アルバイトの自己破産のメリット・デメリットを詳しく解説いたします!
ざっくりポイント
  • 任意整理・個人再生をするには安定した収入が必要
  • 自己破産にはイメージほどのデメリットはない
  • 自己破産をしても職場にバレる可能性は低い

目次

【Cross Talk 】アルバイトの債務整理は何がおすすめ?

フリーターをしていますが、生活費が足りないときにカードローンで借金をしました。返済が苦しくなってきたので債務整理をしたいのですが、フリーターでも債務整理ができますか?

債務整理の種類によります。自己破産はフリーターでも問題なくすることができますが、任意整理や個人再生は減額した債務の返済を続けることになるので、収入が安定しないと難しいかもしれませんね。

そうですか。自己破産ってデメリットが多そうなので、できればしたくないのですが…

確かにデメリットもありますが、皆さんが心配されているほどのデメリットはありませんよ。自己破産のデメリットについてもご説明しましょう。

アルバイトにふさわしい債務整理は?自己破産してもデメリットはない?

アルバイトは正規職員と比べるとどうしても収入が不安定になりがちで、収入が少ないときに生活費に充てるために借金をすることも少なくありません。
しかし、収入が安定しないにもかかわらず借金の返済をしなければならなくなるわけですから、当然、生活はさらに苦しくなります。

借金を返済し続けることが難しくなった場合、アルバイトでも債務整理ができるでしょうか?
今回はアルバイトの債務整理について、自己破産をおすすめする理由や自己破産をした場合のデメリットなどについて、詳しく解説いたします。

アルバイトをしている人の債務整理に最適なのは自己破産?

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • アルバイトをしている方には自己破産がおすすめ
  • 自己破産の本当のデメリットとは?

債務整理にはいくつか種類があると聞いたのですが、アルバイトをしている私の場合、どの債務整理をすればいいでしょうか?

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産といった種類があります。それぞれメリット、デメリットが異なりますので、債務整理に詳しい弁護士にご相談して、どの債務整理をするかを決めるのが得策です。アルバイトをしている方の場合、収入が安定していないことも多いでしょうから、自己破産が最適というケースが多いでしょう。

どの手続きがいいか弁護士たちはどうやって決めているの?

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産といった種類があります。
それぞれメリット、デメリットがありますので、債務整理のご相談を受けた弁護士は、依頼者の状況や債務の総額など様々な事情を考慮して、依頼者に最適な債務整理の方法を提案いたします。

債務整理を選択する際に考慮する事情としては、次のようなものが挙げられます。

  • 借金の総額
  • 借金の総額が少なければ、費用や時間がそれほどかからない任意整理を選択することが多いでしょう。
    逆に、借金の総額が多いときは、借金を免除してもらう自己破産か、借金を大幅に減額してもらう個人再生を選択することになるでしょう。

  • 安定した収入の有無
  • 自己破産以外の債務整理は、債務や利息を減額したうえで返済を続けていくというものです。そのため、安定した収入がない方には、これらの手続はおすすめできません。
    安定した収入がない方は、債務を免除してもらう自己破産を選択することになるでしょう。

  • 自宅を残したい
  • 自己破産をすると、債務を免除してもらえる代わりに財産も原則として処分しなければなりません。
    ですから、自宅の土地・建物を残したい場合には、自己破産以外の債務整理を選択することになります。

自己破産は嫌だ!それだけの理由で任意整理・個人再生を選ぶことのデメリット

なるべく自己破産はしたくないという方は少なくありません。
しかし、それだけの理由で任意整理・個人再生を選ぶことはおすすめできません。

「どの手続きがいいか弁護士たちはどうやって決めているの?」で解説した通り、任意整理や個人再生は、債務や利息を減額したうえで、3年あるいは5年といった期間にわたって分割して返済していくというものです。
もしその期間中に収入が大きく減少する等の事情によって返済ができなくなると、今度こそ自己破産をせざるを得なくなるでしょう。

そうなると、なんのためにそれまで返済を続けてきたのかということになってしまいます。

ですから、任意整理や個人再生をするかは、その期間、返済を続けていくことができるかどうかを慎重に検討する必要があるのです。

思ったよりもデメリットは少ない?自己破産のデメリットをもう一度検証しよう

自己破産が嫌だという方の中には、自己破産には大きなデメリットがあると誤解している方が少なくありません。そこで、自己破産のデメリットについて確認してみましょう。

  • ブラックリストに載る
  • 自己破産をするとブラックリストに載ると思われている方がいらっしゃるでしょう。
    これ自体は間違いではありませんが、任意整理や個人再生でもブラックリストに載る(信用情報機関に事故情報が登録される)ことに代わりありませんので、自己破産特有のデメリットとは言えません。

  • 財産を処分しなければならない
  • 自己破産をすると、債務を免除してもらう代わりに財産を処分しなければなりません。
    ですから、自宅を含めて不動産は手元に残すことはできません。
    他方、一定額の現金や家財道具のような生活に必要なものについては手元に残すことができますし、自動車についても、古くなって価値が少ないものは残せる可能性があります。
    ですから、自己破産をしても自分が持っているものを全て処分しなければならないというわけではないのです。

  • 特定の職業につけない
  • 破産手続中は、警備員や士業など一定の職業に就くことができません。
    もっとも、手続が終わればこの制限はなくなりますので、一時的なデメリットにすぎないといえます。

  • 官報に載る
  • 自己破産をすると、国の発行する官報に氏名、住所等が掲載されることになっています。
    ですから、誰にも知られずに自己破産をすることはできません。
    もっとも、官報以外の書類、たとえば戸籍や住民票に自己破産をしたことが記載されるようなことはありません。

また、自己破産をしても選挙権、被選挙権には影響ありません。

自己破産は勤務先にバレない?

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 職場にバレる確率は低い
  • バレても解雇されるようなことはまずない

自己破産がいいのはわかりましたが、職場にバレないか心配です。

官報を見ている人はほとんどいないので、職場にバレる確率は低いでしょう。万が一バレたとしても、自己破産したことを理由に解雇されるようなことはまずないので、安心してください。

官報公告を見ている人はまずいない

自己破産したことが官報に載るのなら、自己破産したことが職場にバレてしまうのではないか気がかりだという方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、結論から言えば、職場にバレる確率は非常に低いと言えます。
というのも、官報に掲載されると言っても、その官報を見ている人はまずいないからです。このコラムを読んでくださっている方の中にも、官報を見たことがあるという方はほとんどいないでしょう。
官報を日常的にチェックするのは、金融機関、破産者の動産を買い取ったり不動産の任意売却を扱ったりする業者など、ごく一部の業種に限られています。

したがって、それら以外の職場でバレる心配はまずないといえるでしょう。

職場に自己破産・債務整理がバレる2つのケース

では、自己破産や他の債務整理が職場にバレることは絶対にないかというと、そうとも言い切れません。

職場に自己破産したことがバレるケースとして考えられるのが、職場から借入をしている場合です。
この場合、職場も債権者にあたりますから、破産申立てにおいて職場を債権者として挙げる必要があります(債権者としてあげないと債務の免除が認められないおそれがあります)。
そして、破産開始決定をした裁判所は、官報で公告するほか、個別の債権者に対して破産開始決定や免責意見申述期間の通知等を送付することになっています。
そのため、職場が債権者であった場合、自己破産したことを職場に隠すことはできないのです。

そのほかに考えられるのが、給与の差押を受けたときです。
債務者が約定通りの返済をしなかった場合、債権者は裁判所の判決などを得ることで債務者の財産から強制的に債権を回収することができます。
債務者の職場を把握していれば債務者の給料を差しおさえることができ、これによって法律で認められた範囲の金額を職場から直接支払ってもらうことができるのです。

給与を差しおさえる場合、職場にそのことを知らせる必要があるので、裁判所が職場に対して差押の決定等の文書を送付することになっています。
そのため、従業員に借金があり、それを返済できていないことが職場にバレてしまうのです。

仮に自己破産がバレたとしても解雇にされるような事はまずない

「職場に自己破産・債務整理がバレる2つのケース」で解説したように、自己破産が職場にバレる可能性がないとまではいえません。
ただし、職場にバレてしまったとしても、自己破産したことを理由に解雇などの不利益な処分を受けることはまずありません(もしされたとしたら、不当な解雇として解雇の効力を争える可能性が高いでしょう)。
ですから、職場にバレることをおそれて自己破産をためらう必要はないのです。

まとめ

このページではアルバイトの債務整理について、自己破産を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
もしアルバイトをしていて借金に悩んでいる方がいらっしゃったら、一度、借金問題に詳しい弁護士にご相談してみるといいでしょう。