
弁護士法人 東京新宿法律事務所(所在地:東京都新宿区、代表弁護士:中村 得郎、第二東京弁護士会所属)は、45歳〜70歳で相続に関する家族会議を行ったことがある方を対象に、「相続の家族会議」に関する調査を実施しました。
<背景>
相続をめぐる意見の食い違いは、財産の総額そのものよりも、情報共有の不足や進め方の認識のずれから生じやすいと考えられます。その予防策の一つが、家族や親族で事前・事後に話し合う「家族会議」です。そこで今回は、実際に相続の家族会議を行った方を対象に、実施の時期や満足度、得られた効果、そして「より良い家族会議」のための工夫を探りました。
<調査サマリー>
・家族会議の実施時期は「相続発生後に1回だけ」が38.3%で最多、生前の実施は15.7%にとどまる
・家族会議の進め方・内容に「満足」は62.7%、「不満」は8.7%にとどまる
・話し合えて良かったテーマは「財産の全体像の見える化」が36.7%で最多、「被相続人の意向・希望の共有」が25.7%で続く
・家族会議の効果は「相続手続きがスムーズに進んだ」が39.3%で最多、約8割が何らかの効果を実感
・より良い家族会議に有効なのは「相続後に続く負担まで含めた方針決め」24.0%、「情報の見える化」23.0%が上位
<調査概要>
調査期間:2026年5月13日〜2026年5月15日
調査方法:インターネット調査
調査対象:45歳〜70歳で、相続に関して家族会議を行ったことがある方
サンプル数:300
家族会議の実施時期は「相続発生後に1回だけ」が38.3%で最多、生前の実施は15.7%にとどまる

相続に関する家族会議を「いつ・何回行ったか」については、「相続発生後に、1回だけ行った」が38.3%で最も多く、「相続発生後に、複数回行った」が26.7%、「必要が生じたタイミングで、その都度行った」が19.3%で続きました。
一方、被相続人の生前に行ったケースは、「生前から複数回計画的に」8.0%と「生前に1回だけ」7.7%を合わせて15.7%にとどまりました。多くの家族会議が相続発生後に行われており、生前から準備として話し合う家庭は少数派であることがうかがえます。
家族会議の進め方・内容に「満足」は62.7%、「不満」は8.7%にとどまる

家族会議の進め方・内容への満足度については、「とても満足している」29.7%と「やや満足している」33.0%を合わせて62.7%が満足と回答しました。「どちらともいえない」は28.7%、「やや不満が残っている」5.3%・「とても不満が残っている」3.3%を合わせた不満は8.7%にとどまっています。
家族会議を実施した方の多くが一定の手応えを感じている一方、「どちらともいえない」も3割近くみられ、進め方や内容に改善の余地が残るケースもあることがうかがえます。
話し合えて良かったテーマは「財産の全体像の見える化」が36.7%で最多、「被相続人の意向・希望の共有」が25.7%で続く

家族会議で「話し合えて特に良かった」と感じたテーマは、「財産の全体像(不動産・預貯金・負債など)の見える化」が36.7%で最多となりました。次いで「被相続人の意向・希望の共有」が25.7%、「実家・墓・費用など相続後に続く負担の整理」が10.7%で続いています。
財産の全体像や被相続人の意向といった“前提のすり合わせ”が、話し合いの納得感につながりやすいと考えられます。
家族会議の効果は「相続手続きがスムーズに進んだ」が39.3%で最多、約8割が何らかの効果を実感

家族会議が意見衝突や関係悪化の予防にもたらした効果については、「相続手続きがスムーズに進んだ」が39.3%で最多となりました。次いで「深刻な意見衝突を未然に防ぐことができた」が14.7%、「小さな意見の食い違いを早めに解消できた」が12.0%となっています。これらを含め、何らかの効果を実感した回答は合計78.7%にのぼりました。
一方で、「特に効果は感じられなかった」が5.0%、「かえって親族関係がぎくしゃくした場面があった」が5.7%もみられ、進め方によっては期待した効果につながらない場合もあることがうかがえます。
より良い家族会議に有効なのは「相続後に続く負担まで含めた方針決め」24.0%、「情報の見える化」23.0%が上位

振り返って「家族会議をより良い形にするために有効だった/有効だと思う取り組み」については、「相続後に続く負担(実家・墓・費用等)まで含めて方針を決めること」が24.0%で最多となりました。次いで「財産目録など情報を見える化して、同じ前提で話すこと」が23.0%、「被相続人の生前から、計画的に複数回の家族会議を行うこと」が19.7%で続いています。
相続後まで見据えた方針決めや情報の見える化、生前からの計画的な対話が、家族会議の質を高めるポイントになる可能性があります。
まとめ
今回の調査では、相続に関する家族会議の多くが相続発生後に行われており、生前のうちに実施したケースは15.7%にとどまりました。一方で、進め方・内容には62.7%が満足し、約8割が手続きの円滑化や意見衝突の予防など、何らかの効果を実感しています。話し合えて良かったテーマとしては「財産の全体像の見える化」「被相続人の意向の共有」が上位に挙がり、より良い家族会議のためには「相続後に続く負担まで含めた方針決め」や「情報の見える化」が有効と受け止められていました。生前からの計画的な対話と、財産や負担に関する情報のすり合わせが、相続をめぐる意見の食い違いの予防や負担軽減につながりそうです。
東京新宿法律事務所では、相続に関するご相談を承っております。初回相談は無料で、状況に応じた進め方をご案内します。遺産分割協議や相続人間の調整など、複雑になりやすい相続について、早い段階から整理を進めたい方は、お気軽にご相談ください。


