に違反するような態様で取り立てを行うため、親族や職場から信用を失うことになってしまう可能性もありますので、絶対に借入をしないようにしてください。

中小貸金業者と闇金の見分け方

中小の貸金業者と闇金はどうやって見分ければ良いでしょうか。
貸金業者は貸金業登録をして営業をしており、登録をうけた貸金業者は貸金業登録番号というものが付与されています。

ホームページでこれを表示しているかどうか確認をしましょう。
また、貸金業者は登録を受けるために事務所を借りて固定の電話回線を引いて営業をしており、顧客とのやりとりもこの固定の電話回線を利用して行います。

そのため090や080といった携帯電話の番号でやりとりをしてくるのは、闇金と考えましょう。

任意整理中の借入リスク

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 任意整理中に借り入れをするとさらに返済が厳しくなる
  • 場合によっては依頼している弁護士・司法書士が辞任する可能性がある

任意整理中に借り入れをするとどのようなリスクがありますか?

毎月の返済が追いつかなくなる可能性があるのと、依頼中に弁護士・司法書士に内緒で借り入れをしたのが発覚すると弁護士・司法書士によっては即辞任をする可能性があることを知っておいてください。

任意整理中に借り入れができるとして、実際に借り入れを行うとどんなリスクがあるのでしょうか。

借金返済が非常に厳しくなる可能性があり、借金問題が悪化して返済が厳しくなる

弁護士が任意整理をする場合、依頼を受けたときや、実際に任意整理をする段階で、毎月返済できる金額を依頼者に確認して行います。
もし、任意整理中に借り入れをして返済をしなければならない額が増えると、任意整理での返済が非常に厳しくなる可能性があります。
任意整理の返済ができなければ、また債務整理をやり直す必要があり、費用がかさむことになります。

依頼していた弁護士・司法書士が辞退する可能性がある

任意整理を弁護士・司法書士に依頼して、まだ貸金業者と和解をする前の段階である場合で注意が必要なのが、弁護士・司法書士が辞任する可能性があることです。

任意整理は弁護士・司法書士と依頼者との間で委任契約を結びます。
この際に弁護士・司法書士は依頼者が信頼関係を壊すような行為を行った場合に、契約を解除(辞任)することができます。

任意整理などの債務整理をするにあたって、依頼中に借金をすることは、依頼を受けている各手続きを終わらせることを困難にするものであり、通常は信頼関係を壊す行為と捉えられています。
そのため、場合によっては弁護士・司法書士が辞任する可能性があるのです。

どうしてもお金を借りる必要がある場合には、依頼をしている弁護士・司法書士に相談してください。

任意整理中にどうしてもお金を借りる必要がある場合

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 任意整理中にお金を借りる必要がある場合
  • 任意整理中にお金を借りる必要がある場合の対応方法

なるほど、お金を借りることができなくなる仕組みはよくわかりました。でも実際にお金を借りる必要がある場合というのは出てこないですか?その場合にはどう対応すれば良いのでしょうか。

任意整理中にお金が必要になる場合と、お金を借りる必要がある場合の対応方法をお伝えします。

任意整理中にお金が必要となる場合にはどのような場合があるのでしょうか。

任意整理中にお金が必要となる場合

任意整理中にお金が必要となる場合をまず知っておきましょう。
典型的な例の一つとしては、倒産や解雇で返済をするための収入が無くなってしまうような場合です。
すぐに再就職できないような場合には、その時点であらためて自己破産をするなどの対応が必要です。
もう一つの例は、大きな出費です。
任意整理は3年~5年の長期にわたる分割返済を行うものです。

3年~5年の間には

・冠婚葬祭
・家賃の更新料の支払い
・車検
・携帯電話・スマートフォンの買換え

などの大きい出費は必ずあります。
任意整理後の支払いについては、2回分以上の延滞によって残額を一括請求される可能性があるので、大きな出費に備える必要があります。

できる限り手元に貯めておく

お金を借りる必要がある場合への対応方法の一つは、そもそもお金を借りる必要がある事態に陥らないようにできる限り手元にお金を貯めておくことです。
債務整理を弁護士に依頼してすぐの段階で、返済をストップすることになり、弁護士費用の分割支払いをするにしても家計に余裕が出ることから、生活レベルを上げてしまうことがあります。
多少の生活レベルの向上はあるにしても、必要以上に使うのではなく、任意整理をする段階からできる限り手元に貯めておき、急な出費・大きな出費に備えるようにしましょう。

生活福祉貸付の借入を検討

それでもどうしても借入が必要な場合には、生活福祉貸付の利用を検討しましょう。
生活福祉貸付とは、市区町村が行うもので、生活に必要なものについての貸付を行う制度で、社会福祉協議会が窓口になっておこわなれます。
利用にあたっては審査があるので、可能な限り早めに社会福祉協議会に相談をするようにしましょう。

親族や会社に貸してもらう

ブラックリストは信用情報に関するものです。
そのため、親族や会社から借り入れをすることまで禁止するものではありません。
どうしても生活費にも困るという場合には、親族や会社にお金を貸してもらうことも検討しましょう。
親族や会社には任意整理・債務整理を内緒にしたいという方も多いと思いますが、このような事態になることも想定して、事前に任意整理をすることを信頼できる方には相談しておくと良いといえます。

最初から別の債務整理手続きを検討する

任意整理は3年から5年かけて完済するもので、当初からギリギリの計画で返済を考えるとどうしても破綻することがあります。
このような場合に、無理に任意整理をするのではなく、自己破産や個人再生も検討するようにしましょう。
イメージや裁判所に申立てをする手続きであることから敬遠されがちなのですが、借金を免責・減額してもらえる手続きですので、経済的な立て直しを早く行えます。

まとめ

このページでは、任意整理中にお金が借りられなくなることについて中心にお伝えしました。任意整理によってブラックリストに載ると貸金業者からお金が借りられず、例外的に借り入れができる場合はあっても闇金などに注意が必要です。