- 土地の「分筆」とは?
- 相続時に土地を分筆する場合について
- 相続した土地を分筆して遺産分割するまでの流れ
【Cross Talk 】相続した土地を「分筆する」とは?
相続した土地の分筆とはどのような手続きですか?
分筆とは登記簿上1つの土地を2つ以上に分ける手続きです。
相続した土地の分筆について詳しく教えてください。
相続した1つの土地を複数の相続人で分け合う場合には、「分筆」という手続きが必要となる場合があります。「分筆」と「分割」は法的には全く異なる手続きであるため、その違いを正しく理解しておく必要があります。 この記事では、分筆の基礎知識から、手続きにかかる期間、必要書類、そして円満な遺産分割を実現するための具体的な流れなどについて、わかりやすく解説していきます。
相続した土地を分ける「分筆」とは

- 土地を分ける「分筆」とは?
- 「分筆」と「分割」の違いとは?
相続した土地を分ける「分筆」とはどのような手続きですか?
ここでは、土地の分筆の概要について解説していきます。
土地の分筆と分割の違い
相続が発生した際、1つの大きな土地を複数の相続人で分け合いたいと考えることも少なくありません。このとき重要になる手続きが「分筆(ぶんぴつ)」です。 分筆とは、登記簿上で1つの土地(1筆)として登録されているものを、2つ以上の独立した土地に分ける手続きを指します。「土地を分ける」という言葉には、「分筆」と「分割」の2種類がありますが、その意味合いは大きく異なります。 まず、「分筆」とは、法的に土地を切り分け、登記簿上も別々の地番を持つ独立した土地として扱う手続きです。相続した土地を複数に切り分けて各相続人の名義に変更(所有権移転登記)したり、一部だけを売却したりする場合は、この分筆登記が必須となります。 これに対して、「分割」とは、登記上の変更は行わず、建築計画などの都合上、便宜的に敷地を分けて扱うことを指します。例えば、親名義の広い敷地の一部に子どもが家を建てる際に、住宅ローンの要件や建築基準法に適合させるために区画を区切る場合が該当します。分筆にかかる期間
分筆登記を完了させるまでには、スムーズに進んで2~3ヶ月程度の期間が必要となる可能性があります。これは、単に書類を提出するだけでなく、隣地との境界を確定させる「確定測量」や、隣接地の所有者全員との「境界立会い」が必要になるためです。 特に相続税の納税が必要な場合、申告期限である「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」に手続きを終えなければなりません。境界トラブルが発生するとさらに期間が延びる可能性があるため、早めの着手が必要です。分筆登記をする際に必要な書類
分筆登記を申請する際には、主に以下の書類が必要となります。
相続時に土地を分筆する主な場合について

- 相続時に土地を分筆する典型例とは?
- 親の土地を分けたり、一部を売ったりしたい場合
相続時に土地を分筆するのは、どのような場合でしょうか?
土地の売却や単独所有したい場合などに分筆が発生します。詳しく紹介しますね。
土地を相続人同士で分ける
相続財産が土地一つしかない場合や、土地の評価額が非常に高い場合、特定の相続人だけが取得すると不公平感が生じ、相続トラブルに発展しかねません。このような際、土地を物理的に切り分ける「現物分割」のために分筆を行います。 例えば、広大な敷地を兄弟で均等に分けて相続すれば、それぞれが自身の土地として自由に活用できます。ただし、分筆後の各土地が建築基準法の接道義務を満たしているか、形状によって評価額に大きな差が出ないかといった点に注意が必要です。土地の一部を売却する
「土地の一部だけを売って相続税の納税資金に充てたい」、「広すぎて管理しきれないので、半分だけ手放したい」という場合も、分筆が必要になります。土地の一部を「切り売り」するためには、その部分を独立した「筆」として登記しなければならないからです。 この際、残った土地の利便性が損なわれないよう、売却部分の境界設定を慎重に行うことが重要です。また、分筆によって土地面積が小さくなると、単価や総額に影響が出る可能性もあるため、事前に不動産鑑定的な視点での試算も欠かせません。 関連記事:相続した土地(不動産)を売却したい場合の手続について解説!土地を単独所有にする
相続によって土地が「共有名義」になってしまうと、将来的にその土地を売却したり、建物を建て替えたりする際に共有者全員の合意が必要となり、自由な活用が制限されます。この共有状態を解消し、各相続人の「単独所有」にするために分筆が行われます。 単独名義にすることで、自分の判断だけで住宅ローンの担保(抵当権)を設定したり、売却したりすることが可能になります。特に、将来の世代に負の遺産を残さないという意味でも、相続のタイミングで共有状態を整理し、権利関係を明確にしておくメリットは非常に大きいと言えます。3相続した土地を分筆して遺産分割するまでの流れ

- 相続した土地を分筆して遺産分割するまでの流れとは?
- 分筆登記後に遺産分割を行う
相続した土地を分筆して遺産分割するにはどうすればいいですか?
ここでは、相続した土地を分筆して遺産分割するまでの流れについて解説していきます。
情報収集
まずは、対象となる土地の現状を正確に把握することから始まります。法務局で登記事項証明書、公図、地積測量図などを取得し、権利関係や過去の測量状況を確認します。この段階で、土地家屋調査士などの専門家に相談し、分筆が可能かどうかの見通しを立てるのが一般的です。測量
次に、現地で実際の土地の形状や面積を測る「測量」を行います。古い登記データと現況が一致しないことも多いため、最新の技術で精密なデータを計測します。計算
測量データに基づき、分筆後の各土地がどのような形状・面積になるかを算出します。相続人間での公平性を保つため、道路への接道状況や土地の価値を考慮しながら、最適な分筆案を作成する重要なプロセスです。境界立会い
分筆を行うには、隣地との境界が確定していなければなりません。役所の担当者や隣地所有者に現地へ集まってもらい、境界線に間違いがないかを確認する「立会い」を行います。全員の合意が得られたら「筆界確認書」を取り交わし、永続的な境界標を設置します。土地分筆登記
境界が確定したら、法務局へ「土地分筆登記」を申請します。この登記は被相続人(亡くなった方)の名義のまま行うことが可能です。登記が完了すると、新しく分かれた土地にそれぞれ独自の「地番」が割り振られます。遺産分割協議
分筆登記によって地番が確定した後、正式な「遺産分割協議」を行います。分筆後のどの地番を誰が相続するかを明確に定め、遺産分割協議書を作成します。先に共有名義の相続登記をしてしまうと、後の権利移転に余計な税金や手間がかかるため、「分筆登記の後に遺産分割協議」という順序が極めて重要です。相続登記
最後に、遺産分割協議書に基づいて司法書士が「相続登記(所有権移転登記)」を申請します。これにより、被相続人名義から各相続人の単独名義へと完全に書き換わり、全ての手続きが完了します。相続における土地の遺産分割方法について

- 相続における土地の遺産分割の方法とは?
- 現物分割・代償分割・換価分割とは?
相続した土地を遺産分割する方法にはどのようなものがありますか?
土地の遺産分割の方法には、現物分割・代償分割・換価分割があります。
関連記事:相続不動産の遺産分割4つの方法とは?流れと注意点を弁護士が解説
まとめ
相続した土地を分筆して分ける手続きは、親族間での公平な遺産分割を実現し、将来的な権利トラブルを防ぐための有効な手段です。一筆の土地を法的に切り分けることで、各相続人が自分の土地として自由に売却や活用を行えるようになり、共有名義に伴う管理の難しさを解消できるメリットがあります。 しかし、分筆を成功させるためには、隣地所有者との境界確定や精密な測量、そして「分筆登記の後に遺産分割協議を行う」という適切な手順の遵守が欠かせません。順序を誤ると余計な税負担が生じるリスクもあるため、土地家屋調査士や弁護士といった専門家と連携しながら進めることがおすすめです。

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