相続放棄の手続や必要書類を詳しく解説いたします!
ざっくりポイント
  • 相続放棄をすれば相続人にならない
  • 相続放棄の必要書類は誰が相続人になるか(被相続人と相続人の関係)によって異なる
  • 相続人がまとめて相続放棄をすれば共通の書類は1通で足りる
目次

【Cross Talk】借金を相続したくない!相続放棄をするにはどうしたらいい?

先日、兄が亡くなりました。兄は独身で子どももいなかったので私たち兄弟で相続することになりましたが、どうやら兄には多額の負債があったようです。どうすれば良いでしょうか?

借金を相続したくないのであれば、相続放棄をすることをおすすめします。相続放棄は各相続人が単独で行うことができますが、相続人がまとめてする場合には、一部の必要書類を省略することができます。一度、ご兄弟で相続放棄について話し合ってみてはいかがでしょうか?

わかりました。さっそく話してみます!

相続放棄の手続きとは?相続人がまとめてした方がいい?

被相続人が債務超過である場合など、相続人が相続放棄をすることは珍しくありません。 ただ、相続放棄という言葉は聞いたことがあったとしても、実際の手続きについてはよく知らないという方が多いのではないでしょうか。 そこで今回は、相続放棄の手続きについて、相続人ごとに必要となる書類、書類の提出方法、提出後の流れ等を解説します。

相続放棄の必要書類

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続放棄の申述書や戸籍謄本などは共通で必要になる
  • 相続人であることを明らかにするための書類は誰が相続人になるかによって異なる

相続放棄をしたいのですが、どんな書類を準備すればいいのですか?

まず、相続放棄の申述書、被相続人の住民票除票または戸籍の附票、相続放棄をする方の戸籍謄本は必ず必要になります。また、手続きに係る費用として、収入印紙と郵便切手も準備しなければなりません。 そのほかに、相続放棄をする方が相続人にあたることが分かる資料が必要になりますが、これは誰が相続人になるかで変わってきます。

共通で必要な書類

相続放棄をする場合に共通で必要な書類(必ず提出しなければならない書類)として、

・家庭裁判所に宛てた相続放棄の申述書
・被相続人の住民票除票または戸籍附票
・相続放棄する者の戸籍謄本

があげられます。

住民票除票または戸籍附票が必要になるというのがわかりにくいかもしれませんが、これらの書類が必要になるのは、相続放棄を扱う裁判所は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所と定められているからです。
また、相続放棄をするには、家庭裁判所に収入印紙800円分と郵便切手(各裁判所によって異なるので事前に確認が必要です)を納めなければなりません。

相続放棄をするには、これらの書類以外にも、相続放棄の申述者が相続人にあたることを明らかにする書類が必要になりますが、具体的にどのような書類が必要になるかは、誰が相続人になるかによって異なります。

相続放棄する者が被相続人の配偶者の場合

被相続人の配偶者が相続放棄をする場合、被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本があれば足ります。
被相続人の配偶者は、常に相続人となるので(民法890条)、被相続人が死亡したことと、被相続人と婚姻関係にあることが確認できれば十分だからです。

相続放棄する者が被相続人の子どもまたはその代襲者の場合

配偶者以外の相続人は、相続人になる順位が定められています。 具体的には、子ども(及び代襲者)が第1順位、直系尊属(父母、祖父母など)が第2順位、兄弟姉妹が第3順位で、先順位の相続人が一人もいない場合に後順位の者が相続人になります(民法889条)。
被相続人の子どもは第1順位にあたり、被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本及び相続人の現在戸籍があれば、相続人であることが確認できることが多いです。

なお、被相続人の相続開始以前に被相続人の子どもが死亡している場合があります。そのような場合に、被相続人の子どもに子ども(被相続人からみれば孫)がいた場合、被相続人の子どもに代わって被相続人の孫が相続人になります。これを代襲相続といいます。 代襲相続人は、被相続人の子どもと同様、第1順位の相続人になります。

代襲相続人が相続放棄をしようとする場合、共通する書類である申述者(代襲相続人)の戸籍謄本や被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本だけでは、代襲相続に関する事実の確認ができません。
そのため、代襲相続人が相続放棄をする場合、被代襲者(本来の相続人である被相続人の子ども)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本も必要になります。

被相続人の孫も相続の開始以前に死亡していた場合、孫の子ども(曽孫)がいればその者が相続人となり(再代襲相続といいます)、上記書類に加えて代襲相続人(被相続人の孫)死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本も必要になります。

相続放棄する者が被相続人の父母・祖父母等の場合

被相続人に子どもやその代襲者が一人もいない場合、第2順位の父母・祖父母といった直系尊属が相続人になります。一人もいない場合とは、もともといない場合だけでなく、相続の開始以前に全員死亡している場合もありえます。

そこで、被相続人の父母、祖父母が相続人となり、相続放棄をする場合、被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本を集め、被相続人に子どもがいないかを確認する必要があります。
もし被相続人に子どもがいて、その子ども(及びその代襲者)が全て死亡している場合には、子ども(及びその代襲者)が全員死亡していることを確認しなければならないので、その子ども(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要になります。

また、被相続人の父母、祖父母の親等異なる直系尊属がいる場合、親等の近い者だけが相続人になります。
そのため、親等の近い直系尊属が亡くなっているために相続人となる者(被相続人の父母が亡くなっていることから、祖父母が相続人となる場合など)が相続放棄をする場合、親等の近い直系尊属(上の例でいえば、被相続人の父母)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要になります。

相続放棄する者が被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者の場合

被相続人に子ども(及びその代襲者)も直系尊属もいない場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。
被相続人の兄弟姉妹が相続放棄するには、先順位である被相続人の子ども(及びその代襲者)も直系尊属もいないことを明らかにする必要があるので、被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本、被相続人の子ども(及びその代襲者)で死亡している者がいる場合は、その子ども(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本、さらに被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要になります。

また、兄弟姉妹が相続開始以前に死亡していた場合、兄弟姉妹の子ども(おい、めい)が代襲相続します。
代襲相続人である甥、姪が相続放棄をするには、代襲相続の事実を明らかにするため、被代襲者(本来の相続人である兄弟姉妹)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本が必要になります。
なお、兄弟姉妹の相続の場合、民法887条3項(再代襲に関する規定)は準用されていないため、兄弟姉妹の子ども(おい、めい)が死亡していた場合には、その子どもが相続人となることはありません。

相続放棄を兄弟等でまとめて行う場合の必要書類

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続放棄はまとめて行うことができる
  • まとめて行う場合は共通する書類は1通だけで足りる

兄弟で話し合った結果、全員相続放棄をしようということで意見がまとまりかけています。これからどうすればいいですか?

もし意見がまとまるようでしたら、ご兄弟全員でまとめて相続放棄をすることをおすすめします。そうすれば、同じ書類は1通で済ませることができるからです。

相続放棄をするかどうかは、各相続人が決めることができます。
そのため、相続放棄は各相続人が単独で行うこともできますが、全部または一部の相続人がまとめて行うこともできます。その場合、同じ書類は1通でよいという扱いになっているので、相続人の人数分書類を集める必要はありません。

兄弟が相続放棄をする場合を例にとれば、相続放棄の申述書や収入印紙、切手は各相続人の分が必要になります。申述者の戸籍謄本も、各自のものが必要になることが多いでしょう(結婚などで兄弟と別の戸籍に入っていることが多いため)。

これに対し、被相続人の住民票除票または戸籍附票、被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本、被相続人の子ども(及びその代襲者)で死亡している者がいる場合のその子ども(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本、被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本などは、同じ書類になりますので、1通で足ります。

3. 相続放棄の手続きの流れ

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 相続放棄の手続きの流れ
  • 申立て書類を提出して照会書に回答する流れを把握

相続放棄の手続きはどのような流れで行われるのでしょうか

相続放棄の手続きの流れについて確認しましょう。

相続放棄の手続きは次のような流れで進みます。

相続放棄に必要な書類の用意をする

まず、相続放棄に必要な書類の用意を行います。

家庭裁判所に相続放棄を申立てる

申述書を作成し、添付書類を収集したら、相続放棄の申立てを家庭裁判所に対して行います。 相続放棄の手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。 そのため、お住まいが東京でも、被相続人の最後の住所地が大阪市である場合には、大阪家庭裁判所に対して行うことになります。 裁判所の管轄は、 裁判所の管轄区域|裁判所

相続放棄に必要な各書類の集め方

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 相続放棄をするのに必要な書類を集める方法
  • 書面の取り寄せ方など

相続放棄に必要な書類はどうやって集めるのでしょうか?

書類の集め方を確認しましょう。

相続放棄に必要な各書類の集め方を確認しましょう。

相続放棄申述書

相続放棄の申述書は、管轄の家庭裁判所で入手できるほか、下記の裁判所のホームページでダウンロードすることも可能です。 相続の放棄の申述書(成人)|裁判所ホームページ

戸籍謄本

戸籍謄本は、本籍地のある市区町村役場で入手します。 遠方で直接市区町村の役場で入手できない場合でも、郵送で入手することが可能です。 郵送で入手する際には、手数料を定額小為替で納入し、返信用封筒を同封して、市区町村役場に送ります。 戸籍と住所は別なので注意が必要です。

被相続人の住民票の除票

被相続人の住民票の除票は、被相続人の最後の住所地で取得します。

収入印紙

収入印紙は裁判所の売店やコンビニで購入できます。

予納郵券

予納郵券は裁判所が金額及び枚数を指定した切手を購入して納入し、切手自体はコンビニ・郵便局などで購入できます。

相続放棄申述書の書き方

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 相続放棄申述書の記載方法

相続放棄申述書の記載方法を教えてください。

具体的な記載方法について確認しましょう。

宛先・日付

家庭裁判所という記述がある左側に、提出する家庭裁判所の名称を記載します。 東京家庭裁判所であれば「東京」と記載します。 日付は提出する日の日付を記載します。

申述人

相続放棄をする人の氏名を記載します。 氏名は戸籍の通りに記載します。

本籍

本籍地を記載します。 住所とは異なりますので、現在の戸籍どおりに記載しましょう。

住所・電話番号

住所を住民票に記載がある通りに記載します。 電話番号は連絡に利用するので、連絡がつく電話番号を記載しましょう。 居候になっている場合には、住まわせている人の名前を(   方)のところに記載します。

氏名・フリガナ

氏名とフリガナ(カタカタ)を記載します。

生年月日・年齢

生年月日と年齢を正確に記載します。

職業

職業を記載します。 勤務先まで書く必要はなく、会社員・自営業・会社役員などで大丈夫です。

被相続人との関係

被相続人との関係で当てはまるものに○をつけます。

法定代理人等

未成年者・成年被後見人等が相続放棄をする場合には、法定代理人(親権者・成年後見人)の氏名を記載します。

被相続人の本籍

被相続人の本籍を記載します。 戸籍謄本の本籍地を記載しましょう。

最後の住所

被相続人の最後の住所を記載します。 介護施設等に入所していたような場合でも、住民票の除票にある住所を記載しましょう。

死亡当時の職業

亡くなったときの職業を記載します。 何もしていない場合は無職と記載します。

氏名・死亡日

被相続人の氏名と死亡日を記載します。 氏名は戸籍の通りに、死亡日は住民票に記載されている通りに記載します。

申述の趣旨

既に記載されている「相続の放棄をする。」のままにします。

申述の理由

相続の開始を知った日は、亡くなったことを知った日を記載し、該当する項目に○をつけます。 臨終を看取った、その日に病院などに駆けつけたなどの場合には1に○をつけます。 後日死亡したことを知ったような場合には2に○をつけ、死亡したことを知った日付を記載します。

子どもが全員相続放棄をすると、親など直系尊属がいる場合には親などの直系尊属が、直系尊属がおらず兄弟姉妹がいる場合には兄弟姉妹が相続人となり、あらためて相続放棄をすることが必要です。 これらの人が相続放棄をする場合には3に○をつけます。

相続放棄の理由

相続放棄をする理由で該当する選択肢に○をつけます。

相続財産の概略

相続財産の概略を記載します。 資産と負債に分けて記載し、該当するものに対応する金額を記載します。 金額は正確なものでなくても構いません。 ★★★

相続放棄申立ての後、照会書が届く

申述書をうけとった裁判所から、申述をした人に「照会書」というものが届きます。 これは、相続放棄に関する事実関係について確認するもので、その内容を同封されている回答書に回答して裁判所に返送します。 記載内容は、相続放棄について本心から行っているのか、法定単純承認となって相続放棄ができなくなる事由がないかなどを確認するものです。

相続放棄が認められた場合、相続放棄申述受理通知書が届く

相続放棄の申述書と、回答書の内容を精査して問題がなければ、相続放棄の申述が受理され、相続放棄の効力が発生します。 相続放棄の申述を受理されると、相続放棄申述受理通知書が送られてきます。 債権者から請求を受けたときには、この通知書をコピーして送付します。 相続放棄の流れについては、「相続放棄の手続きの流れを解説」で詳しく説明しておりますので併せてご確認ください。

相続放棄に必要な各書類の集め方

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 相続放棄をするのに必要な書類を集める方法
  • 書面の取り寄せ方など

相続放棄に必要な書類はどうやって集めるのでしょうか?

書類の集め方を確認しましょう。

相続放棄に必要な各書類の集め方を確認しましょう。

相続放棄申述書

相続放棄の申述書は、管轄の家庭裁判所で入手できるほか、下記の裁判所のホームページでダウンロードすることも可能です。 相続の放棄の申述書(成人)|裁判所ホームページ

戸籍謄本

戸籍謄本は、本籍地のある市区町村役場で入手します。 遠方で直接市区町村の役場で入手できない場合でも、郵送で入手することが可能です。 郵送で入手する際には、手数料を定額小為替で納入し、返信用封筒を同封して、市区町村役場に送ります。 戸籍と住所は別なので注意が必要です。

被相続人の住民票の除票

被相続人の住民票の除票は、被相続人の最後の住所地で取得します。

収入印紙

収入印紙は裁判所の売店やコンビニで購入できます。

予納郵券

予納郵券は裁判所が金額及び枚数を指定した切手を購入して納入し、切手自体はコンビニ・郵便局などで購入できます。

相続放棄申述書の書き方

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 相続放棄申述書の記載方法

相続放棄申述書の記載方法を教えてください。

具体的な記載方法について確認しましょう。

宛先・日付

家庭裁判所という記述がある左側に、提出する家庭裁判所の名称を記載します。 東京家庭裁判所であれば「東京」と記載します。 日付は提出する日の日付を記載します。

申述人

相続放棄をする人の氏名を記載します。 氏名は戸籍の通りに記載します。

本籍

本籍地を記載します。 住所とは異なりますので、現在の戸籍どおりに記載しましょう。

住所・電話番号

住所を住民票に記載がある通りに記載します。 電話番号は連絡に利用するので、連絡がつく電話番号を記載しましょう。 居候になっている場合には、住まわせている人の名前を(   方)のところに記載します。

氏名・フリガナ

氏名とフリガナ(カタカタ)を記載します。

生年月日・年齢

生年月日と年齢を正確に記載します。

職業

職業を記載します。 勤務先まで書く必要はなく、会社員・自営業・会社役員などで大丈夫です。

被相続人との関係

被相続人との関係で当てはまるものに○をつけます。

法定代理人等

未成年者・成年被後見人等が相続放棄をする場合には、法定代理人(親権者・成年後見人)の氏名を記載します。

被相続人の本籍

被相続人の本籍を記載します。 戸籍謄本の本籍地を記載しましょう。

最後の住所

被相続人の最後の住所を記載します。 介護施設等に入所していたような場合でも、住民票の除票にある住所を記載しましょう。

死亡当時の職業

亡くなったときの職業を記載します。 何もしていない場合は無職と記載します。

氏名・死亡日

被相続人の氏名と死亡日を記載します。 氏名は戸籍の通りに、死亡日は住民票に記載されている通りに記載します。

申述の趣旨

既に記載されている「相続の放棄をする。」のままにします。

申述の理由

相続の開始を知った日は、亡くなったことを知った日を記載し、該当する項目に○をつけます。 臨終を看取った、その日に病院などに駆けつけたなどの場合には1に○をつけます。 後日死亡したことを知ったような場合には2に○をつけ、死亡したことを知った日付を記載します。 子どもが全員相続放棄をすると、親など直系尊属がいる場合には親などの直系尊属が、直系尊属がおらず兄弟姉妹がいる場合には兄弟姉妹が相続人となり、あらためて相続放棄をすることが必要です。 これらの人が相続放棄をする場合には3に○をつけます。

相続放棄の理由

相続放棄をする理由で該当する選択肢に○をつけます。

相続財産の概略

相続財産の概略を記載します。 資産と負債に分けて記載し、該当するものに対応する金額を記載します。 金額は正確なものでなくても構いません。

相続放棄の必要書類の提出方法

知っておきたい相続問題のポイント
  •  裁判所に書類を持参する
  •  郵送で提出することもできる

必要書類はわかりました。書類がそろったらどうすればいいですか?

家庭裁判所に必要書類を持参するのが一般的ですが、郵送で提出することもできます。

家庭裁判所に出向く方法

必要書類が全て揃ったら、書類を持って管轄の家庭裁判所の窓口に出向くのが一般的です。
その場で書類の不備等を教えてもらえる可能性があり、速やかに対応できるというメリットがあります(例えば申述書に押印がなかった場合、印鑑を持っていればその場で押印することができます)。

郵送による方法

管轄の家庭裁判所が遠方であるなど、管轄の家庭裁判所に出向くことが難しい場合には、郵送で必要書類を提出して相続放棄の申述をすることも可能です。
ただし、郵送の場合、上記の持参の例と違って即座に対応することができないというデメリットがあります。

相続放棄の必要書類提出後の手続き

知っておきたい相続問題のポイント
  • 裁判所から送られてくる照会書に必要事項を記入して返送する
  • 相続放棄申述受理通知書が届く

裁判所に必要書類を提出すれば、それで相続放棄の手続は終わりですか?

いいえ。裁判所は、本当に本人の意思で相続放棄をするのかを確認するために、本人宛に照会書を送付することが多いです。この照会書に必要事項を記入し、裁判所に返送する必要があるのです。

照会書の受領・返送

相続放棄の申述書等の提出を受けた家庭裁判所は、申述者に対し、照会書を送付します。
照会書の内容は家庭裁判所によって異なりますが、被相続人の死亡をいつ知ったか、被相続人の遺産を処分していないか、相続放棄を自分でしたのか誰かに依頼したのか、相続放棄をするのは自分の意思か、相続放棄をするのはどのような理由によるのか、などを尋ねられるのが一般的です。
必要事項を記入して家庭裁判所に返送しましょう。
なお、相続放棄の手続きを弁護士に依頼した場合、上記の照会書は裁判所から弁護士に送られ、弁護士が回答すればよい、という運用になっている裁判所もあります。

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書の受領

照会書の返送を受けた家庭裁判所は書類を審査し、問題がないと判断した場合は相続放棄の申述を受理し、申述者に対して相続放棄申述受理通知書を送付します。
通常はこれで相続放棄の手続きは終了です。
被相続人に負債があった場合、被相続人の債権者が相続人に請求をしてくることがありますが、債権者に相続放棄申述受理通知書の写しを交付すれば、通常は請求を止めることができます。

ただし、なかには相続放棄申述受理通知書だけでは足りないという金融機関等があります。 その場合には、家庭裁判所に手数料150円を支払い、相続放棄申述受理証明書を発行してもらう必要があります。

相続放棄の注意点

知っておきたい相続問題のポイント
  • 相続放棄には期限がある
  • 相続放棄の撤回はできない
  • 相続放棄の再申請はできない

相続放棄について何か注意をすべき点はありますか?

相続放棄には期限があること、撤回ができないことなどが挙げられます。

相続放棄について注意をすべき事項は次の通りです。

相続放棄には期限がある

相続放棄には期限があります。
相続放棄は相続したことを知ってから3ヵ月以内に行うことが原則とされています。
もし、借金の調査などが間に合わない場合には、裁判所に期間の延長を申請することも可能です。
また、3ヵ月を超えてから借金があることが発覚したような場合には、3ヵ月以内に相続放棄できなかったことに正当な理由がある場合に限り、相続放棄をすることが可能です。
この場合には、3ヵ月以内に相続放棄ができなかった正当な理由があることを、上申書という形で記載して提出する必要があるので、弁護士に依頼して行うようにしましょう。

相続放棄した場合、次の順位の相続人が相続することになる

相続放棄をする際に注意が必要なのが、次の相続順位にある人が相続人となることです。 例えば、子どもが全員相続放棄をした場合、子どもは当初から相続人ではなかったと扱われます。 その結果、親などの直系尊属が生存していれば親が、親などの直系尊属が生存していない場合でも、兄弟姉妹が生存している場合には兄弟姉妹が相続人となります。

なお、兄弟姉妹が既に亡くなっている場合には、その子ども(おい・めい)が代襲相続します。 債権者から請求を受けることになるので、相続放棄をして相続人となることを伝えて手続きをお願いしておくことで、親族間のトラブルを防止するのが良いでしょう。

相続放棄の撤回はできない

一度した相続放棄は撤回できないので注意しましょう。
相続放棄をすると相続人ではなかったという処理をして相続人になった人が相続の手続きをするので、相続放棄後に「やっぱり相続放棄をやめます」ということを認めることができないためです。

相続放棄の再申請はできない

相続放棄の再申請はできません。
相続放棄をしても、例えば期間を過ぎていた、既に遺産に手をつけていたなどで、法律上相続を単純承認したものとみなされるときには、相続放棄の申請をしても通りません。
この場合、条件を整えて再申請したいと考えても、法律上承認したものとみなされている以上は、あとからそれを覆すことができず、再申請はできないという仕組みになっています。

相続放棄は相続開始前には行えない

相続放棄は、相続開始があったときから行えます。 逆に言うと、相続開始前には放棄をすることができません。 例えば、共同相続人から相続放棄をするように念書を差し出したような場合でも、相続放棄の効力は生じません。

相続放棄をしても受け取ることができるものもある

相続放棄によって、相続開始の時期から相続人ではなかったと扱われることになります。 そのため、相続によって被相続人の遺産を譲り受けることはできません。 しかし、相続によって財産を譲り受けるもの以外で、財産を譲り受けることは可能です。

もっとも典型的な例は、生命保険金の受取人になっている場合で、生命保険金は相続人に支払われるのではなく、保険契約で受取人となっている人に支払われるものであり、相続放棄をしていても基本的には受け取ることが可能です。

「死亡退職金は相続の対象になる?相続放棄しても受け取れる?」も併せてご確認ください。

相続放棄を弁護士に相談するメリット

知っておきたい残業代請求のポイント
  • 相続放棄を弁護士に相談するメリット
  • 手続きをスムーズに行ってもらえるなど

相続放棄を弁護士に相談したり依頼するメリットにはどのようなものがありますか?

弁護士に依頼するメリットを確認しましょう。

弁護士に相談・依頼するメリットには次のようなものがあります。

本当に相続放棄をした方が良いかのアドバイスをくれる

まず、本当に相続放棄をした方が良いのかのアドバイスを得ることができるというメリットがあります。 中には明らかに借金があるかどうかわからないなど、本当に相続放棄をすべきなのかその時点では不明な場合があります。

また、限定承認のほうが良い場合もあることもあり、あとから取り返しがつかないということにもなりかねません。 弁護士に相談することで、自分に合っている手続きを確認することができます。

相続放棄をするにあたって失敗しないで済む

相続放棄をする場合には、法定単純承認に該当することを行ってしまって相続放棄ができなくなってしまうことに注意が必要です。 例えば、遺産の整理をしたところ、法定単純承認に該当してしまい、相続放棄ができなくなることがあります。 弁護士に相談しながら行うことで、失敗をして相続放棄ができなくなるというトラブルを回避することができるというメリットがあります。

相続放棄手続きの期限に間に合うようスムーズに対応できる

弁護士に依頼をすれば、相続放棄手続きの期限に間に合うようスムーズに対応できるというメリットがあります。 相続放棄は原則として3ヶ月の期間制限があります。 期間が迫っている場合に、速やかに申立てをしてくれる、あるいは熟慮期間の伸長の手続きを行ってもらえます。 4)相続放棄の期限を過ぎたときも対応してくれる 債権者の中には意図的に3ヶ月経過をした後に請求してくることがあり、この場合には上申書で期間内に相続放棄の申述ができなかったことを主張する必要があります。 合理的な説明を上申書で行う必要がありますので、相続放棄を行いたいのであれば、弁護士に相談・依頼すべきでしょう。

まとめ

このページでは相続放棄についてお伝えしました。
相続放棄については特に戸籍に関する書類で必要なものが多いことと、最後の注意点のところでお伝えした通り、遺産に手を付けてしまうと単純承認したとみなされ、相続放棄ができなくなることがあります。
手続きに誤りがある結果、借金を相続するようなことが発生しないようにしたい、という場合には、弁護士に依頼するのが望ましいといえます。

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