借金の金利に関する基礎知識と賢く返済する方法を知る
ざっくりポイント
  • 借金の利率には法律上の上限がある
  • 借金の返済計画のたてかた
  • 借金問題を弁護士に相談するメリット

目次

【Cross Talk】借金の利息はどうやって計算するの?

私は借金をしているのですが、返済を見直すにあたって金利をどれくらい払うのかを計算してみたいんですが、複雑すぎてよくわからなくなっています。

金利は元本に利率を掛けて計算します。利息の基本的なお話しと一緒に覚えていきましょう。

金利の計算は元本×利率。利息の計算の仕組みと利息の負担を減らして賢く返済をするための仕組みを知りましょう。

借金の返済がなかなか終わらない場合にまず知らなければならないのは金利です。金利は元本×利率で求めますが、利率は年利で計算するので、毎月の返済日にいくら支払うべきかの計算方法を知りましょう。完済への道のりを考えたときにはこの金利の負担をどうするか?という観点から対策をしていくことになります。

借金の利率(金利)と計算方法について解説

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 借金の利息の上限を決める法律がある

まず、金利についての基本的なことを教えてください。

金利については借り入れをしている元本×利率で計算をします。利率に関しての上限に関する法律の規定を知っておきましょう。

利率(金利)の制限とは

利率について、利息制限法・および出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)に規定されています。
利息制限法第1条によると

元本 利率(年利)
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

と利率の上限を定めており、この20%を超える利息の受け取りをすると出資法第5条2項によって刑事罰に処せられることになります。
参考までに、「トイチ」といわれる闇金融が受け取る利息は年利で365%となっています。

遅延損害金の制限とは

借金については利息の他に、返済が遅れた際に、遅れたことによる損害賠償として支払うべきことになっている遅延損害金というものもあります。
遅延損害金については利息制限法第4条において、第1条(上述の利息制限)の1.46倍まで受けとることができる旨定められています。

銀行系カードローンの場合

借金のうち銀行系カードローンの利率の上限は14%~15%程度になっています(銀行によって異なる)。
借金の元本額が50万円の場合で年利14%・30日で計算をすると、(50万円×14%)÷365×30=5,753円となります。

消費者金融系のカードローンの場合

消費者金融からの借り入れについては利率がこれよりも高く上限が16%~18%となっています(消費者金融によって異なる)。
同じく元本額が50万円の場合で年利16%・30日で計算をすると、(50万円×16%)÷365×30=6,575円となります。

借金返済にあたって把握しておくべき3つの事

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 借金返済にあたって借入先を正確に把握する
  • 現在の借金の総額を把握する
  • 収支のバランスを計算して返済可能な金額をきちんと計算する

借金返済をがんばろうと思うのですが、何からはじめればいいでしょうか?

まずは現状の把握をきちんと行いましょう。

借金返済を計画的に行う場合に、まず現状を把握するところからはじめます。
主に借入先と現在の債務総額の把握と、毎月の返済額をしっかり把握しましょう。

借入先と現在の債務総額の把握をする

まずは、どこから借り入れをしているか、どれくらいの額の借金をしているかを把握します。
どこから借り入れをしているかを把握できていないケースとしては、毎月引き落としで支払っているような場合です。
また、借金の返済を長期間行なっていると、毎月返済する金額は把握できていても、現在の債務総額がいくらになっているかを把握できていないような場合があります。
そのため、債務総額が残りいくらになっているかを確認します。
毎月返済をしている場合には、明細に残元金が載っています。
借入先・現在の債務総額がわからない場合には、信用情報の開示を請求して調べてみましょう。

毎月の返済額

毎月の返済についての計算をしましょう。、
毎月いくらの支払いをしているかは、現実に毎月いくらの返済をしているかを集計することで計算します。

借金返済の計画の立て方について解説

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 返済可能額を計算し、返済しきれない場合には早めに対策を練る
  • 利息を計算して完済までの期間を知る

現状を把握したあとはどのようなことを行えば良いですか?

返済可能な金額を把握したうえで、返済までの期間を確認し、返済計画を立てましょう。
借金の現状を確認したうえで借金返済の計画はどのように行なわれるのでしょうか。

収入支出から毎月の返済可能額を知る

まずは、収入・支出をきちんと把握し、毎月の返済可能額を知りましょう。
借金返済は基本、収入から支出を引いた額の中から行うのが理想です。
例えば、手取り月収が20万円あって、生活をするにあたって必要な支出が15万円あるような場合には、残り5万円までは返済に回せます。
しかし、毎月8万円返済しなければならない状況であれば、3万円はどこからか調達しなければならなくなります。

借金をして返済をしなければならない状況であればこの先借金が増えていくだけであることが明白で、対策を別途考えなければならないということになります。

利息を計算して完済までの期間を知る

元金から利息を計算して返済まで期間を確認しましょう。
毎月無理なく返済ができる額があるとして、その額をどの程度つづけなければならないかもきちんと把握しておくことは必須です。

これは、例えば小学生の子どもがおり、3年後には子供が中学生になって教育費がさらにかかるようになる場合、将来的に返済可能な金額が少なくなることがあるためです。
消費者金融や銀行系カードローン各社は借金返済のためのシミュレーションを提供していますので、それらを利用して今の返済がどれくらいの期間かかるかを確認しましょう。

借金返済をするうえでのポイント

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 支出の中でも固定費の見直しを行う
  • 利率の低い借り換え・おまとめローンの利用をすると利息の負担が減る
  • 債務整理で免責・減額・利息負担をカットする

毎月これだけの金利負担になっていると、やはり返済を上手にしないとダメだなと思っています。負担が減るような方法はどのようなものがありますか?

金融商品としては借り換えやおまとめローンといったものの利用が挙げられるようですが、返済に窮している場合には債務整理も検討しましょう。

例えば借金のほとんどが消費者金融からで、金利の負担が大変で、返済しても返済しても借金がなかなか減らない…ということもあるでしょう。賢く返済負担をおさえるためには金利負担をどうおさえるかという事になるのですが、それにはどのような方法があるのでしょうか。

減らせる固定費がないか確認する

借金の利息は元本が減らないと減りません。
ということはたくさん返済にまわしたほうが、トータルで支払う利息も少なくなります。
支払う額を増やすためには収入を増やすか支出をおさえることが必須です。
その中でも支出の中で毎月必ず出ていくお金である固定費を減らせないかは確認しましょう。

固定費は毎月かならず出ていくものなので、一つ一つは少なくても、長い目で見れば大きな金額になることがあります。
固定費の削減は家計を長期的に改善する効果が見込まれます。
高い賃貸物件に住んでいる場合には、すこし狭い・都心から離れた郊外に引っ越すことによって安い賃貸物件に乗り換えることで固定費をへらすことができます。
あまり利用していないジムがある、格安スマホに乗り換えるなど、大きなものから小さなものまで、固定費を削減してみましょう。

金利の高い借入先から優先的に返済する

何件か借金がある場合には、金利の高い借入先から優先的に返済しましょう。
同じ30万円の借入がある場合に、銀行と消費者金融では大きく利息が異なる場合があり、金利の高い消費者金融への借入が残っているとその分多くの利息がかかります。
金利の高い借入先から優先的に完済していく計画をたてるのが良いでしょう。

繰り上げ返済を利用する

まず、繰り上げ返済の利用が考えられます。繰り上げ返済によって返済された金額は、全て元本の返済に充てられます。上記のように金利は元本×利率で計算をすることになるので、繰り上げ返済によって元本が減れば金利も減ります。

おまとめローンを利用する

借入がほぼ消費者金融や信販会社であるような場合には上記のように利率が高いため金利負担が大きい場合が多いです。これらの借入を安い銀行系ローンに移すことができれば利率が下がるため、金利の負担が減ります。
借入が1社である場合には借り換え、複数の借入があるような場合にはおまとめローン(一本化)という方法で銀行系の低い利率のところからの借入を行って利率の高い借入を返済してしまい、以後は利率の低い借入先への返済のみを行うことによって金利の負担を減らす方法が考えられます。
おまとめローンや借り換えについては

借金の借り換えとは?リスクとポイントを解説
こちらの記事も参考にしてください。

債務整理をする

繰上げ返済やおまとめローンは、いずれも支払いをすることを前提とする手続きで、借金返済に悩んでいる方の中には、返済にかなり窮している状態の方も多いと思います。
そのような場合には債務整理という手段も検討に入れるようにしてください。
債務整理は借金返済に困ったときに法律的な手段でやりなおしをサポートするもので、自己破産・個人再生・任意整理といった個別の手段があります。

自己破産では元本も含めた返済が免責されますし、個人再生では返済額を圧縮して返済を、任意整理では利息の負担をカットして元本のみの返済になるなど、返済が大幅に楽になる手続きです。自己破産、個人再生、任意整理にはそれぞれにメリット、デメリットがありますので、自分に合った手続きを採るため、専門家に相談するのが良いでしょう。

借金返済中の注意点

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • クレジットカードの利用をする場合の注意
  • リボ払いの利用をしない

借金返済中はどのような注意が必要ですか?

クレジットカードを使う場合に注意することと、リボ払いの利用しないようにしましょう。

借金返済中にはどのような注意点があるでしょうか。

クレジットカードの利用には気を付ける

買い物をする際にクレジットカードの利用には気をつけるようにしましょう。
クレジットカードはお釣りが出ない・財布の中に現金がなくても利用できる・ポイントが溜まれば商品や金券と交換できるなど、便利・お得であるという側面はあります。
しかし、後から支払うという性質上、その場で買い物をしている感覚に欠けてしまい、ついつい使ってしまいがちです。

クレジットカードの利用は、インターネットでお得な買い物をする場合のみ利用したり、きちんと詳細を利用しながら利用するなど、ついつい使いすぎてしまわないように注意をしましょう。

リボ払いをしないようにする

消費者金融や、クレジットカードの支払い方法について、リボ払いという支払い方法があります。
一括や数回の分割で返済をする予定が、支払いが厳しいので後からリボ払いに変更することなどができるので、ついつい利用しがちです。

リボ払いには毎月支払う額が一定となり、家計を管理しやすいというメリットもあるのは事実です。
しかし、便利であるためついつい使いすぎてしまい、大部分が利息の返済にあてられているにもかかわらず、本人は返済をしているつもりでいるためどんどん利用してしまうということがあります。
その結果、あっという間に限度額まで使い、返済に苦しめられることになります。
リボ払いは、やむを得ない場合以外には使わないようにしましょう。

借金問題を専門家に相談するメリット

知っておきたい借金(債務)整理のポイント
  • 専門家に依頼すると法律的なサポートのみならず心理的なサポートも受けられる
  • 借金問題に苦しむことになるとどのような状態になるかを知る

借金問題について専門家に相談することも検討しているのですが、弁護士に債務整理を相談・依頼するとどのようなメリットがありますか?

弁護士に借金問題を相談してくだされば、返済に関する見通しについてアドバイスを受け適切な手続きを提案することが可能になります。依頼によって法的なサポートは当然の事ながら、返済のために精神的な負担になっている状態を軽くすることが可能になりますよ。

借金の返済に困っているときに債務整理をすることの検討をするにあたって、債務整理の相談・依頼を専門家に行うとどのようなメリットがあるのかを知りましょう。

法的なサポート・アドバイスを受けられること

弁護士や司法書士に依頼するメリットとして、法的なサポート、アドバイスを受けられることが挙げられます。借金問題・債務整理については国家資格を持っている弁護士・司法書士が専門家として対応しています。借金問題にどのような対応が必要か、債務整理が必要かについては、借金がいくらだったら債務整理をしなければならない、などの決まりがあるわけではなく、借金の額と返済能力の関係で決まります。

頑張って支払いをしている状況だと客観的に自分の状況を見ることができませんので、法律相談をすれば、客観的に今借金に対してどのような手を打つことが必要かのアドバイスを受けることができます。正式に依頼をすれば、債務整理の各手続きに関する法的なサポートを受けることはもちろん、次のように精神的なサポートを受けることも可能になります。

弁護士や司法書士に依頼することで、精神的負担が軽くなること

弁護士や司法書士に依頼すれば、本人への督促が来なくなることなどによって、精神的な負担を軽くすることもできます。もし、弁護士や司法書士に依頼せず、借金問題を抱えたまま毎月の支払いに窮した状態だと、借金返済が生活の中心になってしまい、生活に余裕がなくなります。子どもが居る家庭では子どもの教育に費用をかけられなくなる、レジャーなど家族団らんの時間がなくなるといった事にもなります。

さらに借金問題が深刻になって、毎月の返済ができなくなる状態に陥ると、精神的なダメージも大きくなってしまいます。実際、多くの自殺者が経済的な理由で自殺に至っている現実もあります。専門家に債務整理を正式に依頼すると、返済を一旦ストップすることができ、本人に直接連絡ができなくなるので督促も来なくなります。
無理をした経済状態を見直すことができ、精神的な負担を大きく取り除くことも可能になるという事を知っておいてください。

まとめ

このページでは、借金の利息などについての基本的な知識と、それをふまえた借金返済方法についてお伝えしてきました。
貸金業者から借金をするとどうしても利息がかかり、無意識に利用しているとあっという間に利息ばかりを払う生活になりかねません。
利息の仕組みを知ったうえで、しっかりとした返済計画をたてて、早めに借金返済を終えるようにしましょう。
自力での返済が難しいと感じる場合には、なるべく早い段階で弁護士に債務整理の相談をすることが望ましいといえます。