
- 家を相続するときに問題になること
- 話し合いがうまくいかない場合の相談先
【Cross Talk】家を相続するのですが、具体的に何をすれば良いでしょうか?
先日父が亡くなり、母・長男である私・妹で相続をすることになりました。円満に相続をするには遺産分割協議をするのが良いということはわかったのですが、具体的にどのようなことを決めればいいかわかりません…。
家を相続したときに家族で話し合いをしなければいけないことは何なのか確認しましょう。
遺産に家がある場合には遺産の中でも価値が高いということ、居住のための基本であるということもあり、通常の遺産よりも考慮すべき点がたくさんあります。どのような話し合いをして何を決めるのか、相談をするにはどのような専門家がいるのかについて確認しましょう。
家を相続する際の大まかな流れ

- 相続に必要な書類を確認・収集し、相続人全員で遺産分割協議をする
- 遺産分割協議で誰が相続するかが決まれば登記申請書を作成して相続登記をする
家を相続する際の大まかな流れを教えてください。
まず、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等の相続関係を明らかにするための書類や、相続する不動産の固定資産税評価証明書等の不動産に関する書類を確認、収集します。相続人全員で遺産分割協議をして合意ができた場合、遺産分割協議書を作成して、不動産の相続登記をするための登記申請書を作成します。
相続に必要な書類を確認〜収集する
家を相続する際には、まず相続に必要な書類を確認・収集することから始めます。相続に必要書類としては、相続関係を明らかにする書類と遺産に含まれる不動産に関する書類に大別できます。
| 相続関係を明らかにするための書類 | 不動産に関する書類 |
|---|---|
| ・被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本 ・被相続人の住民票除票 ・相続人全員の戸籍謄本 |
・不動産の全部事項証明書(登記簿謄本) ・不動産の固定資産税評価証明書 |
遺産分割協議を実施する
遺言書がない場合、遺産分割協議をします。
遺産分割協議は相続人全員で行うため、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本を確認、収集して相続人の範囲を正確に把握する必要があります。協議がまとまった場合、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名し、実印を押印して、印鑑登録証明書を添付します。
関連記事:遺産分割協議書とは?なぜ必要なのか記載の注意点や文例などについて解説
登記申請書を作成する
遺産分割協議によって不動産を相続する相続人が決まった場合、相続登記をするために登記申請書を作成します。不動産を相続する相続人の住所を確認するため、その相続人の住民票が必要です。
相続登記は自己のために相続の開始があったことを知り、かつ相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内にしなければならず、正当な理由なくこの期限内に相続登記をしなかった場合は10万円以下の過料が科せられるおそれがあるので、期限内に相続登記をするようにしましょう。
家を相続する際の分割方法

- 家を相続する際の分割方法
- 相続争いに巻き込まれたくない場合には相続放棄をする
相続した家の分割方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
相続した家の分割方法についてはいくつかの方法があります。もし分割方法で家族が揉めはじめて自分は相続したくない、となったときには相続放棄を検討してみましょう。
現物分割
現物分割とは、相続した家の現状を変えないで相続する分割方法をいいます。例えば、家・車・預貯金とあって、相続人が妻・子ども2人である場合に、家を妻が、車を子どものうちの一人が、もうひとりが預貯金を相続するという方法です。遺産の大多数の価値が家であるような場合にはこれでは不公平という場合も発生します。ただ、家といっても、母屋と離れがあってそれぞれ独立することが可能な場合や、敷地がものすごく広くて分筆登記によって土地と土地建物に分けられるような場合には、分けたうえで相続することもできます。
換価分割
換価分割とは、相続した家をお金に変えて、そのお金で分割する方法をいいます。お金という分けやすい資産にかえることで不公平はなくなりますが、当然その家は相続できなくなります。
代償分割
代償分割とは、家を相続する代わりに、他の相続人に金銭を支払うなどして分割する方法をいいます。遺産の大部分が家であるような場合には、その家を相続する方が遺産の価値のほとんどを相続することになります。これでは不公平なので、家を相続した方が他の相続人に対してお金を払う方法で解決をします。
共有分割
共有分割とは、家を共有名義で相続する方法をいいます。不動産の所有権は必ず単独でしなければならないというものではなく、所有権を共有名義にしておくことも可能です。
よくあるのが、誰も使わなくなる空き家があったり、家ではないですが山奥の山林の所有権があるような場合に、争いにならないように共有分割としておくような場合です。誰か一人が使用するような場合には、他の共有者の共有持分権を侵害するなどでトラブルになかったり、いざ売却しようとしたときに足並みが揃わなかったりすることがあるので注意が必要です。
相続放棄
家がある場合の分割方法は様々です。遺産がどのような構成をしているか、相続人がそれぞれどのような主張をしているか、でいろいろなパターンが考えられます。そのため、その相続を巡って争いになることもよくあります。相続放棄をすると、相続開始のときから相続人ではなかったという扱いになるため、遺産分割協議に参加しなくてもよくなります。
家の相続で発生する費用の内訳

- 相続登記をするには不動産の価値に応じた登録免許税が必要になる
- 相続登記に必要な戸籍謄本等の取り寄せの実費がかかる
家を相続するにはどのような費用がかかるのですか?
法務局で相続登記をする際に、登録免許税を納付する必要があります。また、相続登記をするために必要な被相続人の戸籍謄本等の書類を取得するための費用もかかります。
相続登記
法務局で登記をする場合、登録免許税を納付する必要があります。登録免許税の計算方法は所有権の取得原因によって異なり、相続登記の場合は対象不動産の固定資産税評価額の0.4%とされています。例えば不動産の固定資産税評価額が2,000万円の場合、登録免許税はその0.4%の8万円ということになります。
なお、相続登記を司法書士に依頼した場合は、司法書士の報酬(おおむね5~15万円程度)が別途必要です。
書類取得
相続登記をするには被相続人の戸籍謄本等、自治体等が発行する書類が必要になり、その取得費用が発生します。
代表的な書類とその費用の目安は以下のようなものです。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(450円)、除籍謄本、改製原戸籍謄本(750円)
- 被相続人の住民票の除票(300円)
- 相続人の戸籍謄本(450円)
- 相続人の住民票(300円)
- 相続人の印鑑登録証明書(300円)
- 不動産の固定資産税評価証明書(400円)
※費用は自治体によって異なる場合がございます。
家の相続で発生する税金

- 相続税が発生する可能性がある
- 相続した後の固定資産税が発生する
家を相続した場合に税金が発生することがありますか?
家を含めた遺産の額が多い場合には、相続税が発生する可能性があります。もっとも、不動産が自宅である場合は、配偶者控除や小規模宅地の特例等を利用することで、相続税がかからない場合が多いといえます。また、不動産を相続した翌年以降は不動産の所有者として固定資産税を納付しなければなりません。
相続税
一般的に不動産は価値が高いので、遺産の中に不動産が含まれる場合、相続税が発生する可能性があります。相続税には基礎控除があり、基礎控除の範囲内の遺産には相続税が課されず、基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。
不動産が自宅の場合、配偶者が相続するときは控除枠の大きい配偶者控除を利用することができ、330㎡以下の宅地の場合にはその評価額を最大80%減額できる小規模宅地の特例を利用可能です。相続税をおさえるための各種制度が設けられているので、相続税が発生するか心配な方は、専門家に相談するといいでしょう。
固定資産税
不動産の固定資産税は、1月1日時点の所有者に支払い義務があるため、相続によって家を取得した相続人には、相続の翌年以降の固定資産税が課されます。
1月1日から被相続人が亡くなるまでの間の固定資産税は、本来的には被相続人に納付する義務がありますが、未払いのまま被相続人が亡くなった場合には納税義務も相続の対象です。納税義務のような金銭を支払う債務は相続人間で法定相続分に応じて相続することになりますが、遺産分割協議の中で相続人間の内部分担を決めることは可能です(例えば、不動産を相続する相続人が未納部分も負担する等)。
家の相続での悩みやトラブルは弁護士への相談がおすすめ

- 家の相続に必要な書類の種類や収集方法などを教えてもらうことができる
- 遺産分割協議でトラブルになった場合に法的なアドバイスをしてもらうことができる
家の相続で困ったことがあったり、トラブルになったりした場合、どうすればいいですか?
相続に関する悩みやトラブルは弁護士に相談することをおすすめします。専門家である弁護士は相続の手続きの進め方を具体的に敎えることができるだけではなく、実際にトラブルが発生している場合には法的なアドバイスをすることもできるからです。
家の相続でのお悩みやトラブルは、相続に詳しい弁護士に相談するといいでしょう。
家の相続をするには、被相続人の戸籍謄本等の多くの書類を取り寄せたり、遺産分割協議書等の書類を作成したりする必要があります。必要な書類が不足していたり、作成した書類に不備があったりすると手続きが進められず、改めて書類を取り寄せたり、書類を作り直したりしなければならない事態もありえます。
そのため、事前に弁護士に相談し、必要な書類とその収集方法・作成方法を確認しておきましょう。また、例えば長男が「土地建物は長男である自分が相続する」と主張する等して、相続人間で意見がまとまらず、トラブルになる場合があります。弁護士に相談すれば、法的な観点から相続人の主張が妥当なものかについて助言してもらえるため、相続人間のトラブルを回避することが期待できます。
まとめ
本記事では、遺産に家があるような場合に、どのようなことを話し合って、何を決めなければいけないのかについてお伝えしてきました。資産価値の高い家・土地があるような場合には、話し合いが難しくなるようなことがあります。遺産分割の話し合いが難航した場合は、弁護士に相談してうまく解決を目指すようにしましょう。

- 亡くなった親に借金があるかもしれない
- 親と疎遠のため、財産を相続する気がない
- 相続税が払えないため家などの不動産を相続したくない
- 自営業を引き継ぎたいが借金がある
無料
この記事の監修者
最新の投稿
- 2026.05.11相続放棄・限定承認家の相続はどう進める?相続手続きの流れや発生する費用、注意点を解説
- 2026.05.11遺留分侵害請求遺留分とは?法定相続分との違いは?不公平な相続をされないための基礎知識








