借金返済中に妊娠した?なんとか対処方法はありますか?
ざっくりポイント
  • 妊娠・出産にかかるお金
  • 妊娠・出産した人への優遇措置
  • 妊娠・出産により借金返済ができなくなった場合の対応方法

目次

【Cross Talk 】借金返済をしているのに妊娠してしまいました。何か良い対応策はないでしょうか?

ご相談があります。私は結婚前にブランド物を買う・旅行をするなどで借金があり、今の夫には話していません。結婚してからも働いて借金返済をしていたのですが、妊娠をしてしまいました。
仕事を今のまま続けるのは困難で借金返済がかなり難しくなりそうなのですが、なにかいい方法はないでしょうか?

返済が出来ない状況で夫には話せないのであれば、自己破産で免責をしてもらうのがいいです。

そうですよね…詳しく今後のことをお話くださいますか?

妊娠して借金の返済ができなくなった場合にはどうすればいい?

借金の返済を続けているときに妊娠をして仕事ができなくなり返済が難しくなることがあります。妊娠・出産をするときに仕事ができなくなるので収入が減ることはもちろん、妊娠・出産自体にもお金がかかるので、借金返済が難しくなることは避けられません。妊娠・出産により受けられる優遇措置を利用しても、借金返済の目途がたたない場合には、早目に債務整理を検討しましょう。

妊娠・出産にかかるお金

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 妊娠・出産にかかるお金
  • 医療費やマタニティ用品購入など

妊娠・出産をするとまずお金がたくさんかかるんですよね…。

そうですね。まずはどのようなお金がかかるかを確認しましょうか。

妊娠・出産にかかるお金には次のようなものがあります。

通院・入院にかかるお金

妊娠・出産には、

  • 定期検診
  • 入院費用
  • 分娩費用

などの費用がかかります。

定期検診にはトータルでおおよそ10万円~15万円程度の費用がかかると考えられます。
入院・分娩のための費用については、公益社団法人国民健康保険中央会の平成28年に調査をしており、入院費用として平均値が112,726円、分娩料として平均値が254,180円程度の費用がかかるとしており、トータルでは平均で505,759円の費用がかかるとされています(出産費用平成28年度|公益社団法人 国民健康保険中央会 URL:https://www.kokuho.or.jp/statistics/birth/2017-0620.html)。
この費用は通常分娩での出産なので、出産後の入院が長引いたなどの場合にはさらに費用がかかります。

マタニティ用品・ベビー用品

妊娠中のマタニティ用品や、新しく生まれてくる子どものベビー用品の購入が必要となります。
新品で揃えると、10万円~15万円がかかります。

子どもの妊娠出産を記念する行事をするためのお金

必ず発生する費用ではありませんが、子どもの妊娠・出産を記念する行事をするためにお金がかかることがあります。

妊娠5ヶ月くらいのときに安産祈願を行い、生まれてから1ヶ月以内にお宮参りをするのが一般的ですが、安産祈願では初穂料として1,000円~3,000円程度、お宮参りでは初穂料として5,000円~10,000円程度の費用がかかります。
ほかにも衣装のレンタル・カメラマンをお願いする・親族で会食を行なうなどでさらに費用がかかることになります。

妊娠・出産をする人への優遇措置を知っておく

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 妊娠・出産をする人に優遇措置がある
  • 出産一時金などの支給や、国民健康保険の免除などについて確認

妊娠・出産をする場合の優遇措置にはどのようなものがありますか?

出産一時金など支給してもらえるものや、国民健康保険の免除などの制度を知っておきましょう。


妊娠・出産をする人への優遇措置には次のようなものがあります。

妊娠・出産に関して支給される手当

妊娠・出産で支給される手当には次のようなものがあります。

  • 妊婦健康診査:妊婦の健康診査を助成するもの(例:新宿区→14回分の健康診査・3回分の妊婦超音波検査・1回分の子宮頸がん検診が助成)
  • 高額医療費:一定以上の金額を超えた場合の医療費が返金される制度。つわりがひどい・切迫早産などでの入院、帝王切開をするような場合に、保険診療の対象になれば高額医療費制度の適用の対象になる。
  • 失業手当:妊娠や出産で退職をした場合に失業手当をもらうことができる
  • 出産育児一時金:健康保険の被保険者・被扶養者が出産したとき1児につき42万円(2022年現在)を受け取ることが可能
  • 傷病手当金:病気や怪我などで働けない場合にもらえる手当。つわりや切迫早産などが原因で職場復帰できない場合に受け取ることが可能。
  • 出産手当金:産休期間中で給与を受け取れない期間についての手当を受け取ることが可能。

産後にもらえる手当

産後にもらえる手当てには次のようなものがあります。

  • 育児休業給付金:雇用保険に加入している人が、育児休業の期間に受け取る給付金。原則として子どもが1歳まで、例外的に1歳6カ月、または2歳まで受け取ることができる。
  • 児童手当:子どもが中学校を卒業するまで受け取ることができる手当
  • 児童扶養手当:児童手当とは別にひとり親家庭で扶養を受けられないなどの場合に受け取ることができる手当
  • 子ども医療費助成:15歳に達する最初の3月31日までの医療費の助成を受けることができます(新宿区では「子ども医療費助成」ですが自治体によって異なります)

シングルマザーの場合にもらえるお金や制度

シングルマザーの場合、前述した児童扶養手当のほか、様々な手当てや支援を受けることが可能です。
例えば新宿区の場合、

  • 入院助産制度
  • 母子家庭高等職業訓練給付金事業
  • 母子生活支援施設
  • 養育費確保支援事業
  • 新宿区ひとり親世帯支援特別給付金
  • ひとり親家庭自立促進・生活向上支援事業
  • ひとり親家庭休養ホーム
  • 母子家庭等自立支援教育訓練給付金
  • 母子及び父子福祉資金
  • 令和4年度子育て世帯生活支援特別給付金

といった制度が用意されています。
どのような制度があり、自分が利用できるかどうかは、住んでいる市区町村の住民相談を利用してみてください。

国民年金保険料は産前産後期間には免除してもらえる

比較的新しい制度として、平成31年4月1日より、国民年金の納付については、産前産後期間の国民年金の免除の制度が定められていることを知っておきましょう。
出産日の3ヶ月前から6ヶ月間、国民年金保険料が免除してもらうことが可能です。
手続きは、出産予定日の6ヶ月前から届け出が可能で、手続きは最寄りの年金事務所に問い合わせてみてください。
参考:国民年金保険料の産前産後期間の免除制度|日本年金機構

借金返済ができない場合には?

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 借り換えやおまとめローンには厳しい審査があり返済が難しくなる状態では利用は難しい
  • 援助をしてもらうか債務整理をするのが現実的

妊娠をきっかけに収入が下がって借金返済ができない場合にはどうすればいいのでしょう?おまとめローンなんかは使えないのでしょうか?

借り換えやおまとめローンには銀行の厳しい審査があり、妊娠で返済が難しくなっているような状況では難しいでしょうね。代わりに払ってもらうことが難しいのであれば、債務整理をするのが現実的です。

妊娠や出産が原因で借金返済ができなくなった場合の対応方法について検討しましょう。

借り換え・おまとめローンの利用は無理

借金返済を楽にする手段として、借り換え・おまとめローンの利用が検討されます。
金利の高い消費者金融や信販会社からの借り入れを、金利の低い銀行の借り換えローン・おまとめローンで金利を低くすることで、返済が楽になることがあります。

しかし、これらのローンは審査が厳しく、返済が厳しくなっているような状態では、審査が下りないと考えるべきです。

夫や親兄弟に援助してもらう

返済ができない分を夫や親兄弟に援助をしてもらうことを検討しましょう。
一括で返済してもらえる場合は、一旦立て替えてもらって、立て替えてもらった分をあとで返済すれば、利息を負担しなくて良くなります。

債務整理をする

夫や親兄弟に話すことができない・援助を受けることができないのであれば、債務整理を検討しましょう。
多少なりとも払えるのであれば、任意整理や個人再生で支払っていく可能性がありますし、支払うための余裕が全くない場合には自己破産によって借金を免責してもらうのが望ましいです。
夫や親兄弟に内緒にできるかは、状況によりますので、早めに弁護士に相談するようにしてください。

まとめ

このページでは、妊娠・出産をきっかけに借金の支払いができなくなる場合についてお伝えしました。
妊娠・出産によってお金がかかる・収入が減るなどによって、借金の支払いができない場合があります。
返済ができない場合には早目に債務整理をするのがおすすめなので、弁護士に相談してみてください。