死後事務委任契約の受任者は、委託者が死亡した後にどのようなことをすべきなのでしょうか。

死後事務委任契約でどのようなことを定めるかによって必要となる手続きは異なるのですが、一般的な死後事務委任契約によると、次のような流れで手続きを行います。


STEP 01

親族・知人などへの連絡

親族・知人などへの連絡を行います。

亡くなったことを知らせるほか、相続人や各種届出をしなければならない遺族には、死後事務委任契約を受任していることも併せて伝えます。

STEP 02

市区町村役場への死亡届の提出

市区町村役場に死亡届を提出します。

人が亡くなると、死亡の事実を知った日から7日以内に死亡届の提出をしなければなりません(戸籍法86条)。

死後事務委任契約で依頼を受けていた場合には、死亡届を提出します。

死亡届には死亡を確認した医師が発行する死亡診断書(or死体検案書)を添付する必要があり、死亡届はこれらの書類と一体になっています(A3用紙の右側が死亡診断書で左側が死亡届になっています)。

STEP 03

葬儀・火葬・埋葬の手続き

次に葬儀・火葬・埋葬の手続きを行います。

死後事務委任契約の中で葬儀の方法の指定がある場合には、指定された方法に従います。

火葬を行った後は埋葬の手続きも行います。

先祖代々の墓に納骨する・永代供養の手続きを行うなど、本人が指定した方式に従って手続きを行います。

STEP 04

死後の行政への届出・契約しているサービスを解約

行政への届出などの手続きや、契約しているサービスの解約などを行います。

行政への届出としては、

●健康保険※

●国民年金等

●所得税の準確定申告

●住民税・固定資産税の支払い


契約しているサービスの解約については、

●電気

●ガス

●水道

●インターネット

●固定電話・携帯電話

●フィットネスジム・サブスクリプションなどの各種継続的なサービス

など、依頼者が契約しているものすべてを指します。

なお、電気・ガス・水道などについては、退去などの必要に応じて行うようにしましょう。


※死亡時における健康保険の届出に関しては、従業員の場合は勤務先が行い、それ以外の場合は受任者が行います。

STEP 05

勤務先の退職手続きなど

委託者が従業員として働いている場合には、退職などの手続きを行います。

会社で使用している社員証や鍵・入館パスなどとともに、健康保険証を返却します。

年末調整が必要な場合には遺族から源泉徴収票を預かり、手続きを行います。

STEP 06

賃貸住宅等の退去の手続きや遺品整理

賃貸住宅やケアハウスなどの各種施設に入居していた場合には、退去手続きを行います。

物件に依頼者の所有物が残っている場合には、遺品整理を行うこともあります。

遺族がいる場合、遺品は相続人の所有物になるので、売却や処分をするにあたっては相続人にきちんと確認するようにしましょう。

STEP 07

デジタル遺品の整理

昨今問題になっているのがデジタル遺品です。

デジタル遺品とは、個人のパソコンやスマートフォンなどの端末の中にある写真などの情報や、SNSアカウントなどのことを言います。

委任契約の内容にあるときには、これらの整理を行います。

場合によってはパスワードなどがわからず、ログインできなくなることがあります。

スマートフォンや携帯電話番号を使ったSMS認証が必要となることもあるので、携帯電話の解約を慎重に行うようにしましょう。

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死後事務委任に関するよくある質問

死後に発生する事務手続きを任せておけるので、独身の高齢者、子がおらず配偶者がお互いに高齢である方、子供が独立しており遠方で手続きが難しい方、などに向いています。
また、ご自身の用意した費用で、希望の方法でお手続きを行うため、相続人へ負担をかけたくない方にも向いております。
成年後見人の業務は本人が存命中のもので、本人が亡くなった後は相続人に引き継いで裁判所に報告する権限しかありません。この権限では死後事務の委任はできないので、別契約として死後事務委任契約を結ぶ必要があります。
死後事務委任契約は、当事者間で契約をする必要があります。そのため、本人が意思表示できる間に行う必要があります。
死後事務委任契約自体は死後に効力を発揮します。財産管理や認知症等の不安がある場合には任意後見契約も同時に結んでおきましょう。
身寄りの無い方について公衆衛生の観点から火葬のみが可能となっています。建物の退去のための費用や遺品整理などは含まれません。

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