自己破産を利用した場合のローン審査について知りましょう
ざっくりポイント
  • 自己破産の手続き期間中はいわゆるブラックリストとして一定期間ローンの審査が通らなくなる
  • ブラックリストの期間は10年で終わる
  • 審査の際のポイントを知る

目次

【Cross Talk】自己破産をしてから一定期間経てばローンは組める

私は4社から300万円以上の借金をしています。
残業が減ってしまい収入が落ち込んでいて、返済の目途がたっていません。自己破産もやむを得ないかと思っていますが、私の住む地域は自動車が必須で自動車ローンが組めなくなると不便です。また将来ですが住宅ローンも組みたいです。将来のローンについても教えてください。

一定期間は信用情報に事故情報が登録されるため、ローンは組めませんが、その期間は10年程度です。その後ローンを組む際の注意事項について説明します。

自己破産をしても一定期間経過すればローンを組むことは可能

自己破産などの債務整理を利用した場合のデメリットとして、信用情報機関に事故情報として登録されるため、ローンを組む・クレジットカードを作るなどができない、いわゆるブラックリストという状態になります。
この状態は自己破産の場合にはおおむね10年は続きます。自己破産による事故情報の登録がなくなった後のことを考えて、どうやってローンの審査を通すのかなどのコツを知っておきましょう。

自己破産後にローンが組めるのはおおよそ5〜10年後

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 自己破産をすると新たに自動車ローンや住宅ローンを組めなくなる
  • ローンを組めない期間は自己破産から5~10年

自己破産をすると自動車ローンや住宅ローンが組めなくなると聞いたのですが、本当ですか?

はい、自己破産をすると新たに自動車ローンや住宅ローンを組むことはできなくなります。ローンを組めない期間は債権者によって異なりますが、5年から10年程になります。

自己破産をすると、新たにキャッシングをしたり、自動車ローンや住宅ローンを組んだりすることができなくなります。
しかし、一度自己破産をすると永久にローンを組めないわけではなく、自己破産をした際の債権者以外の金融機関であれば、自己破産から5年~10年後であれば、新たに自動車ローンや住宅ローンを組むことができるようになります。

関連記事:自己破産ってどんなもの?メリット・デメリットとは?

自己破産でローンが組めなくなる仕組み

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 自己破産手続きを利用すると信用情報機関に事故情報として登録される
  • 事故情報の登録があるとローンを組めなくなるなどの影響がある

そもそも自己破産をするとローンが組めなくなる仕組みを教えてください

自己破産をすると信用情報機関に事故情報として登録されます。ローンの審査にあたってはこの事故情報があると通らないことになっています

まず、自己破産でローンが組めなくなる仕組みについて知りましょう。

信用情報の仕組みを知る

個人の支払い能力に関する情報として、信用情報というものがあります。
銀行・消費者金融・クレジットカードを発行する信販会社などがこういった情報を参照しながら貸付・クレジットカードの発行などを行っています。
自己破産などの債務整理をすると、依頼をした弁護士が貸金業者に対して依頼をうけた旨の通知(受任通知)を送付します。その通知を受けた貸金業者は信用情報機関に情報提供し、信用情報機関では債務整理をしたという事故情報を登録します。

なお、2回以上の延滞をした場合にも同様に、延滞したという事故情報が登録されます。この登録があると、新しく住宅ローン・自動車ローンなどの借り入れを申し込む際の審査において拒否され、クレジットカードの新規作成の申し込みも拒否されることになります。この状態をブラックリストと呼んでいますが、何か特別なリスト管理をしているわけではありません。

クレジットカードが作れない・借り入れができないといったことから、特に自動車の利用が頻繁な地域でのETCカードや自動車ローン・車検ローンなどが利用できないなどの影響が出ます。
また住宅ローンの申し込みや保証人になることもできません。このブラックリストの状態は信用取引に関わるものだけですので、選挙権などが奪われる、就職ができなくなるといった影響はありません。

いわゆるブラックリストも期間が限られている

このブラックリストの状態は永遠に続くわけではなく、一定期間で消えることになっています。
自己破産については信用情報を取り扱っている3つの機関によって下記のように扱われます

CIC 5年(消費者金融が中心に利用)
JICC 7年(信販会社が中心に利用)
KSC 10年(銀行が中心に利用)

自動車ローンは信販会社に分類されることが多いので7年、住宅ローンは銀行を利用することが多いので10年と覚えておけば良いでしょう。
この期間経過後には、事故情報が消され、信用情報には全く借り入れやクレジットカードの作成歴がない状態の信用情報になるとされています。

関連記事:ブラックリストとは?載ると日常にどう影響するのかについて弁護士が解説

自己破産後にローンを組むための戦略

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 自動車ローンや住宅ローンの基本的な仕組みを知る
  • 自己破産後にローンを組む際の特有の事情を知る

信用情報との関係はわかりました。実際にローンを組む時に、どのような点に気を付ければいいでしょうか。

ローン審査は事故情報の有無だけで決まるわけではありません。ローンに通りやすくなるため方法を知りましょう。

事故情報が消えているか確認する

まず本当に事故情報が消えているかを確認しましょう。事故情報が消えていない状態で申し込みをしても審査に落ちます。その審査に落ちた履歴が残ってしまい、あらためて事故情報が消えた後でも審査に通りづらいことになってしまいます。

事故情報が消えていることを確実に確認してから借り入れをするようにしましょう。事故情報が消えているかは、信用情報機関に信用情報の開示の請求を行うことによって確認できます。

信用情報に登録があるときにしっかり頭金を貯めよう

特に住宅ローンを将来組みたい方は、信用情報に登録がある期間にしっかり頭金を貯めるようにしましょう。
住宅ローンの借り入れは頭金をどれだけ準備できているかと、後述する属性によって審査されます。
債務整理直前までは返済のために切り詰めた生活をしているのでギリギリの生活をしていますが、債務整理により生活に余裕が出るため、支出が増えることがほとんどです。
その結果10年間ギリギリの生活をして頭金が貯められなかったような場合には、返済をしてもらえるのか審査の担当者が不安に思ってしまう可能性が高いです。
10年の間にしっかりした返済能力・家計管理能力があることを示すために1円でも多くの頭金を貯めるのは必須といえます。

クレジットヒストリーを積む

信用情報には、事故情報だけではなく、通常の利用・返済の履歴が掲載されており、このような利用の履歴のことをクレジットヒストリー(クレヒス)と呼びます。

審査の際にはクレヒスを確認して、計画的な利用ができるか、返済ができているかなどを確認しているのですが、ブラックリスト後はこれらの履歴が一切ない状態なので、大きな借り入れをするとどうしても審査の際に躊躇する原因となります。
まずは額の多くない携帯電話の分割購入や、キャッシング枠を0円にしたクレジットカードなど、審査に通る可能性が高いものを利用するところからはじめ、しっかりと利用・返済を重ねてクレジットヒストリーを積んでから大きなローンの申込みをしましょう。

ローンを組む際の「属性」を知ろう

ローンを組むときには、借り入れをする方の「属性」が審査されます。
アルバイトや契約社員よりも正社員の方が安定した収入があり、返済をしてもらうことに対する期待が高いといえます。
また、同じ正社員でも半年しか勤務していない方、10年勤務している方では10年勤務している方では後者の方が、返済に対する高い期待を持てます。

自己破産後のローンについて知る

自己破産後であることによって影響する事項を知りましょう。
まず、自己破産で免責の対象になった会社についてローンは組むことができません。ローンにあたって保証会社としてグループの消費者金融などが利用されることもあるのですが、こういった会社からの借り入れについて免責の対象となった場合も同様にローンを組むことができません。
また、上述した通り、事故情報が消えた後の信用情報は真っ白の状態です。

通常の生活をしていると、借金をしていない方でも、携帯電話の分割支払いや・クレジットカードの利用などを行っており、その履歴が記載されています。
こういった履歴がないのは、自己破産・任意整理・個人再生問わず債務整理や延滞があったという推測もできてしまいますので、大きな買い物をする前にこういった履歴を作ることも有効な場合があります。

自己破産を検討している場合には弁護士への相談がおすすめ

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 自己破産をするにはたくさんの資料の収集や書類の作成が必要になる
  • 自己破産を検討しているなら弁護士に相談する

自己破産を検討しているのですが、自分で手続きをすることは可能でしょうか?

法律上は可能ですが、自己破産をするには裁判所に提出する資料の収集や書類の作成等が必要になるので、ご自身で手続きをするのは難しいでしょう。ですから自己破産を検討している場合は弁護士に相談するといいでしょう。

自己破産をするには、裁判所にいろいろな資料を提出したり、裁判所ごとに決められた書式を用いて書類を作成したりする必要があります。専門的な知識なしにそのような資料の収集や書類の作成をすることは非常に困難です。

自己破産の手続きの運用は裁判所によって異なりますが、弁護士が代理人に選任されている場合、本人が裁判所に行かなければならない回数を少なくできることがあります。また、自己破産が管財事件になる場合、弁護士が代理人に選任されているときは通常の管財事件ではなく予納金が低額な少額管財という手続きで処理するという運用を行っている裁判所もあります。このように、弁護士に依頼する方が、本人の負担(経済的な負担を含む)を軽減できる可能性があるのです。

まとめ

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、新たにローンを組むことができなくなります。
ただし、その事故情報も自己破産から5~10年で抹消されるので、その後はローンを組むことができるようになります。
自己破産をしたいけれどローンが組めなくなることに不安を抱いている方は、弁護士に相談して、自己破産とローンとの関係や、自己破産後にローンを組むための注意点等について助言してもらうことをおすすめします。