借金問題・債務整理をするにあたってどうやって弁護士を探せばいいのか、相談の仕方は?
ざっくりポイント
  • 債務整理は比較的簡単な分野であるとされるが、それでも債権者の特性などの知識は問われる
  • インターネットで探すのは良い
  • スムーズに相談をするためには、債務に関すること・収支に関することなどをまとめておく

目次

【Cross Talk】どうやって弁護士を探せばいい?費用だけじゃないポイントを知る

私は借金をしすぎてしまって返済が厳しくなっています。よく債務整理という言葉を聞くようになって相談をしてみようと思っているのですが、どうやって弁護士を選べばいいのか分かりません。なんとなく安い方が…と思ってしまうのですが、正直どうやって選べば良いでしょうか。

費用面もそうですが、適切に解決に導くことができる弁護士に依頼することを一番に考えるのが良いでしょう。

安いだけで選んで失敗しないために!債務整理を成功に導く弁護士選びを知ろう

債務整理を弁護士に依頼するに場面では、どうしてもお金がない局面ですので費用で弁護士を選びたくなるかもしれません。しかし、債務整理に失敗してしまっては元も子もありません。そこで、債務整理を依頼するにあたって重要な要素を知って、どの弁護士に相談・依頼すれば良いのかを知りましょう。相談するにあたっては、事前に情報をまとめておくと弁護士が判断しやすくなるので、併せて知っておいてください。

そもそも本当に弁護士に相談してみる必要はある?

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 弁護士に相談する必要性
  • 司法書士ではなく弁護士に相談をする必要性

借金をしている身なので弁護士に依頼して費用をかけるというわけにもいかないので自分でやりたいのですが…

相談料は無料の場合が多いです。借金問題は個人の状況によって大きく異なることもあるので、インターネットや書籍の情報だけでは方針を決められないのが通常です。弁護士に相談をしておくのが良いでしょう。

そもそも借金問題を弁護士に相談する必要があるのでしょうか?

借金問題を弁護士に相談する必要性

借金問題は必ず弁護士に相談をしておく必要があります。
借金問題と一口に言っても、任意整理・自己破産・個人再生といった主なものから、過払い金請求・相続放棄・限定承認など幅広くあります。

インターネットや書籍で各手続きのメリット・デメリットを参照して、自分はこの手続きを利用したい…という方が多いです。
しかし、実際に債務整理をする場合には、借金の額・返済能力を考慮しなければ手続きは決まりません。

自己破産は嫌だからと任意整理を無理に行って、毎月の返済ができなくなり、また債務整理が必要なケースもあります。
まずは相談だけでも弁護士にしておくべきです。

司法書士ではなく弁護士に相談をする理由

債務整理については弁護士だけではなく、一部の司法書士も行っています。
ただ、司法書士は債務整理業務については制限があり、全ての手続きを行うことができるわけではありません。
なので、すべての手続きの依頼を受けることができる弁護士に相談をして、適切な手続きについての助言を受けるべきです。

弁護士探しの重要ポイント

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 弁護士を探すポイントは費用だけではない
  • 債務整理を注力分野としている弁護士なのかどうかの見極め方を知る

どうしても費用が一番に気になってしまいますが、それ以外の弁護士探しのポイントを教えてください。

やはり、債務整理に注力しているのかどうかは気を付けたほうが良いといえます。また弁護士との相性も重要になることがあります。

弁護士探しのポイントとしてはどのような事を考えておけば良いでしょうか

弁護士費用

まず、弁護士費用は一つの目安になるでしょう。
債務整理に関しては、過払い金請求を中心に不正が相次いだことから、弁護士会で任意整理における弁護士費用の上限を定めています。また、弁護士に依頼をする際には、弁護士費用がいくらになるのか?という事を示す義務があります。

その結果、あまり費用で弁護士を選ぶメリットは少なくなっているのが現状です。どれだけ費用が安くても、適切な処理ができなければ費用が無駄になることもあります。また弁護士費用が高い弁護士であるからといって、その人が必ず債務整理に注力しているとも限らない場合もあります。そのため費用で選ぶだけではなく、以下の項目も参考にしてみてください。

弁護士の注力分野

医師の場合、内科・外科などの診療科があり、自分の症状に合わせて診察をしてもらいますよね。
弁護士も同じで、どのような分野に注力しているかで得意・不得意というものがわかれます。
債務整理は弁護士業務の中では比較的扱いやすいとされているのですが、それでも債権者の特性や、書籍に記載のないイレギュラーな事態を知らず、不測の事態に対応できない場合があります。

ですので、債務整理に注力している弁護士に依頼するべきであるといえます。
弁護士の業務は主に、個人の法律問題に関する個人法務と、会社などの法律問題に関する企業法務という分野に分かれています。
債務整理は個人法務ですので、企業法務が得意な弁護士に相談するのは得策ではないといえます。

また、債務整理は借金に関するもので、弁護士によっては積極的には取り扱っていない場合があります。
そのため、ホームページを閲覧するなどして、借金問題・債務整理に注力しているのかどうかは見極めた方が良いといえます。
借金問題・債務整理に注力している弁護士は、債務整理の相談・依頼が必要な状況である人の窮状を知っていますので、相談料を無料としていることに特徴があります。
また、取り扱い実績、お客様の声なども参考にすると良いでしょう。

執務時間と場所

弁護士の執務時間や、法律事務所の場所も依頼を決める要素になります。
日頃忙しく働いているサラリーマンですと、平日の9時18時の間に絶対に事務所に来てください、という事務所には訪問するのは難しいですね。

また、実際に依頼をした後には、特に自己破産・個人再生をするような場合には、申立書作成や、管財人・再生委員・裁判所への説明事項の打ち合わせなどに向けてしっかりコミュニケーションをとる必要があります。
債務整理に注力している事務所であれば、夜間や土日に相談や依頼などの各種対応をしている事務所もあります。

また、あまりにも遠方ですと、コミュニケーションに支障がでることもあるので、会って話ができるような所に事務所があるのもケースによっては重要なことがあります。

弁護士・事務員との相性

最後に、いくら費用がリーズナブルで、専門性のある弁護士でも、態度が横柄である人や、コミュニケーションが取れない人であれば、依頼をする方としても信頼して依頼することができなくなります。
実際に相談をして、依頼をする弁護士がどのような人なのか、また、弁護士の指示を受けて動いたり・依頼者からの連絡を受け付けてくれる事務員(債務整理専門のパラリーガルというスタッフの場合も)との相性も重要です。
相談をしてみて、気持ちよく依頼をしたくなった弁護士なのかどうかという事も考慮に入れても良いでしょう。

過去にトラブルを起こして懲戒をされていないこと

最後に弁護士が過去にトラブルを起こして懲戒をされていない弁護士を選ぶようにしましょう。
非常に残念な事なのですが、弁護士が名義を貸して一般人に債務整理をさせていたり、依頼を受けた債務整理を放置するようなケースがあります。

このようなトラブルを起こした場合には、所属弁護士会が懲戒処分を下して業務の適正な運営を促しますが、2度・3度と繰り返している弁護士もいます。
弁護士や司法書士の懲戒に関しては、インターネットで公開されていますので、事務所名・法人である場合には弁護士法人名・弁護士名に懲戒というキーワードで検索をすれば容易に検索をすることが可能です。

債務整理に注力している弁護士の探し方

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 知り合いに弁護士が居るのであれば、対応してくれる弁護士を紹介してもらう
  • インターネットで探す場合には、懲戒歴の有無を確認

債務整理に注力している弁護士というのが分かりましたが、実際にどうやって探せばよいでしょうか。

知り合いに弁護士が居るのであれば、教えてもらうのが一番ですが、そうではない場合にはインターネットで探しましょう。

債務整理に注力している弁護士はどのようにして探せば良いでしょうか。

知り合いの弁護士に聞いてみる

まず、知り合いに弁護士や、その他の法律専門職(司法書士・行政書士など)の方が居るのであれば、その人に債務整理に注力している弁護士を紹介してもらうのが良いでしょう。
その弁護士が債務整理に注力しているのであればそのまま引き受けてくれるでしょうし、債務整理に関して強くないという事であれば、知り合いで債務整理に注力している弁護士を紹介してくれます。

弁護士ではないけど法律専門職の方でも、業務上弁護士に紹介をするケースなどがあり、弁護士とつながりを持っていることが通常なので、紹介してもらえる可能性は高いです。
紹介された案件は弁護士・依頼者ともに安心して債務整理に取り組むことができるというメリットがあります。

インターネットで探してみる

しかし、ほとんどの方はこのような知り合いが居ないのが通常だと思いますし、知り合いであれば借金の相談なんかはしづらいというもの本音かもしれません。自分の住んでいる地域に債務整理・任意整理・自己破産・個人再生などのキーワードを入れて検索を行えば、債務整理に注力している弁護士はきちんと広告も行っているので、ホームページを閲覧することができます。

法テラスで探してみる

国が設立した機関で、弁護士による相談を受けられる法テラスという機関があり、ここで弁護士の相談を受けることが可能です。
ただ、こちらでは弁護士を選んで相談を受けることができませんので、債務整理を不得意とする弁護士が相談にあたる場合もあり、依頼をしようと思っても依頼を受けていない場合もありますので注意が必要です。

弁護士会の紹介

弁護士会によっては、債務整理に注力している弁護士を紹介してくれるところもありますので、そこで探すのも一つの手です。また,弁護士会で行っている債務整理の人向けの相談会(クレサラ相談会とも言われます。)を利用する方法もあります。そのような相談会であれば,スムーズに債務整理が進むと思われます。

市区町村の法律相談にいってみる

市区町村は住民の悩みの相談を無料で受け付けています。
その一環として、地域の弁護士に依頼して、住民に向けて無料で相談会を実施しています。
市区町村にもよりますが週に1回程度の相談を予約制・無料で実施しています。

注意が必要なのは、時間が30分程度に限られているケースもあるので、事前に情報をまとめてスムーズに相談できるようにしておく必要があるのと(まとめておくべき項目は後述します)、債務整理に詳しい弁護士と相談できない可能性がある点です。

相談前に準備することは?

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 相談をスムーズに弁護士が判断しやすいように準備しておくと良いものがあります

実際に債務整理の相談に行ってみようと思います。準備しておいたほうが良いものはありますか?

準備無しでも良いのですが、よりスムーズに・正確な判断をするために、これからお伝えするようなものを準備しておいてください。

債務整理の相談の際にはどのような準備をしておけば良いのでしょうか。

必要な持参物

まず、必ず持ってきておくべきものについては、身分証明書があります。債務整理は本人からの依頼でなければ受けることはできませんので、相談も基本的には本人から受けることになります。相談相手が本人なのかを確認するために、相談の際に身分証明書が要求されることが多いので、必ず持参しましょう。

準備しておくとよい持参物

次に、相談をスムーズに・正確な判断をするために必要なものを検討しましょう。
まず債権者・借入額・返済額・契約内容がわかる書面があれば持参しましょう。

契約書・カード・支払明細などがあれば良いのですが、カード以外は持っていないという場合にはカードだけでもかまいません。
これらについて、相談の段階でバラバラと出すと、件数が多い場合にはその整理で一苦労ということも多くありません。

正確に分からなくても良いので、大体の金額・日にちなどをまとめておきます。
また、収支の状況も大雑把で良いのでまとめておきましょう。
相談において、月々いくら支払いができる状況なのかを確認することになり、これが債務整理の基本方針を左右することになります。

なんとなく、あるいは自己破産が嫌なので、「月7万円は支払えます」と伝えても、実際に家計の状況を見てみれば月に3万円程度の支払いしかできない、という事はよくあります。
債務整理直前になると、返済のために他社から借り入れをしていることも珍しくないので、家計の状況が麻痺していることもありますので、一度客観的に見ておく必要はあると言えます。
また、すぐに依頼する場合には、印鑑も持って行くのが良いでしょう。

相談に至る経緯

相談に至る経緯も簡単にまとめておくと良いでしょう。
なぜ消費者金融から借り入れをはじめたのかという借入原因や、返済ができなくなった原因などは、債務整理方針に影響を与えることがあります。
事務所によっても相談にかかる方針が異なる場合がありますので、法律相談の予約時に事前に確認をしておくのが良いでしょう。

依頼したあとでも弁護士は変えられる

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 依頼前に別の弁護士にセカンドオピニオンを求めても良い
  • 弁護士を変えることも可能

依頼をするにあたっては複数の弁護士に相談することはできるのでしょうか。また依頼してから弁護士を変えるという事はできますか?

依頼前に別の弁護士にセカンドオピニオンを求めることは禁止されていませんし、依頼をしてからも弁護士を変えることは可能です。

複数の弁護士にセカンドオピニオンを求めることや、依頼後に弁護士を変えることは可能なのでしょうか。

セカンドオピニオン

弁護士に相談をして、納得がいかないような場合には、別の弁護士にセカンドオピニオンとして相談をすることも可能です。

弁護士の変更

弁護士に依頼をした後に、信頼関係が築けなくなる場合もあります。債務整理を複数の弁護士に依頼することはできません。弁護士と依頼者との間には委任契約が締結されていますが、委任契約は一方から終了を申し出れば終了することができます。すでに受け取っている弁護士費用などの扱いは、契約書の規定によるので、全額は返金してもらえませんが、弁護士の変更自体は可能です。

まとめ

このページでは、弁護士の選び方や相談の仕方を中心にお伝えしてきました。
債務整理を扱っている弁護士や、司法書士も一部取り扱いをしている事から、誰に依頼すれば良いのか?というのは悩ましいものです。是非、本記事を参考にしていただき、適切な相談・依頼先を見つけるようにしてください。