
- 遺留分は遺言書に優先する?
- 遺言書で遺留分が侵害された場合の対処法とは?
- 遺言書で遺留分を侵害された場合は弁護士に相談すべき
【Cross Talk】遺言書で遺留分を侵害されたらどうすればいいのでしょうか?
遺言書で遺留分を侵害された場合はどうすればいいのでしょうか?
遺言書が有効な場合、遺留分侵害額請求を行うことになります。
遺留分と遺言書について、詳しく教えてください。
親族が亡くなっても遺言書が残されていればスムーズに相続が進むと思われるかもしれません。しかし、遺言書の内容によっては、特定の相続人の遺留分を侵害し、かえってトラブルの原因となることがあります。遺言書は故人の意思を尊重するものですが、遺留分は法律で保障された権利です。両者の関係を正しく理解しないと、思わぬ争いに巻き込まれる可能性があります。この記事では、遺留分と遺言書の関係、そして遺留分を侵害された場合の対処法について弁護士が解説していきます。
遺留分は遺言書に優先する?

- 遺留分とは?
- 遺言とは?
- 遺留分は遺言に優先する?
遺留分と遺言はどちらが優先されるのでしょうか?
遺言によっても遺留分を侵害することはできません。
遺留分とは?
遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の特定の法定相続人に保障された、最低限の遺産の取得分を指します。たとえ被相続人が遺言で特定の相続人の取り分を極端に少なく指定していたとしても、遺留分を持つ相続人は法的に保障された取り分を請求できます。遺留分は、遺言によっても奪うことができない相続人の強い権利です。
遺留分が認められるのは、被相続人の配偶者、子ども、そして直系尊属(親や祖父母など)です。兄弟姉妹には遺留分がありません。遺留分の具体的な金額は、「遺留分の基礎となる財産額×遺留分割合」の計算式で算出されます。
遺言とは?
遺言とは、被相続人が生前に自身の財産の分け方などについて、最終的な意思のことを指します。遺言書を作成することで、被相続人は法定相続分に縛られることなく、自由に財産の分配方法を決められます。
遺言書には、「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3つの形式があります。
公正証書遺言は公証人が作成するため、もっとも有効性が高く、遺言書の無効や紛失のリスクを避けられます。遺言書の内容は法定相続分よりも優先されるため、遺言書があれば原則として遺言書の内容に従って遺産分割が行われます。
遺言書によっても相続人の遺留分を奪うことはできない
遺留分を侵害する遺言書であったとしても、遺留分侵害を理由として無効となるわけではありません。しかし、遺言書によって遺留分を侵害された相続人は、自身の遺留分を確保するために「遺留分侵害額請求」を行うことができます。
例えば、被相続人の全ての財産を長男に相続させるという遺言書があった場合、配偶者や他の子どもは遺留分を侵害されています。このような場合、遺言書自体が無効になるわけではありませんが、遺留分を侵害された相続人は長男に対し、不足している遺留分に相当する金銭の支払いを請求できるのです。
遺留分権利者はこの請求によって、最終的に遺留分が確保されることになるため、その意味では遺留分は遺言書に優先すると言えます。
遺言書で遺留分が侵害されたらどうする?

- 遺言書で遺留分を侵害された場合の対処法とは?
- 遺留分侵害額請求を行う
遺言書で遺留分が侵害された場合、どうすればいいのでしょうか?
ここでは、遺言書で遺留分が侵害された場合の対処法について解説していきます。
遺言書の有効性を確認する
遺留分を侵害する遺言書であっても、そのこと自体を理由に無効となるわけではありません。しかし、そもそも遺言書として法律上の要件を満たしておらず、無効になることも少なくありません。
例えば、以下のような場合は遺言書が無効となる可能性があります。
| 自筆証書遺言の形式不備 | 全文が手書きではなく一部がパソコンで作成されている、日付の記載が不正確である、署名や押印がない場合 |
| 遺言能力の欠如 | 遺言書作成時に、被相続人が重度の認知症などで正常な判断能力を欠いていたと認められる場合 |
| 偽造または変造 | 遺言書が他者によって偽造されたり、内容が改ざんされたりしている場合 |
遺言書が無効となれば、遺言書は存在しなかったことになり、相続人全員で遺産分割協議を行います。まずは遺言書の有効性を確認することが、最初の重要なステップです。
相続人は遺留分侵害額請求ができる
遺言書が有効であった場合でも、遺留分を侵害された相続人は、遺産を多く受け取った方に対し「遺留分侵害額請求」を行うことで、不足分の金銭を請求できます。
遺留分侵害額請求をするためには、まずは、当事者間で話し合い、解決を目指します。そして、話し合いで解決しない場合、家庭裁判所で調停委員の仲介のもと、合意形成を図ります。調停でも解決しない場合は、裁判所に訴えを提起し、裁判官の判断を仰ぎます。
なお、遺留分侵害額請求には、被相続人が亡くなったことと、遺留分を侵害する遺贈や贈与があったことを知った日から1年という時効があるため、早めの対応が不可欠です。
相続問題に詳しい弁護士に相談する
遺言書の有効性の判断や遺留分の正確な計算、そして遺留分侵害額請求の手続きは、専門的な知識が求められます。
遺言書の形式不備や遺言能力の有無など、法的な観点から遺言書の有効性を判断してくれます。また、時効に注意し、内容証明郵便などで確実に請求の意思表示を行うなど、法的に適切な手続きをサポートしてくれます。さらに、相続人同士の感情的な対立を避け、弁護士が代理人として交渉することで、話し合いによる早期解決を目指せます。
遺産を使い込まれてしまう可能性がある場合は、交渉や訴訟に並行して仮差押えの手続きを検討するなど、状況に応じた最適な解決策を提示してくれます。遺留分侵害に悩んだら、まずは相続問題に詳しい弁護士への相談がおすすめです。
遺言で遺留分を侵害された場合は弁護士に相談すべき

- 遺言で遺留分を侵害されて弁護士に相談するメリットとは?
- 相続人間の交渉や裁判手続きを任せられる
遺言書で遺留分を侵害された場合、弁護士に相談すべきでしょうか?
ここでは、遺留分トラブルを弁護士に相談するメリットについて解説していきます。
法的に適切なアドバイスや解決策を提示してくれる
遺留分を侵害する遺言書が見つかった場合、法的な手続きや複雑な計算が必要となります。このような問題に直面した際は、専門家である弁護士に相談することが、トラブルの早期かつ円満な解決に繋がる有効な対策です。
まず、遺留分の計算は、単純に遺産総額に割合を掛けるだけではありません。遺産に加えて、過去の生前贈与や遺贈も加算して計算する必要があるため、正確な金額を算出するのは一般の方にとって非常に困難です。
弁護士は、これらの複雑な要素を考慮し、正確な遺留分侵害額を算定します。また、遺言書の有効性を法的に判断し、遺留分を確保するための最適な戦略を提示してくれます。遺言書が無効であれば遺産分割協議へ、有効であれば遺留分侵害額請求へと、状況に応じて最善の解決策をアドバイスしてくれます。
期限内に適切に遺留分侵害額請求を行ってくれる
遺留分侵害額請求には、「被相続人が亡くなったこと」と「遺留分が侵害された事実」を知った日から1年という短い時効が定められています。この期間を過ぎてしまうと、原則として請求権を失ってしまいます。
弁護士に依頼すれば、時効を確実に把握し、内容証明郵便などを活用して法的に有効な形で請求手続きを進めてくれます。これにより、相手方から「時効が成立している」と主張されるリスクを回避し、確実に権利行使できるようになります。
調停や訴訟などの裁判手続きも一任できる
遺留分侵害額請求は、まずは当事者間の話し合いから始まります。しかし、相手方が支払いを拒否したり、交渉が難航したりした場合は、家庭裁判所での調停や訴訟へと移行することも少なくありません。これらの手続きは、多くの時間と労力を要することに加え、専門的な知識も不可欠です。
弁護士に依頼すれば、裁判手続きの一任できます。煩雑な書類作成や裁判所への出廷などを代行してくれるため、依頼者は精神的な負担を大きく軽減できます。
まとめ
遺言書を作成することで、被相続人は自由に財産を分けられますが、遺留分を持つ相続人の権利を侵害することはできません。遺留分は遺言書に優先する強い権利であり、もし遺留分が侵害された場合は、遺留分侵害額請求によって金銭での支払いを求めることができます。
遺留分の計算や手続きは複雑なため、相続問題に直面した際は、専門家である弁護士に相談することがもっとも確実な解決策となります。当事務所には遺留分の問題を含む相続問題に詳しい弁護士が在籍しておりますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
- 第二東京弁護士会
- 葬式の準備、役所の手続き、親族の話し合い…等々、慌ただしい中で法律的なことを色々考えて動くことは大変なご苦労があると思われます。そのご苦労を少しでも肩代わりできるようお手伝いさせていただきます。
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