相続手続きに必要となる書類とは?
ざっくりポイント
  • 相続手続きに必要となる書類とは?
  • 遺言書がある場合とない場合で必要書類は異なる
  • 相続手続きの種類に応じて必要となる書類は異なる
目次

【Cross Talk】相続手続きの際に必要となる書類はどのようなものですか?

最近、父親が亡くなり相続手続きをしなければならないのですが、どのような書類が必要となるのか全然わかりません。

相続手続き全般に共通している必要書類と、手続き別に必要となる書類があります。

相続手続きの必要書類について、詳しく教えてください。

相続手続きに必要となる書類は手続きによって異なる

相続の手続きを行うためには、様々な書類が必要となります。各手続きにおいて、被相続人と相続人の関係を示す書類や、遺言書や遺産分割協議書の提出を求められます。また、不動産や預金債権など相続した財産に応じて、手続きに必要となる書類は異なっていきます。この記事では、相続手続きの一般的な必要書類や、手続き別に必要となる書類などについて、弁護士が解説していきます。

相続手続きの必要書類とは?

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続手続きで必要となる書類とは?

相続手続きで一般的に必要となる書類はどのようなものなのでしょうか?

ここでは、相続手続きで必要となる書類一覧を解説します。

遺産相続の手続きを進めるには、様々な書類を準備する必要があります。以下は、代表的な相続手続きで求められる書類の一覧です。

・戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本(相続関係の確認に必要)
・住民票・戸籍の附票(被相続人の住所や相続人の身分証明)
・印鑑証明書(遺産分割協議の際に実印の確認に使用)
・不動産登記簿謄本(不動産を相続する際の登記変更に必要)
・固定資産評価証明書(不動産の相続税評価額を算出するための書類)
・金融資産の残高証明書(預貯金や証券などの金融資産の額を確認)
・遺産分割協議書(相続人全員が合意した財産の分配内容を記録)
・遺言書の検認済み証明書(手書きの遺言書の内容を正式に確認するため)
・家庭裁判所の審判書(相続に関する裁判手続きが行われた場合に必要)

なお、家族であっても、相続手続きの必要書類を本人以外の方が取得する際には、本人の委任状が求められるのが一般的です。相続手続きをスムーズに進めるためには、弁護士に依頼することで、手間を省き、正確な書類を確実に準備することが可能となります。

相続関係を証明するための必要書類

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続関係を確認するために必要となる書類とは?
  • 被相続人と相続人に関する戸籍が必要

相続関係を確認するために必要となる書類には、どのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、亡くなった方と相続人の関係を証明するために必要となる書類について解説していきます。

相続手続きを進めるためには、相続人を確定し、被相続人(亡くなった人)との関係を証明する必要があります。そのために、様々な書類を揃える必要があります。ここでは、被相続人に関する必要書類、相続人に関する必要書類などについて詳しく解説します。

被相続人に関する必要書類

相続手続きでは、被相続人の身分関係を確認するために、以下の書類を取得する必要があります。

■被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのもの):
相続人の有無を確認するためには、被相続人の 出生から死亡までの全ての戸籍謄本を取得する必要があります。これにより、認知された子どもや前婚の配偶者との間に生まれた子どもなど、隠れた相続人がいないかどうかを確かめることができます。

■被相続人の住民票の除票または戸籍の附票:
住民票の除票や戸籍の附票は、相続財産である不動産の登記簿記載の住所と、被相続人の最終住所が一致しているかどうかを確認するために必要となります。

相続人に関する必要書類

相続人が正式に相続手続きを進めるために、以下の書類の提出を求められることが一般的です。

■相続人の戸籍謄本:
相続手続きでは、相続人全員の戸籍謄本が必要になります。これにより、被相続人との関係や相続人が現在も生存していることを証明し、相続権を確認することができます。

■相続放棄受理証明書(相続放棄をした人がいる場合):
相続人の中に相続放棄をした方がいる場合は、その事実を証明するために 相続放棄受理証明書を用意する必要があります。この書類は、相続放棄をした本人が取得して他の相続人に送付することもできますが、家庭裁判所に請求すれば、他の相続人が取り寄せることも可能です。

相続関係説明図とは?

相続関係説明図は、被相続人と相続人の関係を一目で分かるように図式化したものです。相続手続きでは、多くの金融機関や不動産の登記などで被相続人と相続人の関係を証明する必要があります。
そして、相続関係説明図を作成することで、戸籍謄本の原本還付が認められ、手続きがスムーズになる可能性があります。なお、相続関係説明図は自分で作成することもできますが、作成方法がわからない・不安がある場合には、弁護士などの専門家に依頼することで、正確かつ適切な相続関係説明図を作成してもらうことができます。

 

似たようなものとして、法務局で手続きをする法定相続情報一覧図というものがあります。これは必要書類を法務局に提出することで、法務局が法定相続情報一覧図を作成し、その内容を証明してくれるものです。そのため、複数の金融機関で手続きをする際に、この法定相続情報を提出することで、金融機関ごとに戸籍一式を用意しなくても手続きをすることができ、便利なものとなっています。

遺言書がある場合

知っておきたい相続問題のポイント
  • 遺言書がある場合の必要書類とは?
  • 遺言書がない場合の必要書類とは?

遺言書がある場合とない場合で必要書類は異なってくるのでしょうか?

ここでは、遺言書がある場合とない場合の必要書類について解説していきます。

遺言書がある場合

遺言書がある場合に必要となる書類は、以下の通りです。

■遺言書:
遺言書には、以下の3種類があります。
・自筆証書遺言:財産目録を除き、全文を遺言者本人が自筆で作成する遺言書
・公正証書遺言:公証人が関与し、公証役場で作成する公正証書の形をとる遺言書
・秘密証書遺言:遺言内容を秘密にしたまま、公証人と証人の前で手続きをする遺言書

■検認済証明書(検認を受けた場合)
自筆証書遺言や秘密証書遺言は、家庭裁判所の検認を受ける必要があります。
検認手続きが完了すると、裁判所から検認済証明書を発行してもらうことが可能です。自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合、この証明書がないと、その後の遺産分割の手続ができないため、重要な書類です。
なお、公正証書遺言の場合は、この検認手続きは不要です。

遺言書がない場合

遺言書がない場合、相続人らで遺産分割協議書を作成する必要があります。

■遺産分割協議書:
遺言書が存在しない場合、相続人の間で遺産分割協議を行い、その内容を遺産分割協議書に記載する必要があります。遺産分割協議書とは、相続人全員で合意した遺産分割の内容を記載する書類です。
遺言書がない場合や遺言とは異なる遺産分割をする場合、遺産分割協議書がなければ、以下のような遺産分割の手続きを行うことができません。

・銀行口座の名義変更や解約手続き
・不動産の相続登記(名義変更) ・相続税の申告

なお、不動産の相続登記につき法定相続分に応じた共有名義とする名義変更や、相続税の未分割申告であれば、遺産分割協議がなくとも手続きをすること自体はできますが、これだけでは相続手続きが解決・終了したことにはならないのでご注意ください。

■相続人全員の印鑑証明書:
遺産分割協議書を作成する際には、相続人全員の印鑑証明書を添付するのが原則です。これは、協議書に押印された印鑑が実印であることを証明するためです。
ただし、相続人が1人だけの場合や遺言書がある場合には不要となることがあります。

相続手続きによって必要となる書類は異なる

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続手続きに応じて必要書類は異なる
  • 預金口座の解約、登記変更、相続税申告の必要書類とは?

上記以外で相続手続きに必要となる書類はあるのでしょうか?

以下では相続に関連する3つのよくある手続きの必要書類について解説していきます。

預金口座を解約するための必要書類

預金口座の名義人が亡くなった場合、勝手にお金が引き落とされないようにするため、銀行は預金口座を凍結します。
凍結された預金口座を解約して遺産を相続するためには、戸籍謄本や印鑑証明書等の一般的な必要書類のほかに、「各金融機関所定の届出書」の提出が必要となります。届出書は、手続きをする金融機関の窓口等で取得することができます。事前に金融機関の公式ホームページなどで手続きについて調べておくようにしましょう。

不動産登記を変更するための必要書類

相続した不動産の名義変更をするためには、戸籍謄本・除籍謄本、住民票・除票などの一般的な必要書類のほかに、「固定資産評価証明書」が必要となります。固定資産評価証明書は、不動産が所在する市区町村の役所や市税事務所で発行されます。

また、不動産の登記名義を変更するためには、登記申請書を作成して提出する必要があります。相続登記をする際にはご自身で作成しなければなりませんが、弁護士などの専門家に依頼した場合には、代理人に作成してもらうことができます。

相続税を申告するための必要書類

相続税の申告をするためには、一般的な必要書類の提出や申告書を作成する必要がありますが、財産別に必要となる添付書類が異なります。

土地建物を相続する際の必要書類 登記簿謄本、固定資産評価証明書、名寄帳(固定資産課税台帳)、住宅地図、賃貸借契約書、路線価図・倍率表など
現金・預金を相続する際の必要書類 残高証明書、既経過利息計算書、通帳の写し・預金取引履歴など
有価証券を相続する際の必要書類 取引残高報告書、配当金支払通知書など
生命保険や死亡保険金を相続する場合の必要書類 死亡保険金支払通知書、生命保険証書、解約返戻金がわかる資料など

まとめ

相続手続きをするためには、様々な書類が必要となります。相続関係を確認するためには、被相続人と相続人の戸籍謄本を取得する必要があります。遺言がある場合には遺言書や検認済証明書が、遺産分割をした場合には遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書が必要となります。

また、相続した財産によって、相続手続きに必要となる書類は異なります。ご自身で書類を収集して、手続きを進めるのに不安がある方は、弁護士に依頼するのが良いでしょう。
当事務所には、相続手続きに精通した弁護士が在籍しておりますので、相続の手続きや書類が分からずお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

弁護士 手柴 正行第二東京弁護士会 / 第二東京弁護士会 法教育委員会委員
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