弁護士法人 東京新宿法律事務所(所在地:東京都新宿区、代表弁護士:中村 得郎、第二東京弁護士会所属)は、遺言書を作成したことがない60歳以上の男女300名を対象に、「遺言書のイメージと心理的ハードル」に関する調査を実施しました。


<背景>

遺言書は、相続に関する意思を本人の言葉で残し、家族間の意見の食い違いや関係悪化を予防するための重要な手段とされています。一方で、実際に作成へ踏み出す方はまだ多くなく、その背景には、費用や手続きといった“情報・仕組み”の課題だけでなく、自分ごととして向き合うことへの心理的なハードルもあると考えられます。そこで今回は、遺言書に対するイメージや作成への前向き度合い、未作成の理由、求める情報・仕組み、期待する効果を調査しました。


<調査サマリー>

・遺言書のイメージは「特にイメージがわかない・よくわからない」が28.3%で最多

・自分が遺言書を作成することへの前向き度合いは「近いうちに作成したい」が5.0%にとどまる

・未作成の理由は「作成を考えるきっかけがまだ訪れていない」が24.0%で最多

・作成しやすくする条件は「書き方や手順がわかりやすく案内されていること」が21.3%で最多、一方で「情報や仕組みが整っても作成しない」も24.3%

・期待する効果は「特に期待する効果はない」が30.0%で最多、次いで「家族が相続で困らずに済む」が24.7%


<調査概要>

調査期間:2026年6月17日〜2026年6月19日

調査方法:インターネット調査

調査対象:遺言書を作成したことがない60歳以上の男女

サンプル数:300



遺言書のイメージは「特にイメージがわかない・よくわからない」が28.3%で最多



「自分が遺言書を書く」と考えたときに最も近いイメージとして、「特にイメージがわかない・よくわからない」が28.3%で最多となりました。次いで「健康なうちは必要性を感じにくい」が24.7%、「家族のための備えになる」が22.7%、「手間や手続きが大変そう」が16.7%、「自分の死を意識してためらう」が7.7%となっています。


「家族のための備えになる」と肯定的に捉える回答は22.7%にとどまり、「イメージがわかない」「必要性を感じにくい」など、遺言書を自分自身に引き寄せて具体的に思い描けていない層も一定数みられました。



自分が遺言書を作成することへの前向き度合いは「近いうちに作成したい」が5.0%にとどまる



現時点で、自分が遺言書を作成することへの前向き度合いについては、「当分は考えていない」が31.3%で最多となりました。次いで「いずれは作成したい」が27.3%、「どちらともいえない」が19.3%、「作成するつもりはない」が17.0%、「近いうちに作成したい」が5.0%と続いています。


前向きにとらえる「近いうちに作成したい」「いずれは作成したい」を合わせると32.3%となる一方、「近いうちに」と回答した層は5.0%にとどまりました。「当分は考えていない」「作成するつもりはない」を合わせた消極的な回答は48.3%を占めており、現時点では作成に踏み出していない層が多いことがうかがえます。



未作成の理由は「作成を考えるきっかけがまだ訪れていない」が24.0%で最多



自分の遺言書を「まだ作成していない」理由としては、「作成を考えるきっかけがまだ訪れていない」が24.0%で最多となりました。次いで「特にきっかけがなく、なんとなく先延ばしにしている」が21.3%、「健康面の不安など、差し迫った事情がまだない」が13.0%、「何から始めればよいか、最初の一歩がわからない」が10.3%、「何となく気が進まず、向き合うのを避けている」が9.7%と続きます。


上位の項目はいずれも「きっかけ」や「差し迫った事情」の不足に関するものであり、手続きの難しさや時間のなさそのものよりも、作成に向き合う具体的な契機が訪れていないことが、未作成の主要な要因になっているとみられます。



作成しやすくする条件は「書き方や手順がわかりやすく案内されていること」が21.3%で最多、一方で「情報や仕組みが整っても作成しない」も24.3%



費用・手順・サポートなど「情報や仕組みの面」でどのようなものが用意されれば作成しやすいかについては、「情報や仕組みが整っても作成しないと思う」が24.3%で最多となりました。次いで「書き方や手順がわかりやすく案内されていること」が21.3%、「一度作れば後から簡単に修正・更新できる仕組みがあること」が14.3%、「オンラインなど自宅から手軽に進められる手段があること」が10.0%、「弁護士・税理士など専門家に気軽に相談できる窓口があること」が8.0%となっています。


情報や仕組みの整備が作成のしやすさにつながると感じる層がみられる一方、約4人に1人は「整っても作成しない」と回答しており、情報の充実だけでは行動に結びつかない層も一定数存在することがうかがえます。



期待する効果は「特に期待する効果はない」が30.0%で最多、次いで「家族が相続で困らずに済む」が24.7%



もし自分の遺言書を作成するとしたら期待する効果や安心感については、「特に期待する効果はない」が30.0%で最多となりました。次いで「家族が相続で困らずに済む」が24.7%、「自分の意思(誰に何をのこすか)を確実に反映できる」が14.0%、「相続の手続きが家族にとってスムーズになる」が11.0%、「『やるべきことを済ませた』という自分自身の安心感が得られる」が8.0%、「家族間で財産の分け方をめぐる意見の食い違いを防げる」が5.0%となっています。


期待する効果として家族への配慮や意思の反映に関する項目が上位に挙がる一方、「特に期待する効果はない」が約3割を占めており、遺言書を作成する意義そのものが具体化されていない層も少なくない結果となりました。



まとめ

今回の調査では、自分が遺言書を書くイメージとして「特にイメージがわかない・よくわからない」が28.3%で最多となり、「近いうちに作成したい」と回答した層は5.0%にとどまりました。未作成の理由としては「きっかけがまだ訪れていない」「なんとなく先延ばしにしている」などが上位に挙がり、求められる情報や仕組みは「書き方や手順のわかりやすい案内」が最多となる一方で、24.3%は「整っても作成しない」と回答しています。期待する効果としては「家族が相続で困らずに済む」など家族への配慮に関する項目が上位に挙がった一方、「特に期待する効果はない」も3割にのぼりました。遺言書の作成は、内容や手続きの難しさそのものよりも、自分ごととして向き合うきっかけや意義の実感が得られにくいこと自体が、心理的なハードルになっている可能性が考えられます。


東京新宿法律事務所では、遺言書の作成や相続全般に関するご相談を承っております。初回相談は無料で、状況に応じた進め方をご案内します。遺言書の作成や生前対策などを早い段階から整理したい方は、お気軽にご相談ください。

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