株式・投資信託相続手続きの流れについて確認しましょう
株式は金融資産として証券口座から購入する場合と、会社のオーナーなどが出資をして取得する場合があります。
ポイント
- 証券口座を通じて購入した株式の相続は同じ証券会社に口座を開いて、そこに移管する
- 会社に出資した株式の相続は会社に対して名義変更の手続きを行う
- 投資信託を相続した場合は投資信託の口座を凍結したうえで、相続人の口座に移管される
目次
1.株式・投資信託相続手続きの流れ
株式は金融資産として証券口座から購入する場合と、会社のオーナーなどが出資をして取得する場合があります。
投資家から集めたお金で株式や債券を運用する投資信託がある場合も含めて株式を保有している場合の手続きは次の通りです。
証券口座を通じて購入した株式の相続
証券口座を通じて購入した場合には、遺産分割によって相続人となる方を決定して、その相続人が同じ証券会社に口座を開いて、そこに移管します。
会社に出資した株式の相続
会社に直接出資して取得した株式を相続する場合には、会社に株主名簿の名義変更をしてもらうことになります。
そのため会社に対して名義変更の手続きを行います。
なお、譲渡制限会社においては、相続で株式を取得した方に対して株式を売り渡すことができる株式売渡請求権を行使することがあります(会社法174条)。
投資信託を相続した場合
投資信託も財産的価値があるので、相続の対象になります。
被相続人が亡くなった段階で証券会社に連絡をして投資信託の口座を凍結したうえで、相続人の口座に移管されます。
2.必要書類
それぞれの手続で必要な書類は次の通りです。
証券会社を通して取得した株式の相続手続の必要書類
- 被相続人・相続人の戸籍謄本
- 相続人全員の住民票
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑証明書
- 証券会社が指定する書類
→証券会社によって異なるので確認しましょう。
以上を提出します。
なお、遺言書の内容に従って取得した場合には、遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書・相続人の戸籍謄本・住民票は不要で、遺言書(検認がひつような場合には検認証書・検認済証明書も併せて必要)と受遺者の印鑑証明書を提出します。
会社に出資して取得した株式の相続手続の必要書類
会社に出資して取得した株式の相続手続に必要な書類は、会社によって異なります。
被相続人の戸籍謄本は必ず必要になるのですが、あとの書類は遺言書の有無や、会社の内部の手続きによってそれぞれ違います。
そのため、保有している会社に直接確認してみましょう。
投資信託を相続した場合の必要書類
- 相続人・被相続人の戸籍謄本
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑登録証明書
- 証券会社が指定する書類
→証券会社ごとに異なるので問い合わせましょう。
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