弁護士法人 東京新宿法律事務所(所在地:東京都新宿区/代表者弁護士:中村 得郎/第二東京弁護士会所属)は、40~70歳で相続を経験し、相続後に親族関係の変化を感じた方を対象に「相続後の親族関係の変化に関する調査」を実施しました。


<背景>

相続は資産配分の問題にとどまらず、進め方・伝え方・合意の作り方といったプロセス全体が親族間の信頼に影響します。結論が出ても、情報の共有不足や言葉遣いの齟齬が残れば、手続き後に“疎遠化”を招くことがあります。一方、前提の共有や役割分担、第三者(専門家)の関与を丁寧に設計できれば、関係維持・回復の余地も生まれます。本調査では、相続後の関係変化と、その背景にある出来事を検証しました。


<調査サマリー>

・相続後の実感は「疎遠になった」が60.7%で多数派

・手続き中の関係性は「円満だが緊張もあった」が28.7%で最も多い

・相続終了後も影響した出来事は「言い方・態度(心ない一言等)」18.0%で最多

・関係の立て直しは「特に何もしていない/できなかった」が28.3%で最多

・有関係改善の有効だと思う手立ては「距離感を保つ線引きを決める」が23.3%で最多


<調査概要>

調査期間:2026年1月15日~2026年1月20日

調査方法:インターネット調査

調査対象:40歳~70歳で相続を経験し、相続後に親族関係の変化を感じた方

サンプル数:300


相続後の実感は「疎遠になった」が60.7%で多数派

現在の距離感は、「かなり疎遠になった」33.3%と「少し疎遠になった」27.3%の合計が60.7%。一方で「少し親密になった」27.0%、「かなり親密になった」12.3%(計39.3%)も存在し、相続を機に関係が近づくケースも一定数見られますが、全体としては“距離が開いた”実感が上回りました。


手続き中の関係性は「円満だが緊張もあった」が28.7%で最も多い

相続の話し合い・手続きの最中の雰囲気は、「おおむね円満だったが、緊張する場面もあった」28.7%が最多。「協力的で、落ち着いて進められた」27.0%が続く一方、「意見の食い違いがあり、気まずい場面が多かった」22.0%、「もめごとが多く、関係が悪化していた」15.7%、「連絡を最小限にしないと進まない状態だった」6.7%も一定数みられました。


相続終了後も影響した出来事は「言い方・態度(心ない一言等)」18.0%で最多

相続の過程で、手続き後まで尾を引いたと感じる出来事は「言い方・態度(心ない一言等)」18.0%が最多。次いで「感謝・ねぎらい・謝罪など、関係を整える言葉があった/なかった」16.0%、「十分に話せないまま結論になった」14.7%、「財産・負債情報の出し方に偏りや不透明さを感じた」14.3%が続きました。決定内容だけでなく、コミュニケーションの質やプロセス設計が関係性に影響しやすいことが示唆されます。


関係の立て直しは「特に何もしていない/できなかった」が28.3%で最多

相続後に関係を整えるため実際に行ったこととしては、「特に何もしていない/できなかった」28.3%が最多。一方で「いったん距離を置き、線引きを決めた」13.3%、「連絡の頻度や手段を意識して整えた」11.7%、「定期的に状況共有の場を作った(家族会議等)」11.3%、「役割分担(誰が何をするか)を決めた/見直した」11.0%など、具体策も一定数上がりました。


関係改善の有効だと思う手立ては「距離感を保つ線引きを決める」が23.3%で最多

「こうしておけば関係を保てたかもしれない」と振り返る観点では、「距離感を保つ線引きを決める」23.3%が最多。続いて「相続後に続く負担(実家・墓・費用など)も含めて方針を決める」19.0%、「相続中に情報を見える化し、同じ前提で話す」15.7%、「『決め方(合意形成の手順)』を丁寧に整える」14.0%が並びました。加えて「早い段階で専門家(弁護士・行政書士など)に相談する」12.3%という結果も得られ、当事者だけで抱え込まない重要性がうかがえます。


まとめ

本調査では、「疎遠になった」と回答した方が60.7%と多数派でした。背景には、言い方・態度といったコミュニケーションの質、情報共有の不足、合意形成プロセスの設計不備などが影響している可能性があります。相続中から①前提情報の可視化、②役割分担による負担の偏り回避、③合意形成の手順を先に決める――といった手当てが、相続後の関係維持に資することが示唆されます。整理が難しい場合には、早めに第三者(弁護士等)の支援を検討するのも有効です。

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