遺言書を紛失した場合の対応方法について解説いたします。
ざっくりポイント
  • 紛失しても再発行できる遺言として、公正証書遺言がある
  • 保管制度を利用すれば自筆証書遺言の紛失も防止できる
  • 自筆証書遺言や秘密証書遺言を紛失した場合は再度の遺言書作成が必要
目次

【Cross Talk 】遺言書を紛失したらどうすればいいの?

遺言書を紛失してしまったのですが、どう対応すればいいかわかりません。

遺言書を紛失した場合の対応は、遺言書の方式によって異なります。例えば、公正証書遺言は再発行が可能ですが、秘密証書遺言は再発行ができません。

遺言書を紛失した場合の対応法は、遺言書の方式によるんですね。遺言書の方式ごとに詳しく教えてください!

遺言書を紛失した場合の対処法について、遺言書の方式ごとに解説いたします。

せっかく遺言書を作成したものの、何らかの理由で遺言書を紛失してしまうことがあります。 遺言書を紛失した場合は再発行を考えるかもしれませんが、紛失の場合の対応法は、遺言の方式によって異なります。 そこで今回は、遺言書を紛失した場合の対応について解説いたします。

遺言書を紛失しても再発行できる遺言

知っておきたい相続問題のポイント
  • 紛失しても再発行できる遺言書として、公正証書遺言がある
  • 保管制度を利用すれば自筆証書遺言の紛失も防止できる

遺言書を紛失しても再発行ができる遺言書があれば、教えてください。

遺言書のうち公正証書遺言は、原本が公証役場で保管されるので、紛失しても謄本の再発行が可能です。自筆証書遺言についても保管制度を利用した場合は、紛失の心配がありません。

公正証書遺言

遺言書を紛失しても再発行できる遺言の方式として、公正証書遺言があります。 遺言するには民法で定められた方式を満たす必要があり、方式を満たさない場合は、遺言としての効力が認められません。

民法が定める基本的な遺言の方式としては、自筆証書遺言・秘密証書遺言・公正証書遺言の3種類があります。 公正証書遺言とは、公証役場にいる公証人が遺言書を作成する方式であり、遺言書を作成するには公証人の立ち会いが必要となります。

公正証書遺言を作成するために公証人が必要なので、作成するには手間や費用がかかりますが、公正証書遺言にはさまざまなメリットがあります。 公正証書遺言のメリットの一つは、遺言書の原本が公証役場で保管されていることです。

公正証書遺言を作成すると、遺言者には遺言書の謄本が渡されますが、謄本はあくまで原本のコピーです。

公正証書遺言の謄本を紛失したとしても、公証役場に原本が保管されていれば、謄本を再発行してもらえるので、遺言書を再度作成する必要はありません。

自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言

民法が定める遺言の方式のうち、自筆証書遺言については、自筆証書遺言書保管制度というものがあります。 自筆証書遺言保管制度とは、自筆証書遺言の原本を法務局に預けて、電子の画像データとして保管する制度のことです。

作成した遺言書を保管しなければならない、相続開始後に家庭裁判所の検認が必要である、などの自筆証書遺言のデメリットを補完するため、2020年に創設されました。

保管制度を利用すると、自筆証書遺言の原本を遺言者が管理する必要がないので、遺言書を紛失するトラブルを防止できます。 また、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえるので、遺言の偽造や変造を防止できるなどのメリットもあります。

紛失した場合には再度遺言書の作成が必要な遺言

知っておきたい相続問題のポイント
  • 自筆証書遺言や秘密証書遺言を紛失した場合は再度遺言書の作成が必要
  • 新旧の遺言書で抵触する部分がある場合は、新しい遺言書が優先される

遺言書を紛失した場合に、再度遺言書を作成しなければならない場合について教えてください。

保管制度を利用していない自筆証書遺言と、秘密証書遺言については、遺言書を紛失した場合には再度遺言書の作成が必要です。

自筆証書遺言

保管制度を利用していない自筆証書遺言については、紛失して見つからない場合は、新しい遺言書を作成する必要があります。

自筆証書遺言は、遺言者が手書きで原本を作成する必要があり、原本でなければ遺言書の効力が認められません。 もし自筆証書遺言の原本を紛失してしまうと、遺言書が存在しないのと同じ状態になるので、結果として遺言の効力が認められないのです。

自筆証書遺言のコピーをとっていたとしても、原本ではないので、原則として遺言書の効力はありません。 自筆証書遺言を紛失してしまった場合、遺言の効力を生じさせるためには、新しく遺言書をする必要があります。

秘密証書遺言

秘密証書遺言を紛失した場合は、再度の遺言書の作成が必要です。 秘密証書遺言とは、遺言者以外が遺言書の内容を確認できないため、どのような遺言書を残したのかを秘密にできるのが特徴です。

秘密証書遺言をするには、まず所定の方式にしたがって遺言書を作成し、それを公証役場に持ち込んで手続きをします。 秘密証書遺言をするには公証人が必要ですが、公証人はあくまで遺言書が存在することを証明するだけであり、遺言書の内容は確認しません。

遺言書を作成するために公証役場での手続きが必要なものとして、秘密証書遺言のほかに公正証書遺言があります。 注意点として、公正証書遺言は原本が公証役場で保管されますが、秘密証書遺言は原本が保管されません。 自筆証書遺言とは異なり、秘密証書遺言は公的な保管制度もないので、秘密証書遺言を作成した場合は、何らかの方法で保管する必要があります。 秘密証書遺言を紛失した場合は、遺言書の原本が存在しない状態なので、新しく遺言書を作成する必要があります。

あとから出てきた場合の効力

新しく遺言書をする場合は、紛失した古い遺言書があとで発見される可能性があるので注意しましょう。 遺言書の原本を焼き捨ててしまったなど、原本を見つけることが不可能な場合は良いのですが、失くしたと思っていた古い遺言書があとで見つかった場合は、新旧の遺言の効力の関係が問題になります。

新旧の遺言の効力の関係のルールとして、新しい遺言書と古い遺言書に抵触する部分がある場合は、原則として新しい遺言書の内容が優先されます。 例えば、古い遺言書は”甲不動産は長男に相続させる”とし、新しい遺言書では”甲不動産は次男に相続させる”とする場合は、内容が抵触するので、新しい遺言書が優先されます。

ただし、新しい遺言書が優先されるのはあくまで抵触する部分についてのみであり、抵触しない部分については、古い遺言書の効力が認められるのです。 例えば、古い遺言書は”甲不動産は長男に相続させる”とし、新しい遺言書は”乙不動産は次男に相続させる”とする場合、それぞれ別の不動産についての指定なので、古い遺言書についても効力が認められます。

問題は、遺言書の内容として曖昧な部分があると、抵触するかしないかの判断が難しいので遺言書の内容や効力をめぐってトラブルが生じる可能性があるのです。

遺言書を紛失して新しく作成しなければならない場合は、遺言書をめぐるトラブルを防止するために、弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。

まとめ

遺言書を紛失した場合の対応法は、遺言書の方式によって異なります。 公正証書遺言は謄本を紛失しても再発行が可能で、保管制度を利用した自筆証書遺言は原本が保管されるので紛失はありません。 ただし、保管制度を利用していない自筆証書遺言や、秘密証書遺言は、原本を紛失した場合は再度の遺言が必要です。 再度の遺言書の作成が必要な場合は、古い遺言書が発見される可能性を考えて、相続問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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