
- 協議離婚・調停離婚をするには合意が必要
- 相手が協議離婚・調停離婚に応じない場合には離婚裁判を起こす必要がある
- 離婚裁判を起こして請求が認められるには離婚原因が必要
Cross Talk 配偶者が離婚に応じてくれません
何年も前から家庭内別居の状態が続いていて、正式に離婚したいのですが、離婚に応じてくれません、どうすればいいでしょうか?
夫婦関係がうまくいっていないにもかかわらず離婚に応じない配偶者は珍しくありません。配偶者が離婚に応じない場合でも、交渉の進め方を工夫するとか、法定離婚事由がある場合には裁判所の手続きを利用するといった適切な対処をすることで、離婚を成立させることが可能です。
どう対処すればいいか詳しく教えてください!
夫婦関係が冷え切っているため離婚を切り出したが、配偶者が離婚に応じない場合が少なくありません。
配偶者が離婚に応じない理由には、やり直しが可能と考えている、離婚後の経済的な不安や子どもに会えなくなるのではないかという不安、世間体など様々なものが考えられます。
今回は、離婚に応じない配偶者の心理を紹介したうえで、そのような場合に取るべき行動や、反対に取ってはいけない行動などについて解説します。
なぜ離婚に応じてくれない?配偶者の心理について

- 配偶者はまだやり直せると考えている場合がある
- 離婚後の生活や子どもとの関係、世間体などを気にして離婚に応じない場合がある
離婚を切り出しても応じてくれないのはどのような理由が考えられるのでしょうか?
離婚に応じてくれない配偶者の心理として、配偶者はまだやり直しが可能と考えている場合が考えられます。また、やり直しは難しいと理解している場合でも、離婚した場合の経済的な不安や子どもに会えなくなるのではないかという不安、世間体が気になるなどといった理由から、離婚に応じてくれないこともあります。
配偶者もやり直しは難しいと理解している場合であっても、様々な理由から離婚に応じてくれないときがあります。たとえば、配偶者の経済力が乏しかったり、離婚に伴って財産分与や(有責配偶者の場合には)慰謝料の支払いが必要だったりすると、経済的な負担を回避するために離婚に応じないことが考えられます。
配偶者が離婚に応じない場合に取るべき対応

- 別居したうえで妥協できる条件について譲歩して離婚の合意を目指す
- 交渉で離婚の合意ができない場合は家庭裁判所に離婚調停を申立てる
配偶者が離婚に応じてくれない場合、どのような対応を取ればいいでしょうか?
まず配偶者に別居を提案して、本気で離婚を考えていることを理解してもらうようにしましょう。慰謝料、財産分与等で妥協できる条件については譲歩して早期の離婚の成立を目指すことも検討してください。交渉によって離婚の合意が成立しない場合は、家庭裁判所の離婚調停を申立てることになります。
別居を提案してみる
配偶者が離婚に応じない場合、まず別居を提案してみましょう。
別居の提案は、本気で離婚を考えていることが配偶者にも伝わります。また、別居は、資力のある配偶者は別居中も婚姻費用を分担しなければならず、別居が長期間続くと裁判で婚姻関係が破綻したと認められやすくなるという効果が期待できます。
関連記事:別居しても離婚の話が進まない!対処法と別居中にしてはいけないこと
慰謝料・財産分与などの条件面を譲歩する
離婚をする際、慰謝料や財産分与、未成年の子どもがいる場合には親権者や養育費、面会交流など様々な付随的な条件についても協議をする必要があります。
配偶者が離婚自体には応じるつもりがあっても、離婚条件で難色を示し、交渉が進展しない場合もあります。そのため、妥協条件を提示し、配偶者の希望を聞いて譲歩することで、離婚に応じてくれる余地が生まれます。
離婚調停を申立てる
夫婦間の協議で離婚の合意ができない場合、家庭裁判所の離婚調停を申立てることになります。
離婚調停は、第三者である調停委員を介して話し合いを行うものです。当事者だけで協議する場合と比較して、冷静に話し合いをすることができますし、調停委員から慰謝料、財産分与、養育費等に関する一般的な説明をしてもらえるので、配偶者が考えを改めて離婚に応じてくれる場合もあるのです。
法定離婚事由がある場合には証拠を示す
夫婦間の協議や離婚調停では、どれだけ議論を尽くしても配偶者が応じなければ離婚はできません。
これに対し、不貞行為・悪意の遺棄など民法が定める法定離婚事由があれば、離婚裁判の判決によって、配偶者が離婚に応じなくても強制的に離婚を成立させられます。
そのため、法定離婚事由がある場合にはその証拠を収集し、協議の段階で配偶者に示すことが有効です。法定離婚事由に関する確かな証拠があれば、離婚を拒否しても最終的に裁判で離婚が認められることが予想され、配偶者が協議・調停の段階で離婚に応じてくれる可能性があります。
信頼できる弁護士に相談する
配偶者が離婚に応じてくれない場合に取るべき行動を紹介してきましたが、慰謝料や財産分与の相場を知らなければ条件面でどの程度の譲歩をするか判断が難しいでしょう。
また、離婚調停の申立てや法定離婚事由に関する証拠の収集をするには、専門的な知識が必要になります。
そのため、離婚したい場合にはできるだけ早く信頼できる弁護士に相談し、証拠の収集や配偶者との協議の進め方について助言してもらうといいでしょう。
配偶者が離婚に応じない場合のNG行動

- 感情的な行動は配偶者の態度をより硬化させるおそれがあるのでNG
- 無断で別居をすると有責配偶者となり離婚請求ができなくなるおそれがあるのでNG
配偶者が離婚に応じない場合に、とってはいけない行動はありますか?
まず、感情的な行動をとると配偶者が態度を硬化させる可能性があるので控えるようにしてください。また、無断で別居をすると悪意の遺棄にあたるとして、離婚請求が認められなくなるおそれがあります。そして、勝手に離婚届を提出することは、法律上は無効となりますし、場合によっては刑事罰の対象になるおそれもあるので、絶対にしてはいけません。
感情的な行動をとる
配偶者が離婚に応じてくれない場合、つい感情的な行動をとってしまうことがあります。
しかし、感情的な行動をとると、離婚に応じてくれない配偶者を刺激し、従前以上に態度を硬化させる可能性があります。
そうなると、離婚理由や離婚条件について正当な主張をしても配偶者が耳を傾けなくなり、話し合いが進展しなくなってしまう可能性もあるため、感情的な行動は控えるようにしましょう。
無断で別居をする
無断で別居をすると、法定離婚事由の一つである悪意の遺棄に該当する可能性があります。
悪意の遺棄に該当する場合、無断で別居した方が有責配偶者(婚姻関係の破綻について主に責任がある側の配偶者)とされるのですが、有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません。
DVが原因で話し合いができない等の特別な事情がない限り、別居については事前に話し合いをした方がいいでしょう。
関連記事:DV夫(妻)と離婚できない理由と離婚を実現させる対処法を解説
勝手に離婚届を提出する
勝手に離婚届を役所に提出した場合、形式面の不備がなければ役所は離婚届を受理してくれるものの、
配偶者に離婚意思がないと離婚は認められません。
また、離婚に応じない配偶者の氏名を勝手に離婚届に記入して役所に提出し、戸籍の内容を変更させた場合、有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記載・同供用といった犯罪に該当し、刑事罰を受ける可能性もあります。
勝手に離婚届を提出することは絶対にしてはいけません。
配偶者が離婚に応じない場合に弁護士に相談するメリット

- 交渉の進め方、証拠の集め方や適正な離婚条件についてアドバイスしてもらえる
- 依頼をすれば配偶者との交渉や裁判所の手続きを任せることができる
このまま自分で交渉を続けても配偶者が離婚に応じてくれそうにないので、弁護士に相談をした方がいいのか迷っています。弁護士に相談すると具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
弁護士に依頼をすれば、適切な交渉の進め方や証拠の集め方を教えてもらったり、適正な離婚条件についてアドバイスをもらったりすることができます。相談に続いて依頼をすれば、配偶者との交渉や離婚調停・離婚訴訟の手続を任せることができます。
配偶者が離婚に応じてくれない場合には、離婚問題に詳しい弁護士に相談することが効果的です。
弁護士に相談をすれば、配偶者との交渉の進め方や、交渉を有利に進めるための証拠とその集め方、事案に応じた適正な離婚条件等についてアドバイスを受けられます。
また、弁護士のアドバイスを聞いたうえでご自身での交渉や離婚調停・離婚訴訟を進めることが難しいと感じた場合には、相談に引き続いて弁護士に依頼もできます。
弁護士に依頼をすれば、配偶者に対しても、本気で離婚を考えていることが伝わり、やり直しは難しいと実感させることができます。また、交渉や離婚調停・離婚訴訟の手続を任せることができるので、精神的な負担も軽減されます。
さらに、弁護士は当事者ではないので感情的にならずに冷静に交渉ができ、専門的な知識に基づいて交渉や離婚調停・離婚訴訟を進めることによって適正な条件による離婚が実現する可能性が高くなるというメリットもあります。
まとめ
今回は、配偶者が離婚に応じてくれない場合に取るべき行動やとってはいけない行動等を紹介しました。
配偶者が離婚に応じてくれないとお悩みの方は、早めに離婚問題に詳しい弁護士に相談して、交渉の進め方等を工夫するようにしてください。
ご自身での対応に限界を感じた場合には、弁護士に交渉や離婚調停・離婚訴訟の手続を依頼することを検討するといいでしょう。






