任意整理から個人再生・自己破産への切り替えが可能か、どのようなケースがあるかを解説いたします
ざっくりポイント
  • 任意整理から個人再生・自己破産切り替えることは可能
  • 収入が無くなったり減少したりしたケースや、債務整理に応じないケースなどは切り替えの必要性が高い
  • 個人再生・自己破産に切り替える場合は、追加の費用がかかるなどの注意点がある

目次

【Cross Talk 】任意整理から個人再生・自己破産に切り替えることはできるの?

任意整理をしたのですが、会社をリストラされてしまい、弁済を続ける余裕がありません。

任意整理を続けるのが難しい場合は、任意整理から個人再生・自己破産に切り替えることが可能です。ただし、追加の費用が発生するなどの注意点があります。

任意整理から個人再生・自己破産に切り替えることができるんですね!切り替えを検討すべきケースも教えてください。

任意整理から個人再生・自己破産に切り替える必要性が高いケースや、注意点などを解説

任意整理後は月々に弁済していくことになりますが、収入が大幅に減少するなど、弁済を続けるのが困難になるケースがあります。任意整理をした後も、個人再生・自己破産に切り替えることは可能ですが、追加の費用が発生するなどの注意点もあるのです。

そこで今回は、任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合について解説いたします。

任意整理から個人再生・自己破産に切り替える必要があるケース

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 任意整理から個人再生・自己破産に切り替える必要性が高いケースがある
  • 当初の見込みよりも債務が多かった場合や、収入が無くなった・減少したケースは、切り替えの必要性が高い

収入が下がってしまい、任意整理できちんと弁済できるかどうか不安です。任意整理から個人再生・自己破産に切り替えるべきケースを教えてください。

当初の見込みよりも債務が多かった場合や、リストラや経営難などで収入が減少した場合などは、個人再生・自己破産を検討する必要性が高くなります。

ケース1:調査の結果当初の申告よりも債務が多かった

調査した結果、当初の申告よりも債務が多いとわかった場合は、個人再生・自己破産に切り替える必要性が高くなります。
任意整理をするには、当初の収入や債務の状態などから判断して、十分に返済できる見込みがある場合に選択しなければなりません。

複数の借金を抱えている多重債務の場合などは、きちんと調査してみると、把握していたよりも債務が多いことが判明する可能性があります。
債務が思ったよりも多かったことで、債務整理後の弁済をする余裕がない場合は、個人再生・自己破産を検討する必要が出てきます。

ケース2:当初の収入が無くなった・減った

任意整理の手続きを終えた後は、債権者と合意した内容で月々の弁済を行っていきます。

任意整理後に債務の弁済を終えるには、数年程度かかるのが一般的ですが、弁済を終えるまでの期間の間に、当初見込んでいた収入が減ったり無くなったりする可能性があります。

例えば、給与所得者がリストラされて収入がなくなったり、自営業者の経営が悪化して収入が激減したりです。
当初見込んでいた収入が無くなったり減少したりすると、任意整理後の月々の弁済にあてるお金がなくなってしまう可能性があります。

ケース3:債権者が任意整理に応じない

任意整理できるかどうかは、債権者が任意整理に同意するかどうかにかかっています。
任意整理は裁判所を介さずに選択できるので、債務整理の方法としては手軽ですが、債権者が応じない場合は、そもそも任意整理できないのがデメリットといえるでしょう。

個人再生・自己破産をするには必ず裁判所を介して手続きをしなければなりませんが、債権者の1人が反対したとしても、必要な条件さえ満たせば基本的に手続きを進めることができます。

任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合の処理

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 任意整理から個人再生・自己破産に切り替えることは可能
  • 切り替える場合は、追加の費用が発生するなどの注意点がある

任意整理では弁済しきれなくなったので、個人再生や自己破産を検討しています。任意整理から切り替えることはできますか?

制度上は制限がないので、任意整理から個人再生・自己破産に切り替えることは可能です。ただし、追加の費用が発生するなどの注意点があります。

任意整理から個人再生・自己破産に切り替えることは可能

任意整理の最中に個人再生・自己破産に切り替えることは可能です。
個人再生・自己破産の制度において、任意整理をしている間は制度を利用できないなどの制限はありません。

ただし、任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合は、以下の注意点があります。

・個人再生・自己破産をするには所定の要件を満たす必要がある
・個人再生・自己破産をするために追加の費用がかかる
・個人再生・自己破産は裁判所で手続きをしなければならない
・個人再生・自己破産は手続きが複雑で一般に時間がかかる
・個人再生・自己破産をした場合、連帯保証人に迷惑がかかる可能性がある
・個人再生・自己破産をすると、官報に掲載される

個人再生・自己破産には上記のような注意点があるものの、任意整理では弁済を続けることができない場合は、個人再生・自己破産を検討すべき必要性が高いです。

個人再生・自己破産をするなどの対策を取らずに、もし任意整理で支払うべき債務を滞納してしまうと、より大きな不利益に繋がる可能性があります。
どうすべきか自力で判断するのが難しい場合は、個人再生・自己破産を選択すべきかどうか、債務整理に詳しい弁護士に相談するのもおすすめです。

任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合の処理

任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合、追加の費用が発生します。
個人再生・自己破産は必ず裁判所で手続きをしなければならないので、任意整理とは異なり、裁判所に支払う費用が発生するのが特徴です。

任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合の主な費用の内訳は、裁判所に支払う費用(手続きのための予納金など)と、個人再生・自己破産の手続きを依頼する弁護士などの専門家に支払う費用(着手金や成功報酬など)です。

弁護士などの専門家に支払う費用については、任意整理から切り替えた場合にいくらかかるのか、追加分の費用の分割払いは可能か、などを事前に確認しておくことをおすすめします。
注意点として、裁判所に支払う費用については、原則として一括払いしなければなりません。
弁護士などの専門家に支払う費用は、事務所によっては分割払いが可能な場合がありますが、裁判所に支払う費用は別である点に注意しましょう。

裁判所によっては予納金が支払えるまで手続きを保留にしてくれる場合があり、事務所によっては予納金の積立を手伝ってくれる場合があります。
もっとも、上記が認められるかは裁判所や事務所によるので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

任意整理後の分割弁済中に個人再生・自己破産に切り替えるには再度依頼する

任意整理が終わって分割弁済をしている間に、個人再生・自己破産に切り替える場合は、任意整理を依頼した弁護士などの専門家に対して、再度手続きを依頼する必要があります。
必ずしも同じ専門家に依頼しなければならないわけではありませんが、別の事務所などに依頼した場合、状況を最初から説明しなければならず、手続きに余計な時間がかかってしまう可能性があるのです。

また、個人再生・自己破産をするための裁判所の費用や、専門家への費用が追加で発生します。
任意整理のために専門家に支払った費用については別途かかるのが一般的なので、任意整理の分だけ費用の負担は重くなりがちです。

任意整理のために専門家に支払う費用を、分割払いで支払っている最中の場合は、個人再生・自己破産の追加費用について分割払いができるか、月々いくらになるかなどを、あらかじめ確認しておきましょう。

まとめ

任意整理後に弁済が困難になった場合などは、個人再生・自己破産に切り替えることが可能です。
収入が無くなったり減少したりした場合や、そもそも債権者が任意整理に応じない場合などは、切り替えを検討する必要性が高いケースといえます。
個人再生・自己破産に切り替えるには手続きの要件を満たす必要があり、裁判所に支払うなどの追加の費用も発生します。
任意整理から個人再生・自己破産に切り替えるべきかを検討する場合は、債務整理に詳しい弁護士に相談すると、最適な選択肢を見つけやすくなるので、気になる方は一度弁護士に相談することをおすすめします。

この記事の監修者

弁護士 藤井 優希神奈川県弁護士会
不安な気持ちを抱えている方、お話を聞かせてください。不安な気持ちが解消されるようお手伝いさせていただきます。